これまで現場にアタックのコーナーで、色んな定額サービスを取り上げてきましたが(ラーメン食べ放題、コーヒー飲み放題など)、ついにここまできたかという話題の定額サービスが出てきました。3月14日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
まずは、株式会社アドレスの事業開発部・明尾知洋さんのお話。
★「定額住み放題」サービス登場
- 株式会社アドレス 事業開発部・明尾知洋さん
- 「「ADDress(アドレス)」は、月額4万円から定額で、全国の空き家や別荘などの他拠点に「住み放題」出来るサービス。 4月1日オープンを予定していて、全国に13箇所の拠点がある。北は北海道から、千葉の南房総・北鎌倉・南伊豆、そして東京にも2拠点ある(都心から1〜2時間で行けるところが多い)。多拠点なので色んなところに移り住んで行くことができる。最初、限定で30名の利用者を募集したが、1000人以上の応募がきている。」
「ADDress」は、全国の多拠点に定額住み放題のサービス。開始・敷金・礼金・共益費・光熱費などすべて込み込み、月額4万円〜(年間48万円〜)利用できます。1拠点には最大1週間まで住めて、「平日は都心、週末は地方で過ごしたい」という人からのニーズが高いようです。また、若者が地方に行くことで、空き家問題を解決させる狙いもあるようです。
★デュアルライフを満喫
そしてこの動きは、「新たな生活スタイル」の流行も関係しているようです。株式会社リクルート住まいカンパニー「SUUMO」副編集長の笠松美香さんのお話。
- 株式会社リクルート住まいカンパニー・「SUUMO」副編集長 笠松美香さん
- 「都会と田舎の二つの拠点を持って、両方を行き来しながら生活するスタイル「デュアルライフ」が流行ると思っている。今までは、仕事を辞めたリタイア層や富裕層が、別荘地に一戸建てやリゾートマンションを買うようなリゾートライフが、従来の2拠点生活のあり方。ただ、最近は空き家の増加で地方の住宅が安く借りられるようになったり、シェアハウスなど多様な泊まり方ができているので、そうしたものを利用した20〜30代の若い人が、地方暮らしを楽しんでいるのが特徴。」
近年ジワジワと人気が出てきているのが、2拠点生活を行う「デュアルライフ」。2拠点に住まいを持つことはお金がないと出来ないのではと思いますが、意外にも、20〜30代が5割を超えているということです。
デュアルライフを行う「デュアラー」は、趣味を満喫するために拠点を持ったり、移住する前のお試しだったり、自然の中で子育てしたいというニーズを持っていたりと様々な形があるようですが、その中でも特に多いのが、「地方貢献をしたい」という若者の存在です。
★家を持たない「アドレスホッパー」
それには、こんな若い人の意識の変化も影響しているようです。株式会社アドレスの明尾さんのお話。
- 株式会社アドレス 事業開発部・明尾知洋さん
- 「やはり今の若い方は、「所有する」ことにこだわらない人が多くなってきているなと、僕自身含めて感じます。僕も実際シェアハウスに住んでいて、家を持つことに全然こだわりがない。家を持たないで色んなところを渡り歩く方も、サービスの対象になるとは思います。」
住所という意味の“アドレス”と、動き回るという意味の“ホップ”を掛け合わせた造語「アドレスホッパー」と呼ばれる人たちが出てきているそうで、「デュアルライフ」にとどまらず、持ち家を持たずにいろいろな住居(シェアハウス)を渡り歩く人もい流ようです。そういった若い人の意識の変化も、こうしたサービスが出てきている背景にあるのかもしれません。
★管理費や住民税をどうするか
最後に、2拠点生活での注意点について。
- 株式会社リクルート住まいカンパニー「SUUMO」副編集長 笠松美香さん
- 「結構これは問題となる部分もあって、例えばゴミステーションまでは行政が集めに来てくれても、ゴミステーションの掃除や管理は町内会でやってたりするので、そこに属していなければゴミを回収してもらえないという問題もある。別荘地だと、ゴミの収集も含めた管理費を負担することで解消できているが、税金を支払うことで得られるサービスが2拠点目では得られない可能性もあるので、どういった問題があるのか事前確認が必要。」
本来の家がある場所で住民税を払っている場合、2拠点目で受けられるサービスに制限が出てしまう問題もあるようです。