カジノを含むIR総合型リゾート施設の誘致を表明した横浜。横浜のカジノ・IR誘致といえば、カジノ・IRは白紙の姿勢で市長選を戦った林文子市長が先月、突然、誘致にかじを切りましたが、9月25日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、その現状を取り上げました。
先週末には、このカジノ・IR誘致に向けての調査費用などが含まれた補正予算案が、横浜市議会の本会議で可決され、治安面などを懸念する反対派が市役所を取り囲む事態となりましたが、
横浜市の林文子市長はこう話しています。
★横浜市の林文子市長
- 横浜市の林文子市長
- 「ご懸案とかご心配とか、いろいろあるということを改めて承知いたしておりますので、これから丁寧に市民の方にもしっかりとご説明して、進めてまいりたい」
林市長としては、横浜市は将来の財政難を見据え、カジノ・IRを誘致すれば、年間最大1200億円の増収が見込まれるため、カジノ・IRの誘致が必要という立場。
林市長は今後、横浜の18区全てで説明会を開き、市民に理解を求めていくとしています。
では、実際に横浜市民のみなさんはどう受けとっているのでしょうか。
★市民の声①「カジノ反対派」
- 市民の声
- 「反対です。客層が変わるんじゃないかという懸念の声もあるし、治安の点で私は反対。
後は韓国のカジノの跡が廃墟の化としていたので、横浜もやっぱりゆくゆくはそうなってしまうんじゃないかなあという危険性も半分あります。財政面ではねプラスに動くところ前かもしれないですけど、そうじゃない部分も絶対あると思うんですね」
- 「反対です。あんなギャンブルいらない。結構、依存症になってる人はいるでしょう。
財政が苦しいからといってあれで財政を潤そうと思ってんだけどそんなに簡単にいかない」
- 「やっぱり反対ですよね。雰囲気が良くなくなっちゃうんじゃないかなって心配になりますから。普通の人がいるのに、違う人いっぱい入って、ギャンブル的なことってちょっとね。それに周りの子どもたちとか、若い人たちの心配が大きいですね。娘も横浜ですし、孫もいます。財源がないんだったら他のことでなんか減らすとことか、こうやっぱりうまいやり方っていうのはそれは政治なるですよね。税金をうまく使ってね。だからギャンブルじゃなくてうまくある財源をやりくりして欲しいなと思います」
否定的な意見が多く、横浜市が去年実施したパブリックコメントでも433件のIRに関する意見のうち94%が否定的な意見だったのと、依然として同じような結果でした。
治安の問題をあげる人が多く、あと市長が訴える財政面についてはお金がないならないなりに財政運営しろという声でした。
ただ、その一方で賛成している人もいます。
★市民の声②「カジノ賛成派」
- 市民の声
- 「私はどちらかというと賛成です。たくさんお客さんが来れば横浜市の活性化にもつながるでしょうし、税金とかも取れるんじゃないですか。外国人の誘致とかできたらいいんじゃないかなっていうふうに思います。あのパパが外国人なんでこの子は。
お子さんがカジノに将来というようなことも発生しうるが、それはしょうがないですよね。大人になってから自分の自己責任でやるならやりたかったらやりますもんね。」
- 「海外のお金を目当てにしてるんだったら日本でありだどっかがやるなら横浜でいいと思う。そもそもパチンコでギャンブル依存もあるし一緒のような気はする。市民のためにギャンブルでお金をっていうのは考えたくはないけどギャンブルカジノがあることで市民に還元できるでいいと思うから。
横浜といえばシュウマイ。それだけじゃなく横浜のなんかが欲しいですよね。
そういった部分でカジノであってもいいのかなと思います」
- 「良い方向に賑わっていったりするんだったら別に全然できてもいいと思います。この辺の街もいろんな人がいるので、だったらきちっとお金がある方がお金を使えば別にそんなに否定はないですけどね」
カジノ・IR誘致が必要と考える人は、やはり少数派ですが、いまの横浜の財政面を考えると、外貨獲得策としてやむなしじゃないかという声。
また子供がいても不安じゃないという人もいたり、そもそも横浜はいろんな人がいるので、、という人もいました。
こうした現状の民意、また林市長の推し進めようとしていることを、横浜の実業家で候補地の港湾事業者、横浜港運協会の藤木幸夫会長はどう考えているのでしょうか。きのう聞いてきました。
★藤木会長①「林市長とは・・・、ひとりになっても反対」
- 「カジノって一言で言うけども安倍さんと菅さんとね、官邸のレベルのカジノの話は完全な国際政治の問題ですよね。私たちはね反対だとかなんとか言っているのは、政治は何の関係もない。とにかく国民生活の中で、家庭ってものを失うということを含む問題だと思いました。ということは、国の基礎は家庭ですから、結局、国はもう基本を失ってくようなことにつながる。そう考えるとカジノなんか絶対にいけないと。林市長だってやる気なんか全くなかった。上からの命令でイエスと言うんだよって話しを持ってこられて、林さんが苦労してる。よくあそこまで我慢したと思う、林さんは。林さんとは、もう他のことでも色々協力し合ってきたからね。怖いのはねこれで良い仲が悪くなることだよね。(どうやって対抗していく?)このカジノの問題に落としどころがないです。俺は横浜の足元を守るのが一番大事なんだね。俺一人になっても最後まで反対する」
★藤木会長②「海外運営の問題の懸念、自前でやる気もない」
- 「この依存症を考えたらマイナスですよ、経済的にも決してプラスにならない。だって事業者が海外の人なんでしょ。事業者が横浜の人じゃないでしょ。そういう連中が海外に持ってかれちゃって、そのおこぼれでうんぬんってさもしいよ。そう思っただけで嫌です。(カジノを海外の事業者がやるって話が今出てますが、これ地元の企業、例えば会長の方でやろうとかそういうことはないんですか?)そういう事やるノウハウもなければ金もないから。ただカジノはやらせない。横浜の50年、100年の将来を身売りするようなことはまずいんじゃないかと思いますよ」
現状では、カジノは横浜に参入する意向のラスベガスサンズやメルコリゾーツなど、海外事業者が潤うだけなのではという見方もあることへの懸念。
では、地元企業もしくは自分の会社で運営をする気がないのかと伺うと、自前でもカジノ運営はないと話していました。
こうしてカジノをめぐって横浜が割れていくなか、林市長の舵取りはますます難しさを増しそうです。