今回はサイパンのお話。というのも、先月末11月29日からスカイマーク航空が、初の国際定期便の運行を始めたのですが、その便が【成田とサイパンの直行便】なのです。そこで・・・。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!12月17日(火)は、『スカイマークがサイパン直行便を復活!!』というテーマで近堂かおりが取材をしました。
★サイパン直行便が一年半ぶりに復活!
まずは、スカイマーク株式会社 代表取締役社長 市江正彦さんにお話をうかがいました。
- 市江正彦さん
- 「1年半前、2018年の5月の連休までは、アメリカのデルタ航空がサイパン直行便を1日1往復していたがやめてしまったんです。それ以来ですから1年半ぶりに復活です。我々としては初の国際便で、サイパンを選びました。まだまだ日本人にはニーズがあると思いました。時差も1時間、フライトタイムも3時間半。気楽に行ける海外リゾートで、前飛んでいたデルタ航空に聞いても”実は黒字で利益は出ていた”。なぜ止めたのか聞いたら”本社の意向だ”と。それで検討して採算がとれるということもわかりましたので、やるようにしました。」
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スカイマーク株式会社 市江正彦社長と。
デルタ航空がサイパン直行便から撤退したのが去年のGW明け。そこから1年半以上、日本からサイパンに行く直行便はありませんでした。スカイマークは、今年に入って4回、単発のチャーター便を出して実験を重ね11月末から復活。1日1往復、週に7便の【定期便】となりました。
日本からサイパンを訪れる観光客の数は、ピークの1997年(平成9年)には45万人でしたが、その後直行便が減っていき、ついに直行便がなくなったこともあり、最近ではサイパン旅行に行く日本人は大きく減っていました。
★「唯一我々だけが飛んでいる」という戦略!
そんな中でスカイマークは初の国際線定期便の行き先にサイパンを選択したわけです。社長は『採算がとれる』と言っていましたが、どうしてサイパンだったのか、そこにはスカイマークのこんな戦略がありました。再び、市江社長のお話です。
- 市江正彦さん
- 「私共としては、たくさんの航空会社さんが路線を持っている地域よりは、他社が飛ばしていない路線を次また考えていきたいと考えています。安売り合戦になってしまうと会社としては長く続けられるのかという問題が出てくると思うんです。始めたからには続けたいので、競争が激しく赤字になると悩みが出てくるので、できれば価格競争、値段合戦ではない方が良い。その方が企業として持続可能性が高くなる、自分たちの力を見ながら力を蓄えて次に上がっていくという考えです。あとは、サイパンは戦争の時の慰霊で行かれる方もいらっしゃいます。学校の修学旅行で平和学習ということで行く学校もあるので、役にたてれば、我々にとっても嬉しいです。」
サイパンというと戦争、というイメージはあります。直行便がなかった期間中も、乗り継ぎ便を利用して、慰霊でサイパンを訪れる人は多くいました。そういう背景から、修学旅行でサイパンに行き、平和学習をするということも考えられる、ということで、まだまだニーズはある、というお話でした。歴史を風化させない意味でも、意義ある直行便復活ですね。
そしてもうひとつ大きいのが、LCCのが増えていること。価格競争が起きると、儲けの出ない路線からは撤退することになってしまいます。LCCはほとんど大手の傘下にあり、価格競争の体力勝負ではかなわない・・・そこで【自分たちだけの路線】を作り、長く続けられる直行便を作ろうというのがスカイマークの戦略ということでした。
料金が跳ね上がるトップシーズンはちょっと話は別ですが、例えば1月末の平日に予約すると、往復26000円ほどに燃油サーチャージが付くお値段でサイパンに行けるということ。
ちなみに、現在まだ旅行会社経由での販売はなく、スカイマークのHPでしか予約できませんが、3月末までのサイパン行きの座席はすでに6割ほど埋まっているそうです。
市江社長は【他のところと同じではなく、唯一我々だけが行ける】という基準で選んだそうで、今後もそういった路線を探して海外の直行便を増やしたい考えがあるそうです。
★早く飛んできて欲しい、と思ってました!
さて、ここまでは日本側の事情の話でしたが、今度はサイパン側の話です。日本が直行便を始めたことについて、サイパン側はどう思っているのか。サイパンのあるマリアナ政府観光局 日本オフィスの一倉 隆さんのお話です。
- 一倉 隆さん
- 「2018年5月に撤退をされて、受け入れ側としては直行便の復活、早く飛んできてほしいと思っていました。サイパンの観光の歴史というのは1980年代に日本の投資によってスタートしている。ホテルの建設だとか、2000年くらいまでは観光客はほとんど日本人だった。日本の投資によっていまのサイパンの経済があるとみんな思っていて、日本人は良い客だとみんな思っている。日本のマーケットに対する期待は非常に高いんです。」
日本とサイパンは日本の投資もそうですし戦争の歴史もあり、繋がりが深いこともあって、サイパン側は日本からの直行便を待っていたそうです。早く!早く!!って思ってましたよ~!と一倉さん。
★スポーツアイランドマリアナ!
そしてさらに、サイパンの方でも、観光に新しい取り組みをしています。再び一倉さんのお話です。
- 一倉 隆さん
- 「今年からの新しい取り組みとして【スポーツアイランドマリアナ】ということで、年間を通じてスポーツが楽しめる島、観光局としてもスポーツイベントをやっていて【ヘルオブマリアナ】という自転車レース、それから3月14日にはサイパンマラソン、海越えのあるゴルフ。サイパンはビーチリゾートというイメージだと思うが、ショッピングをする場所ではないと思う。ショッピングなら隣のグアムがある。サイパンは心も身体もリフレッシュする場所だと思ってます。」
今年10月から大きく【スポーツアイランドマリアナ】とうたって、改めて魅力を打ち出しています。サイパンは色々なスポーツができるんですね。もちろん1年中泳げますし、自転車、マラソン、ゴルフのほか、ウインドサーフィン、ダイビング、バギー、ヨガなど様々な体験ができます。
新しく定期便が飛んで、新しい取り組みも始まっているサイパン、楽しそうですね。
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近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。