最近、都内に新しく誕生した2つの自動販売機「自販機」が話題になっています。3月13日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」でリポーターの竹内紫麻が取材報告しました。
まず、ひとつは、地下鉄にある自販機です。いったいどういう自販機なのか、東京メトロの宮地詠美さんのお話です。
★東京メトロ「引退した車両のパーツが自販機に」
- 東京メトロの宮地詠美さん
- 「東京メトロでは、サントリーさまと働く人たちを応援する様々なコラボ企画を展開していて、今回は、昭和平成を走り続けた車両が自販機に再就職するということで、銀座線01系で実際に使われていた車両部品を一部使用した自販機を製作しました。特別な仕掛けとして、東京メトロ現役車掌の声で様々なフレーズを喋るボイス機能を搭載しております。自販機が設置してある溜池山王駅11番、12番出口の中央付近になるんですけども、多くの方々が写真を撮られたり、これ何だということで、目をとめてくれる人もいるようです。2年前に銀座線01系が現役を引退しまして、今回2年ぶりのお客様の前に戻ってきた01系の車両になりますので、ツイッターなどSNSでもコメント投稿を頂いておりまして、スペシャル動画の再生回数も、2週間ほどで34万再生回数をこえて、多くの反響を感じてます。」
この自販機、東京メトロとサントリーがコラボ企画として1台だけつくったもの。おととし2017年3月に営業運転を終了した銀座線01(ゼロイチ)系で実際に使われていた「行き先表示機」や「東京メトロのMのマーク」などを再び活用した自販機なんです。
先月22日から溜池山王駅の11、12番出口の真ん中に置いたところ、退職した地下鉄の車両が自販機になったということで、SNSなどでも反響をよび、きのうも昔を懐かしむ鉄道ファンが写真におさめたりする姿も見られました。
★「お金の駆け込み乗車??」車掌のアナウンスが!
また、この自販機、車掌さんの声が搭載されている「しゃべる自販機」ということで、それが珍しいこともあって、その声に耳を傾ける人もいました。車掌さんがどんな事を言うのか気になったので、私も試してみると、こんな感じでした。
- 竹内リポート
- 「話題の自販機に来てみました。自販機の上の部分には行き先表示機が使われてるので、溜池山王と実際に書かれた表示機が実際に使われています。本物を使っているので、ねんきがはいって味がある感じです。コーヒー買ってみます。自販機が何か言ってます・・・・」
- 車掌のアナウンス
- 『お金の駆け込み投入はおやめください。ご利用のお客様にお願い致します』
- 『ひとりでも多くのお客様がお買い求めになれるよう、譲り合ってご利用ください』
- 『おつりの取り忘れにご注意ください。足下にご注意ください、出口は下側です』
実際のアナウンスにかけたフレーズになっていて「お金の駆け込み投入」つまり「駆け込み乗車」にかけていたりするので、シャレがきいてるんです。
フレーズはこれだけじゃなくていくつかあって、実際に現役の車掌4人が収録したそうなので、それを楽しめるとあって、きのうは私たちが買っている横でアナウンスに耳を傾ける人もいました。
★ダイドードリンコ「無料でスマホ充電できる自販機」
いまのは「昔の車両が再利用されたしゃべる自販機」のお話でしたが、もうひとつ都内には「時代のニーズを先取りして話題になっている自販機」もあるんです。どういう自販機なのか。ダイドードリンコの佐藤寛壮さんに聞きました。
- ダイドードリンコ 佐藤寛壮さん
- 「ダイドードリンコでは、自動販売機の電力を活用して、スマートフォンなどの電源を無料提供するレンタル充電器の実証実験を先月8日にスタートしました。スマートフォンの急なバッテリー切れの際に、自販機側面に設置したレンタル充電器に、お持ちの充電ケーブルを差し込んでいただきますと、飲料購入の有無に関わらず、無料でご利用いただけます。都内最大10カ所に設置予定で、いまは神田明神や青山学院大学などに設置いただいてます。ダイドードリンコでは、国内飲料全体の約8割を自販機を通じて販売してて、また、自販機を通じて飲料購入する以外の新たな価値を提供したいとのことから、急な雨の際に雨傘を貸し出すレンタルアンブレラなど取り組みを実施、好評頂いてる事から、近年のスマートフォン普及や、訪日外国人の増加などを考慮して、現代にあった取り組みとして、レンタル充電器を考案いたしました。」
自分で充電ケーブルを持っている必要はあるのですが、そのUSBケーブルを充電器に差し込めば、飲み物を買っても買わなくても、充電ができちゃうサービスです。ずっと充電しっぱなしだと困るので「5分をめどに」と注意書きがあり、次の利用者がいる場合には譲りあって使ってほしいとのことでした。
きのう神田明神に行ったのですが、絵馬をつるす場所の横に充電できる自販機があって、自販機になじんでいて一見わからないので、不思議そうな目でみている人もいました。
自動販売機に新たな価値を見いだそうとしているダイドードリンコさんの取り組み、そして先程のしゃべる自動販売機など、こうして自動販売機に新たな機能を加える動きをユーザーのみなさんはどうみているのか、また消費者は自販機にどんな機能を求めているのか、聞いてみました。
★自販機ユーザーの声「充電自販機はどう?」「自販機にこんな機能があったら良い?」
- ●「便利だなと思います、いま実際充電してるんですけど、近所とか職場にあったら良いと思う。(自販機にどういうものがついてたら良い?)たばこの自販機にライターがついてれば良い。」
- ●「スマートフォン充電できればすごく便利。(自販機にどういうものがついてたら良い?)データが送れたりできると便利、もっと自動販売機が身近に良いかなと思います。」
- ●「自販機の横で立って充電していて意味わかんない。充電器買えば良いと思う。いらない別に。常温の水とかでるのがあると良いですよね。コンビニにはあるけど、自販機はないから。」
- ●「押すのではなく言葉で買える機能。天然水ほしかったら天然水と言ったら出てくるみたいな。高い位置だとお子さんとか買えなかったりするのでそういうのがあったら誰でも買えるので。」
自販機の充電器は、モバイルバッテリー買えば良いのでいらないという声もありましたが、概ね好評。また、ほしい機能としては、喫煙者からはライター、そのほか声で買える機能などもありました。