認知症の高齢者が行方不明になったり、子供が連れ去られる事件などを防ぐため、様々な「見守り」サービスが登場していますが、最新の見守りサービスとは?「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で、レポーター真野淑實(まのよしみ)が材報告しました。
★ステッカーを貼るだけの見守りサービス!?
ここ最近の見守りサービスは、特に「手軽さ」をウリとしたものが続々と出てきているんです。地図帳の「まっぷる」で知られる株式会社・昭文社が10月末に発売した「おかえりQR」。どういうものなのか、企画・開発責任者の池田有作さんに聞きました。
株式会社昭文社 池田有作さん
- 高齢者やお子様、ペットなどが迷子になった時に早期発見につながるような商品。おかえりQRのシールを持ち物、例えば靴や洋服に貼っていただき、発見者の方が迷子の方に、ガラケーでも構わないのですがQRコードを読み取っていただくと、ご家族の方に送られる。そういった仕組みの商品でございます。
専用の端末を持ち歩く見守りサービスタイプもありますが、それ自体を家に忘れてしまう可能性もあります。
その点おかえりQRは普段出かけるときに必ず持ち歩くもの、例えば杖やお子さんのランドセルなどに貼り付けるだけ。登録も、専用フォームにシールのIDと連絡先を入力するだけです。
1セット税込み3240円で、現在取り扱いは埼玉県の川口市、蕨市、戸田市の郵便局と、さいたま市の一部の郵便局と限られていますが、使うのはどこでもOKです。所沢からかなり離れた蕨市に買いに来た方もいたそうです。
★「地図を活用した見守りサービス」が強み
この「おかえりQR」せっかくなので実際に試してきました。一緒に取材していたディレクターが迷子になってしまったという設定です。
ちょっと方向オンチな私も無事にディレクターを発見することができました。このように自前で地図を持っている企業が見守りを行える点も「おかえりQR」の強みだということです。
★電話で天気予報を聞くだけの見守りサービス!?
「おかえりQR」のように外を出歩く際の見守りサービスも大事ですが、家の中で孤独死を防ぐための見守りサービスも、手軽なものが登場しています。合同会社ダブミリ代表、斉藤秀一さんのお話です。
- 合同会社ダブミリ代表、斉藤秀一さん
- サービス名は、見守りサービス「ごえん」。毎朝決まった電話番号に電話をかけて、天気予報を聞いていただく、以上です。けれども、聞いていただいた時間から平均起床時間を算出して、そこから一定時間経過して電話が無いと、まず本人に「大丈夫ですか?」と電話をかける。それでも反応がないと緊急連絡先に電話をかけるといったサービスになっています。
電話で天気予報を聞くだけなんです。しかもサービス名の「ごえん」の通り、基本料金は電話代1日5円と格安。実はごえんを運営している合同会社ダブミリは斉藤さんが1人でやっている会社で、このサービスも斉藤さんが本業のウェブサイト構築などの合間にやっているもの。コールセンターで人を雇っているわけではないので、5円という安さでできるようです。今回、遠藤泰子さんの名前をお借りして天気予報を聞いてみました。
- 遠藤泰子さん、おはようございます。11月26日13時32分です。東京地方、今日は晴れ時々曇り。東の風。降水確率12時から18時まで0%。日中の最高気温19度の予報です。遠藤泰子さん、それでは今日も元気にお過ごしください。
ごえんに登録した名前を機械の音声が読み上げてくれて、天気予報も住んでいる地域のものを教えてくれます。そして、もし平均起床時間に電話が無かった場合も、機械が自動で電話をかけてきてくれます。
★孤独死対策で、大家さんにニーズ有り?
この「ごえん」、個人の利用はもちろんですが、他にもニーズがあるそうです。
- 合同会社ダブミリ代表、斉藤秀一さん
- 「ごえん」は複数の人を同時に登録して、まとめて見守ることができる。これを大家さんにも使って頂きたい。不動産関連のメディアからも問い合わせがあった。大家さんが提供している部屋で事故が起きると事故物件ということで不動産価値が下がると。それがちょっと問題になってるらしい。色々なサービスがあってがっちり見守るセンサーも大事ですけど、それの一歩手前。まだまだ大丈夫だけどもしかしたら、みたいな所をカバーするサービスとして丁度いいと思っています。
入居する高齢者を一括して、しかも“ふんわり”見まもることができる「ごえん」。大家さんのニーズもありそうですね。