ここ数年、詐欺の手口が巧妙化し、先日は「アポ電強盗」も大きなニュースとなりました。自宅へのアポ電対策としては、自動通話録音機や留守番電話の活用などに注目が集まっていますが、一方で、無料でできる詐欺対策も出てきました。3月18日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
まずはスマホの詐欺対策について。携帯電話大手・ソフトバンクの格安ブランド「ワイモバイル」が、先月末から詐欺対策機能を搭載したスマホの販売を開始しました。ワイモバイル事業推進本部の横山知香さんのお話。
★「危険な着信」と教えてくれる
- ワイモバイル事業推進本部 横山知香さん
- 「この“迷惑電話対策機能”は、振り込め詐欺などの特殊詐欺や悪徳セールスなどの危険な電話が掛かってきた時に、スマホ画面に大きく警告画面を出すもの。簡単な初期設定だけで、着信時と発信時に自動判別して知らせる。電話を受けた際と現金を振り込む際、犯人と連絡を取る時に警告を出して被害を防ぐ。」
![森本毅郎スタンバイ!](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2019/03/IMG_1748-536x400.jpg)
不審な番号から電話やショートメールが届いたとき、「危険な着信の可能性があります」と画面上に大きく表示されます
これはシニア向けの「かんたんスマホ」に搭載された、迷惑電話対策機能。2月末以降に発売された端末に搭載されていて、初期設定するだけで無料で利用できます。(警告対象の番号は、警察や行政機関の情報などを集約しているとのこと)
★相手先を自動で表示
他にも、安心してスマホを使ってもらうための機能も搭載されているそうです。
- ワイモバイル事業推進本部 横山知香さん
- 「ハローページに登録されている電話番号から掛かって来た時、自動で病院名などが表示されるようになっている。知らない番号からの電話は不安になるが、この機能により、安心して電話に出られるのではないかと考えた。」
ハローページに登録された番号であれば、着信時に名前が表示されるこの機能。実は「かんたんスマホ」でなくても、「基本プラン」に入っているソフトバンクユーザーは、同様の機能を持った「迷惑電話ブロック」というアプリを無料で使えます。ソフトバンク以外のキャリアでも似たようなサービスがあるようなので、一度自分のプランを確認してみるのも良いかもしれません。
![森本毅郎スタンバイ!](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2019/03/fig_main-600x254.png)
ソフトバンク「迷惑電話ブロック」
★「SCAM DETECTOR」で架空請求判定
さらに、詐欺対策として架空請求のハガキなどに引っ掛からない為のアプリもありました。こちらは埼玉弁護士会に所属する弁護士と、友人のプログラマーの2人で開発したもの。開発をした弁護士の川目武彦さんのお話です。
- 弁護士 川目武彦さん
- 「LINEで、架空請求と思われるハガキや請求書の画像を送ってもらうと、AIで判定し、その場で回答するシステム。AIで判定出来なければ協力している弁護士にメールが行き、個別に判断して回答がLINEで送られてくる。架空請求に該当するかどうか、「濃厚」あるいは「正当」と回答。あくまでも判断材料としてつかってもらう。」
![森本毅郎スタンバイ!](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2019/03/IMG_17141-536x400.jpg)
「SCAM DETECTOR」を開発した川目武彦弁護士
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「ハガキ」による架空請求詐欺で、送付されるハガキ見本(国民生活センター ホームページより)
こちらの無料判定アプリ「SCAM DETECTOR」は、LINEで友達登録すれば誰でも無料で利用できます。AIが画像認識し、1分ほどで判定可能。そこで判断できなければ弁護士さんが一つ一つ目で見て判断しますが、その場合でも24時間以内に回答してくれるそうです(既に8000人が登録済み)。メールの文面も、その画像を送れば対応できるそうですが、画像の切り取り方次第でイレギュラーもあるので、基本的には請求書と葉書が対象とのことです。
▼「SCAM DETECTOR」はこちらからLINEの友達登録できます。
https://company.kakuseikyu.com
★「訴訟」という言葉にパニックにならない
川目さんが開発を考えたのは、こんな経緯があったようです。
- 弁護士 川目武彦さん
- 「ある時、クライアントから変なハガキが来たとクレームめいた問い合わせが来た。確認させてもらったら典型的な架空請求ハガキだった。その時、「何でこんなモノで疑問?胡散臭いし…」と思ったのだが、お客さんからすると初めて受け取ったのもあり分からないと。その時に、一般の人と弁護士の間のギャップを感じた為、AIでの解析に着目した。」
川目さんは、今後も多くの人に友達登録してもらう事で、詐欺対策に繋がると話していました。
★「お守り代わり」の備えが大切
- 弁護士 川目武彦さん
- 「新種のハガキが来た時も、弁護士が判断して新種だと分かれば、その都度AIに教え込めば良い。そうすると同じものが来たらはじける。このアプリの最大のポイントは、架空請求が来た時に登録するのではなく、架空請求が来る前に登録すること。相手はパニック状態にする手段を考える。アプリを入れておくことで、「架空請求が来たら試してやろう」位の余裕が生まれる。」
自分は大丈夫だろうと思っていても、いざ詐欺にあったとき、パニックに陥ってしまうかもしれません。お守り代わりとして、事前に備えをしておくことが重要かもしれません。
![田中ひとみ](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/09/sump_tanakahitomi-400x400.jpg)
田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!