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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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相次ぐイノシシの出没 河原は意外と居心地がいい!?

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このところ東京近郊で、野生のイノシシの出没することが続いています。

昨日の午前中には、神奈川県箱根町の小田急・箱根湯本駅前の商店街に3頭のイノシシが現れた。また東京・八王子でも市役所に近い住宅地にイノシシ1頭が出現。午後3時ごろに警察官が捕獲しようとしたが失敗、イノシシは逃走、河川敷でも目撃。

いま地方に耕作放棄地が増え、イノシシが人家の近くに住みついて、数が増えた。その増えたイノシシが、川づたいに都会へとやってきていると言われています。今月3日に東京・足立区で目撃されたイノシシも荒川沿いを下ってきたという報道。でも、河川敷にイノシシというイメージはあまりありません。そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!12月11日(水)は、『相次ぐイノシシの出没 河原は意外と居心地がいい!?』というテーマで近堂かおりが取材をしました。

★イノシシが川に住んでいるの!?

そこで今回は、野生のイノシシに詳しい方にいろいろ話をお聞きしました。お話は、東京と隣接する山梨県小菅村で3代続く猟師、青柳万寿男さん。61歳イノシシを都会へと導いているのは川だというのは、本当ですか?

青柳万寿男さん
「イノシシは20年も前から多摩川では、昭島、立川あたりの川に住みついてて、それで今回台風で水がいっぱいになっちゃったから、河原から上がって行き場所を探してるということなんですよ。立川の昭和記念公園にもいたなんてあったでしょ、1ヵ月ぐらい前に。あれなんか間違いなく多摩川からきたんでしょう。(河原に住んでいるものなんですか?)イノシシは繁殖力が強いから、環境に順応して、エサさえあればどこでも住むんですよ。河原にはミミズもいるし、川虫もいるし、魚やカエルの死骸も…生きてるのはなかなかイノシシは捕まえられないけど水の中もぐれないからね、でも川を泳ぐことはできるから。川にいるといろいろなものが流れてくるから食糧に事欠かないんですよ。」

河川敷は結構いいエサ場なのですね。それで荒川とか多摩川でも中流もしくは下流近くの河川敷までイノシシがきて住みついていた。そこに秋の台風19号で川が増水した影響で、さらに下流までやってきたのだろうということ。

★山のイノシシも里の人家近くに!?

そして青柳さんは、今年の山の状況も、イノシシに影響していると言います。

青柳万寿男さん
「エサがない。それは確か。クマも今年は早くから近くに来てるから。あったかかったし、紅葉が遅かったから。で、今年は紅葉もきれいになりきれないうちに葉っぱが散ったりね。ちょっとあったかすぎた、今年ずっと。へんにあったかかったから実がうまくつかなかったんじゃないかな、いつも通り。熟さないというか。山の様子がおかしかった。それと、いま狩猟シーズンが始まっているので、普段イノシシが生息しているところは猟師が行きますので、里の人家近くでじいっとして、畑や河原に住んでいれば猟師や猟犬に追われることはないので、河川敷のほうが居心地がいいというケースがあるわね。うんと利口ですよ。」

山のエサが今年は少ないから、里の河川敷まで下りてきた。そうしたら猟師も猟犬もいなくて、山よりも居心地がいい…ということなのです。野生のイノシシは一日に何十kmも移動することが当たり前なので、一度目撃されて逃げたイノシシが遠く離れたところに出没する可能性は大いにあるそうです。

★ばったりイノシシと出会ってしまったら?

さすがに東京の真ん中で遭遇することはないでしょうけど、ちょっと離れれば、ばったり出会う可能性もあります。そのとき何に気をつけたらいいのでしょうか。青柳さんに教えていただきました。

青柳万寿男さん
「やっぱりオスは牙があるから、オスのイノシシは危ないね。メスのイノシシは牙がないから豚みたいだと思うけども、メスのイノシシは噛みつくの。あごの力がすごく強い。里で会った場合、あまり刺激しないことだよね。(逃げたらだめですか?)うーん、間合いだよね。向こうもたぶん人間が怖いはずなんですよ。『あ、人だ』って思えば、普通はイノシシのほうが先に逃げちゃいますよ。ところが距離が近いと、向こうも逃げるに逃げられないということになると、向こうのほうが手を出してくる可能性はあるね。ただ、イノシシはあんまり高い木は登れないので、できたら高い所に行ったほうがいいね。すべり台とか公園の遊具があればそれに登ったほうがいい。」

基本的には、あまり大騒ぎしない、ということ。逃げるなら高いところ、というのも覚えておきたいですね。今年10月にイノシシが目撃された、東京・立川市と昭島市にまたがる国営昭和記念公園の公式サイトにも、次のように注意書きが掲載されています。

国営昭和記念公園の公式サイトより
「☆もしイノシシを目撃したら・・・。
*近づかず興奮させないように静かにイノシシから見えない場所に避難しましょう。
☆もしイノシシに出会ってしまったら・・・。
*なにもせずに放っておきましょう。
*イノシシは臆病なので、ほとんどの場合はそのまま逃げていきます。
*ゆっくり後退し、静かにその場を立ち去りましょう。
*決して威嚇したり、追い払おうとしないでください。」

★追われているイノシシ、手負いのイノシシは危険!

最後に猟師歴40年以上の青柳さんに、いま東京に出没しているイノシシの印象を聞いてみました。

青柳万寿男さん
「荒川にいたイノシシを映像で見たけど、向こうから向かってくるようなタイプじゃないから、あれは手負いでも何でもないから、ああいうイノシシは大丈夫。猟犬に追われているイノシシとか手負いになっているイノシシはやばい。けど、都市部でああいう河原にいるやつは、それほど怖い相手じゃないと思いますよ。(消防団とか市役所の人が追いかけているときは?)ああいうときは、だめ。ああいうときは、近くにいるとうっかりすると向かってくるから。」

もしイノシシを見かけることがあったら、落ち着いて対処。そして市役所などに連絡を。イノシシが増えている背景には、山の環境の変化や、気候の大きな変化もあれば、休耕田の増加とか、その農業人口の減少とか、いろいろな要因が絡んでいる。野生動物を駆除する人も不足。結構、根の深い問題でもあります・・・。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。


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