きょうは、進化が止まらない街「新大久保」について。新大久保のイメージといえば、韓国=コリアンタウンだと思いますが、実は、この数年で、大きく変化してきたんです。10月31日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、志田ディレクターが取材報告しました。
どれだけ変わったのか、街のみなさんの声です。
★多国籍化が止まらない!
- ●「ネパールです。今は勉強して、そのあと、卒業したら決めてない。日本好きです。」
- ●「ベトナムから来ました。日本語勉強するために来ました。渋谷とか原宿の道とか楽しかったです。」
- ●「タイから来ました。まずは、日本語を勉強しました。」
- ●「香港人です。はい、お客さんです。日本の料理好きです。ピザ(ピザって日本の料理?)わからない。あと、タピオカ」
- ●「僕はチュニジア人です。私はこの街好きなんです。新大久保とか大久保って、ミックスされて、国際の街なので、おすすめですよ。」
- ●「私、バングラディシュから来ました。最初は日本語学校、留学生に来ました。色んな国の人がいる、ヨーロッパもアメリカもくるし、最近、ウズベキスタンの方も増えてるので、本当に面白いと思います。」
この数年で、新大久保は、コリアンタウンから世界の縮図のように多国籍化!しかもコリアンタウンは、お店が韓国で、お客さんは日本人という傾向でしたが、今回の変化は、お店もお客さんもみんな多国籍化してきているんです。
といっても、これまでも、メインのコリアンタウン以外に、新大久保駅の近くには、通称「イスラム横丁」という名前の一角があって、そこではネパール、インドやパキスタンの人などがいました。
ですが、今は、そこからさらに多国籍化しているんです。新大久保をざっくりと区分けすると・・・新大久保駅は改札出口がひとつで、この出口を出て「右」と「左」で変わります。
出口を出て右側に進むとそのままコリアンタウン。
そして、左側(大久保駅側)が最近、徐々に拡大する多国籍エリア。この多国籍エリアは、お店も急増していて、去年には、タイ・ベトナム・シンガポール・マレーシア・韓国・中国・インド・ネパールと、合計8カ国の料理が一堂に集結した新スポット「アジア屋台村」もオープン!
なんですが・・・では、どうしてここまで新大久保に各国の人が集まるのか、新大久保の事情について詳しい、東京工業大学の佐藤由利子先生のお話。
★東日本大震災をきっかけに日本語学校が大量リクルート!
- 東京工業大学・佐藤由利子先生
- 「新宿区には9つの大学、58の日本語学校があり、特に新大久保周辺には、 日本語学校が多く集まり、国籍別にみると、近年増えているのが、ベトナム、 ネパール、ミャンマー、バングラディシュ、インドネシア、スリランカなどの出身者。彼らが増えたのは、2011年の東日本大震災がきっかけ、震災のときに、 原発事故もあり、中国、韓国、台湾といった留学生が帰ってしまったり、来日中止をしたりして、日本語学校の人が危機感を抱いて、これまで留学生が来ていなかった 「非漢字圏」の国々に、留学生の募集に出かけました。その結果、これらの国からきている留学生の多くは、働きながら学ぶ、苦学生の人たちとなりました。」
その効果が、数年たって、ようやく今出始めた。だから、みなさん、新しく来ている人は、若い学生さんばかり!また、日本語学校が多いだけでなく、新大久保は、隣が新宿駅とすぐ近いのに新宿駅よりも家賃が安いから住みやすいなどの理由もあるんです・・・
と進化してきた新大久保ですが、新しい人達は、こんな共通点もあったんです。。
★新しい各国の人達は、みんな卒業後は自国に帰っちゃう
- ●「日本で働いて、色々な経験集めて、ネパール戻って就職して働く。」
- ●「私は、学校卒業したら、5年くらい、日本のIT会社で働いて、ネパール帰って、自分の会社つくりたいです。それが目的です。」
- ●「国に帰ります。タイに戻ります。たぶん日本の会社で働きます、タイで。日本の会社の方が、お金が高いです。」
もちろん、日本でその後、働く人もいますが、傾向としては戻る人が多い。というのも、日本では、そうは言っても物価が高くて、生活するのがやっと。だからある程度知識をつけて自分の国に戻るケースと・・・
あとは、ネパールとかタイ・ベトナム・インドネシアなどは、日本企業が進出。そして、各国の日系企業は、それぞれの国の企業よりもお給料が高い。さらに、日本よりもみんな、物価も安いから、ふるさとに帰る方がお得。
ということで、みんな日本語学校で日本語を学んで、大学で知識をつけた後、ほとんどの人が自分の国に戻ってしまうという傾向もありました。
という変化が激しい新大久保ですが・・・だからといって、単純に各国のみなさん日本にただいるだけじゃないんです!どうせ日本にいるなら、工夫して稼ごうというスタイルのお店も続々登場!
★自分の国+日本流をコラボさせた新スタイルのお店が続々!
- ●「ベトナムの居酒屋です。(じゃメニューは居酒屋メニュー?)そうです。焼き鳥とかサラダとか枝豆。(ベトナムと日本の料理って似てる?)ちょっと似てる。」
- ●「大衆酒場、ソウルフードバンコク新大久保店です。(どういうお店?)タイと日本をミックスしました。焼酎とホッピーです。日本です。タイ風冷ややっこ、豆腐とソースはタイのソース。「パロー」は、煮込みです。タイはちょっと辛い食べ物いっぱいある。日本はソース辛くない。
日本スタイル、味はちょっと薄いです。」
最近多いのは、「●●の国+居酒屋」=日本テイストとコラボしたお店。ほかにも、ネパールと日本のコラボしたお店もある。
というのも、ネパールの伝統料理(ダルバート)などは、「お米」と「豆料理」と「野菜」の定食で、日本の料理に近い。
また、ベトナムやタイも、もともと日本に近い料理があったので、味付けを日本風に変えて、さらに日本酒や焼酎「ホッピー」まで揃えた所、大ヒット!
私も食べましたが、本当に日本の居酒屋でくつろいでいる気分だけど・・・横に韓国のカップルがいて、後ろにイスラム系の人、目の前は英語とすごい状況となっていて、「ここはどこ?」という空気を醸し出す、新世界=新大久保の街でした!