今日は自動車教習所のお話です。最近、ということでしょうか。自動車教習所にある変化が起きているというのですそこで・・・。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!6月12日(水)は、レポーターの近堂かおりが『教えるのは車の運転だけじゃない!自動車教習所がドローンスクールに?』というテーマで取材をしてきました。
★自動車教習所がドローン操縦教習所!?
まずは、埼玉県川越市にある、三共自動車教習所・ドローン事業室室長の春日井圭一さんのお話です。
- 春日井圭一さん
- 「ドローンスクールという、ドローンに関しての入門者の方に安全に操縦していただくための知識や操縦技能を学んでいただくスクールを開講しました。座学に関しては教習所の学科教室で行い、実技に関しては教習所コースを使用して実技を行う予定です。都内だと飛行の禁止区域が設定されていて飛ばせないところが多いんですけど、当教習所はその規制外の場所にありますので飛ばせるということです。今人口減少に伴って、今後10年間で18歳人口が確実に減っていくことへの対策と、会社内の活性化を測るにはどのようなことが良いかと考えて、ドローンの教習を始めようということになりました。」
ということで、川越三共ドローンスクール・室長の春日井圭一さんのお話でした。こちらの川越三共ドローンスクールは今年5月に開講。ドローンを安全に飛行させるための基本的な知識と操縦の技術が学べる。主に建築関係や農業関係など、これから事業でドローンを活用したい人向け。もちろん一般の方も受講できます。4日間の講習で民間のライセンスの取得が可能。お値段は税込25万9200円。

規制のない場所なので、広々とした教習所の敷地内でドローンの教習ができます
★ドローン講師になります!
基本的には教習所の指導員がドローン講習の講師を務めることになっている、ということですが、いままで車の運転を教えていたのに、いきなりドローンと言われてびっくりしたのでは??川越三共ドローンスクール・インストラクターの梅原伸洋さんに聞いてみました。
- 梅原伸洋さん
- 「私はもともと自動車教習所の教官をやっていたのですが、これからはドローンの教習の教官をやっていくことになります。(最初言われた時どう思いましたか?)ドローンスクールをやりますと言われた時にうちもそういうのやるんだなあと、お声がけ頂いた時に個人的には楽しみだなと思いました。やはり不安ではあるんですけど、これからインストラクターになるための勉強をしている最中ですね。初めて動かした時には、本当に初めて車を乗った感覚と一緒で久々の感覚でしたね。車と一緒で安全面を考慮したところを特に教えていかなければと、事故などを起こさないようなその考え方を教えていきたいと思います。」
梅原さん、今年の2月ごろにドローンの講師としてやってほしいと声がかかったそうで、そこから猛勉強をして、講師の認定試験に向けてがんばっていらっしゃいます。しかし、普段から教えるということに特化しているので、そのノウハウはドローン講習にも活きますよね。安全面での教育などは車もドローンも同じということでした。陸の安全から空の安全まで、ということですね!
★自動車学校の新しいビジネスモデル
ところで、自動車教習所は、少子化で生徒数が少なくなってきていることから、ドローンスクールに乗り出したというお話がありましたが、実は理由はそれだけではないようです。全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)の専務理事・小林康宏さんのお話です。
- 小林康宏さん
- 「和歌山の自動車学校さんは教習所の隣にスイミングスクールを持ってるんですよね、なのでスイミングスクールの休みの時に水中ドローンのスクールをやるんですけど、空き施設の有効活用ということで、一つのビジネスモデルとして面白いのかなと。そこはまた面白いことに肥料屋さんも経営しているので、なので農薬散布にもつながったり。切り口を変えてみると、自動車学校が他の事業をやっているところが親和性が高かったり。今週の土曜日に開校するんですけど、富山県の自動車学校さん。そこは大きな運送会社の傘下のスクールなんですけど、物流会社なのでドローン物流を意識して、キッカケとしてドローンスクールから入って、その後にドローン物流、ドローンの移動タクシーとかにつながっていくかもしれません。」
自動車教習所は元から土地が豊富で、色んな事業をやっているところが多いんです。冒頭でお話を伺った川越三共自動車教習所も農業をやっているんですよ!
つまり、ドローンスクールも新しいビジネスモデルとしてやっている側面が強い。空いている資産の有効活用、他の事業へのドローンを活用を見据えたもの、さらには教習所の閑散期(教習所は、高校生や大学生などが多いので、春休みや夏休みなどの時期からずれると生徒が減る・・)にドローン教習でその時期を有効活用したりと、様々な効果があるようです。
ちなみに、自動車教習の合間、昼休みなどに、教習生にドローンを体験させることで、自動車教習所の入学者が増える、ということもあるとか。
★空だけじゃない!水中ドローン元年です!
最後に、先ほどのお話の中で、水中ドローンという言葉が出てきましたが、一体どんなものか、ジドコンの小林さんに伺いました。
- 小林康宏さん
- 「水中に関しては今年がもしかしたら面白くなる【水中ドローン元年】とも呼ばれているんですけど。ドローンの進化とともに水中に関しても比較的同じような技術が使えるようになってきていて、空のドローンって今まで人がいけなかったところを撮影できるというのがポイントですが、水中の方も同じく今まで人が潜っていたところを代わりに潜ってもらって撮影してもらうニーズがあります。例えば船底、フジツボの点検をしたりだとか、レジャーで言うとスキューバーダイビングの人と一緒に潜って撮影したり、あとは養殖場とか定置網の網のチェックだとか。人が潜っていたところを代わりになってくれるということで、注目を浴びて、自動車学校が取り組みを始めていたりします。」
6月4日、水中ドローンのエキスパートを養成する団体『日本水中ドローン協会』が設立されています。空撮・測量・点検・捜索・救助などなど、ドローンを事業の中で活用してきたいと考えるところは増えてきています。そして、それは、海の中も同じです。まさに、これから【ドローン前提社会】が来るとのことで、こういったスクールはどんどん増えていきそうですね。

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。