今回はお菓子の話です。最近、定番のお菓子に「まさか!」というような変化が起きているんです。11月12日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
まずはカルビーが販売している「堅あげポテト」。その新しい味が、コンビニでは先月末から、スーパーでは昨日から販売されているんです。カルビー株式会社の大藤 友季恵さんのお話です。
★禁断のマヨ足し!
- カルビー株式会社 大藤 友季恵さん
- 「今回、「堅あげポテト ブラックペッパー マヨ足し味」というものを発売しました。お客さんに「人には言えない堅あげポテトの食べ方を教えてください」とアンケートをとったところ、「マヨネーズをかけて食べる」という方が非常に多くいて、企画側としては今の商品が完成形だと思っていたので、そこになにかをつけるというのは考えていなかったんですけど、ファンに人気の禁断の食べ方を商品化することで、お客さんがワクワクできればと思って企画しました。」
元々、堅あげポテト ブラックペッパー味という商品はありました。その商品にマヨネーズをかけて食べるというのがファンの間で流行っているのをSNSやファンサイトを通じて発見し、新商品として販売しました。
まさかマヨネーズをかけて食べるなんて、企画側が思い付かなかった食べ方だそうで、私も食べてみましたが美味しい。お酒に合いそう。そしてもうひとつ、さらに「なんだコレ!」と思った新商品が発売されました。
★じゃが “湯” りこ
今度はカルビーの「じゃがりこ担当」、広報部 広報課の幕内 理恵さんのお話です。
- カルビー広報部 広報課 幕内 理恵さん
- 「今回の商品はじゃがりこの進化形商品。間に「湯」が入りまして「じゃが湯りこポテトサラダ」という商品。以前からじゃがりこファンの間で「じゃがりこにお湯をかけてポテトサラダ風にして食べる」という声があって、そのニーズに応えてポテトサラダに寄せたじゃがりこを発売した。通常のじゃがりこには、ニンジン・パセリとかの野菜が入っているが、じゃが湯りこに関してはベーコンやスイートコーンとかオニオンの具材を練りこんだ。食事風スナックとして楽しめます。」
10月21日にコンビニで販売開始、スーパーでは来週18日から発売される新商品。「食事風スナック」という、聞いたことがない言葉で表現していましたが、お湯をかけてポテトサラダにして食べるという、今までのじゃがりこのイメージをガラっと変える商品です。
そもそも元々のじゃがりこは、お湯をかけられる耐熱仕様になっていなかったので、今回はパッケージにそのままお湯をかけられるように改良するほどポテトサラダに寄せました。
こうしたオキテ破りとも思えるくらい、今までのイメージを変えてしまうような商品を出しているのは、カルビーだけでなく、例えば、
- 明治乳業「練乳ラテ」:「練乳を飲み干したい」というファンの要望から商品化。人気すぎてほぼ売り切れ状態で販売中止。
- ローソンの「飲むソフトクリーム」:あまりにも人気で販売終了(来年再販売予定)
- カップ焼きそばでおなじみのペヤングの「ソースラーメン」:湯切りをするカップ焼きそばにスープが付いた。9月に発売を開始したばかりですが、人気で販売終了。
- マルちゃん「赤いきつね焼うどん」:ペヤングの逆で、つゆが魅力の赤いきつねからつゆがなくなった!人気で売り切れ。販売終了。いままでのイメージがガラっと変わるような商品が続々と出てきていて、しかも売れています。
★チン専用のどら焼き!
そしてついに、和菓子からも「今までなかった新商品」が出てきました。どら焼きの老舗「中尾清月堂」6代目 中尾 真夢さんのお話です。
- 中尾清月堂 6代目 中尾 真夢さん
- 「富山県高岡市を拠点として創業は明治3年。いちばんの商品はどら焼きです。「ホットドラバター」は昨年12月に新発売した電子レンジ専用のどら焼き。食べる直前に電子レンジで20〜30秒チンしていただき、できたてのおいしさとはまた違ういちばん美味しいタイミングがあらわれる。和菓子を電子レンジでチンすること自体が斬新。やってそうでやってなかった。そこに今回フォーカスした。5ヶ月で10万個を売るヒット商品となりました。」
1週間で1万個、5ヶ月で10万個を販売するヒット商品「ホットドラバター」というどら焼き。新しいのは「食べる直前にチンして下さい」という部分。和菓子業界で「ありそうでなかった」発想で、最初は富山県内だけの販売でしたが、ネットでも販売し、今では全国の百貨店のイベントなどでも売られています。
★変えていく事の大切さ
和菓子まで変わってきたお菓子業界ですが、「お菓子を変えていく」というのが大切だと中尾さんは話してくれました。
- 中尾清月堂 6代目 中尾 真夢さん
- 「どら焼きといえば和菓子の王道だが、今の若い人は自分でわざわざどら焼きを買わない。洋菓子屋さんだったり、スーパー、コンビニは近くにあるが和菓子の専門店は敷居が高い。伝統があるがゆえに買いにくさがあった。その伝統の良さをいかに令和の時代に新しくチェンジさせるか。それを和菓子、どら焼きを使って新しいお客さんに提案していきたい。」
ファンの声を聞いたり、今までのイメージを変えたり、伝統を少しだけ変えたり。どうやってお客さんのニーズをつかむか。お菓子業界は大変です。