料理といえば塩やコショウをふりかけるイメージがありますが、ここ数年、意外なものもボトル式でパウダーを振りかけるタイプが出ているんです。9月26日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
★「パウダー調味料」使ってます!
今、家庭ではどのくらい「パウダー調味料」が広まっているのか。実際に街で聞いてきました。
- ●「小麦粉と天ぷら粉。ボトル式です。袋から出し入れは面倒、片手で振れて簡単。」
- ●「例えばカレーコロッケを作るときとかは、固形のものだとうまくじゃがいもと混ざらない。粉末だったらふりかかければいいだけなので便利で使ってました。」
- ●「中華味は便利。何にでも合うから。蓋を開ければすぐ使えるって言うの一番楽。キューブもあるが剥くのが指がかさかさで面倒。野菜炒めやチャーハンが楽!」

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小麦粉、てんぷら粉といった、従来であれば袋で販売されていたものが、手のひらサイズのボトルに入って売られています。手を汚さずふりかけて料理に使える。他にも中華味やカレー味など、ボトルタイプの粉末調味料がここ数年で増えているんです。
★ふりかけて作るお味噌汁
他にも意外なものが粉末のボトルで登場。神州一味噌株式会社、商品企画部の堀和憲さんのお話です。
- 神州一味噌株式会社・商品企画部 堀和憲さん
- 「パパっと味噌パウダー。元々あるペースト状のお味噌をフリーズドライ加工してそのままパウダー状にしたもの。ペースト状の味噌の市場は微減傾向。少しずつ小さくなってる。そんな中で、お味噌自体をもっと色んな活用してもらいたいなっていうメーカーの思いもあって、今のペースト状の味噌よりもなかなか使い勝手がペースト状だと溶けにくいですとか。溶かした後のお玉を洗ったりするのがちょっと手間だとかといったところを少しでも解消できるようにより使いやすいパウダー状にした。」
出汁も入っているので、そのままお湯に溶かすだけでお味噌汁にもなります。堀さんも言っていましたが、単身世帯が増えるにつれて家庭で味噌汁が出ることが少なくなっています。
でもパウダー状であればすぐ溶かせるので時短料理として便利だし、洗い物の手間もかからないし、味噌汁以外にも様々な料理のアレンジに使える。
例えばサラダやパスタにふりかけたり、肉や魚などの下味、トーストやおにぎりもおすすめだそうです。
仕事から帰ってきてめんどくさい料理は作りたくないなという気持ちの中こういったパウダーがあると簡単に作れる、と社員の方も言っていました。
★あらゆる料理がバーモントカレーの味に
続いては、街でも使っているという声がありました、カレー味のパウダー。複数のメーカーから発売されているのですが、今回はハウス食品の「味付カレーパウダーバーモントカレー味・甘口」を取り上げます。
こちらは、ボトルにも「カレールウではありません」と書いてあるように、カレーそのものを作るためのものではなく、あらゆる料理にカレーの風味がつけられる粉末タイプの調味料です。
なぜこういったものを開発したのか。ハウス食品株式会社・新領域開発部の黒部史明さんのお話です。
- ハウス食品株式会社 新領域開発部 黒部史明さん
- 「子育て共働き世帯が忙しいので。平日は基本的に買い物にあんまり行く時間がない。土日にどかっとまとめ買いをして足りないものは平日買い足す。その中でお母さんたちから、月火あたりのことはある程度考えて土日にまとめ買いをする、例えばハンバーグとか餃子など定番メニューが出てくるけど、週半ば以降になってくると使いかけの食材が結構たまってくると。そこで作られるメニューはありもので作った炒め物、汁物で、なんて呼んでいいかわかんない。我々社内でそういうのを「名もなきメニュー」っていう名前をつけた。ただ子供達はなかなかそういうメニューは味付けも含めて結構難しくて食べてくれないメニューが多くて、お母さんたちが困ってることとして見えてきたと。」
例えばまとめ買いして使いかけのキャベツやお肉。使い切らないといけないけれど、ただなんとなく炒めたり汁物にしただけでは子供達がなかなか食べてくれない。
そんなときに、子供が大好きな「バーモントカレーの味」ということであれば子供も好んで食べてくれる、そして料理を作る側としても、肉、魚、野菜とあらゆる食材に使えるカレー味は魅力的で、目標の2倍のペースで売れているそうです。
★お母さん体験を経て
このパウダーの開発にあたっては、ハウス食品の黒部さんご自身がある体験を行ったそうなんです。
- ハウス食品株式会社 新領域開発部 黒部史明さん
- 「私自身がですね娘が二人おりまして働くお母さんの一週間体験というのを身を持ってやって心から知るということをしました。実際にこの生活続けてたら6~7割の感じで走っとかないとこれも持たないなっていう感じがまずそもそも身をもってわかったということと、その中の一つが子供が食べてくれないってことなんですけど、そういう生活の線の流れみたいなものを意識して妻すごい動いてるんだなっていうのもすごい身をもって分かりましたし、あとは妻が余裕ができて家庭の雰囲気がなんというかかなり無茶苦茶良くなったんです。」
今でも黒部さんは土日のごはん担当として、残り物でカレー味のチャーハンを作ったりしているそうですよ。