台風19号の影響が続いていますが、今、日本には外国の方もたくさんいます。台風19号では、避難できたのか、正しく情報は手に入れられたのか。災害情報のバリアフリーについて、10月15日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
まずは、今回の台風について、どうやって台風情報を得ていたのか、聞いてみました。
(実際は英語でお話いただきましたが、この記事では翻訳で記載します)
★今回台風が来ることは知っていた?どうやって情報を仕入れていた?
- ●「名前が「ハギビス」だということも知っている。アプリとテレビを使って情報を得た。」
- ●「テレビでQRコードをかざすと翻訳が出るというサイトを紹介していたので、それでしっかりと備えることができました。」
- ●「インドネシア大使館からの情報、ウェブで日本政府が公式に発表したもので情報をゲットしていた。」
まず、みなさん「台風19号」を「ハギビス」と正式名称で呼んでいた。
今回お話を伺った中で最も多かったのは「アプリ」で台風情報を得ていたという人。そのアプリは、観光庁が監修して開発された「safety tips」というもので、日本国内の緊急地震速報、津波警報、噴火速報、気象特別警報などが通知されます。これで情報を得ている方が一番多かったです。
他にはNHKなどで、画面の左下にQRコードが出ていて、それを読み込んで翻訳されたページに飛び最新情報をみていた方。
日本語はわからないので、グーグルマップで台風情報を確認した(最新のアップデートで、台風の予想進路を確認できるようになった。)
ネット以外にも、毎朝ジャパンタイムズを買ってそれだけで情報を得ていた。親戚の知り合いが日本人で、その人から情報を得ていたなど、みなさん色々な方法で台風情報を確認していました。
★台風で大変だったこと
続いて、台風で大変だったことを聞いてみると、こんな意見が多くでました。
- ●「ビジネスで来ました。今回台風で私のフライトがキャンセルになってしまい、まだ日本に滞在している。明日の朝に帰ります。」
- ●「本当は日曜日に帰る予定だったがフライトキャンセルで日曜日にかけて空港で過ごした。あと数日 日本にいなくてはならない。空港で寝袋や水を配ってくれたので助かった。台風は経験したことがなく怖かったが徐々に慣れた。」
羽田空港では土曜から日曜日にかけて1000人以上が空港内で夜を過ごしました。国内線も国際線もほとんど欠航、大幅な遅延となってしまい日本を出られず、しばらく日本に滞在することになったという人が多かった。
そして、台風を経験したことがない人も多かった。アジアだと台風、アメリカだとハリケーンがありますが、ヨーロッパでは少ないので、特に風が恐ろしかったと言っていましたし、土曜日の夜は地震もあったので、パニックになったという方もいました。
そしてもうひとつ、ラグビーのワールドカップ開催中。ラグビーを観に日本にやってきたという人にも話を聞きました。
★ラグビーを見に来たのに・・・
- ●「スコットランド出身。日本戦を観にきた。ファンタスティックな試合だった。スコットランドを応援していた僕としては厳しい結果だったが、雰囲気も良く楽しめた。台風の時はどこにも出られずホテルに缶詰め。試合当日は交通も復旧して、無事にスタジアムに行けたよ。」
- ●「金沢に滞在していて、ラグビーを観るために横浜に出てこなければいけなかった。金沢から京都に行って、京都から東京に行かなければならず非常に不便でした。」
ラグビーワールドカップは日本全国で試合があるため、移動が大変。ですが、北陸新幹線は、長野県にある車両センターが浸水し、金沢から東京に新幹線で来ることができず、一度京都に出てから、東海道新幹線で横浜まで来てラグビー観戦をしたそうです。
多くの外国人観光客を混乱させた台風でしたが、最後に「台風を経験してココを直して欲しいということはありますか?」と聞いてみました。
★日本に直してほしいこと
- ●「ホテルに戻ろうとしていた時に、電車が遅延したり止まっていた。駅のアナウンスが何を言っているかわからず混乱してしまった。」
- ●「私の携帯はアメリカから持ってきた携帯なので、緊急速報のアラートが鳴らない。そこが改善されるとうれしい。」
- ●「最初に私が観ていたテレビ番組は英語に対する翻訳が甘く、非常にわかりにくかった。いま日本にはたくさんの外国人が来ている。今の翻訳だと厳しい、もっとわかりやすい翻訳を出せば、我々もどうしたら良いのかわかりやすくなる。」
電車の計画運休、携帯への最新情報、翻訳の精度。我々もバタバタしてしまう台風ですが、言葉がわからない外国の方はもっと強いはず。どんな方にも安全情報をと考えると、まだまだ改善すべきところはありそうです。