会社員の方にとって、通勤ラッシュの時間帯の満員電車で座れずぎゅうぎゅう詰めになるのはつらいものがありますよね。そんな中、快適に通勤するための「社会実験」が今、都内で行われています。その名も「真夏のらくらく船旅通勤」。8月1日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
★船旅通勤を体験!
- 竹内リポート
- 「こちら、勝どき駅から徒歩10分ほどの所にある、朝潮運河ですね。朝潮運河から日本橋のほうに向かっていく船となります。40名乗れる船なんですけど、今見渡すとほとんど空席がありません。多くの乗客の方がスーツ姿という、非常に面白い光景が目の前に広がっています。出発しました!風が気持ちいいですね。皆さん結構携帯で、動画を録ったり写真を撮ったりして楽しんでいるお客さんが多くいらっしゃいます。」
勝どきは、再開発が進みタワーマンションなど居住地が拡充しているエリア。そして日本橋はビジネス街として知られています。この2か所を船で結び、新しい通勤手段として試してもらおうという実験です。
7/24(水)~8/2(金)まで、平日の8日間が実験期間で、朝の7時半から9時という通勤時間帯に15分間隔で運行。座席はウェブや電話による事前予約制で、料金は、実験段階のため無料です。
今回、実際に利用された方に様々な角度から感想を聞いてみました。まずは、通勤の風景についてです。
★風景が楽しい!
- ●「船通勤初めてだったけど、楽しかったです。通勤とはいえ遊園地みたいな感じで。」
- ●「景色が面白かったね。いろんな橋が見れて。」
- ●「高速道路の下を通れたのが一番、普段なかなか見えない所なのでよかったですね。」
- ●「築地の跡地を壊している所、今しか見れないかなと思ってみてました。」
普段電車の中で、スマートフォンをいじりながら下を向いているという光景が浮かぶのですが、船旅通勤では、みなさん顔を上げて、スカイツリーやレインボーブリッジといったスポットを楽しそうに撮影していました。それから、今は学生さん夏休み中ですので、お子さんと一緒に船で出勤して、水路を辿りながら日本の歴史についてレクチャーしたというお母さんもいました。
★通勤時間については賛否両論!
通勤の風景は概ね好評でしたが、通勤時間については、賛否両論分かれました。
- ●「時間が、倍近い、かかりますね。」
- ●「結構45分ぐらいかかってるので、思ったよりも時間かかってるので、うーん。」
- ●「時間はかかるんですけど、たまに車使ったりするんで、それよりは全然いいかな渋滞がないから。/船なので遅れるかなと思ったんですけどそんなことが全然なかったので通勤手段になるなと思いました。」
今回のルートは、電車だったら20分程度で行けるところを船では30~40分程度となるため、倍近くかかる!という不満はかなりありました。その一方で、船だと朝の時間帯に混雑することがほとんどなく、電車や車と比べると渋滞や遅延がない、という点を評価する声もありました。
★屋根がないと暑い!
続いては、通勤の環境についてですが、こちらは、ネガティブな意見が多かったです。
- ●「いや、暑いですねちょっと。屋根がないと無理ですねこれは。」
- ●「ちょっとやっぱり暑いじゃないですか。だから、景色見たいなと思ってデッキ出たんですけど、長居するのがつらいなと思って。だから、通勤通学用って聞いてるんですけど毎日これ乗るのは大変かもなーとちょっと思いましたね。」
今回使われている船は、屋根があるものと無いものがあって、屋根のないものだと直接日光が当たるので、日焼けを気にされている女性の方もいらっしゃいました。
それから、雨が降った時の問題もあります。少しの雨だったらポンチョを貸し出すことになっていますが、普段電車での通勤に慣れている方にとっては抵抗があるかもしれません。
このあたりは、今回の実験を踏まえ、改善を考えていくということでした。
★気になる料金設定はどうなるの!?
そして最後に、料金設定について。実験段階では無料ですが、今後どうしていくのか。「らくらく船旅通勤」担当者に聞きました。
- 東京都都市整備局・交通プロジェクト担当課長 池田中さん
- 「 今回アンケート調査の中でも、料金の設定のご意見は頂くことになっておりまして、どれぐらいが可能なのかというのは我々も関心が高い所でございます。鉄道の場合には勝どき駅から三越前で、270円程度でできますので、それにプラスで今回、着席で、船の良さということも堪能して頂けると思うんですけど、どこまで出せるかというのはまたちょっとアンケートを聞きながら今後考えていきたいと思ってます。」
社会実験の参加者からは「料金は500円までがいい」という意見が多かったですが、どうなるでしょうか?