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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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悲鳴!予約が取れない!高齢ドライバーの検査や講習が大渋滞

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今、高齢ドライバーの認知検査や講習の予約がなかなか取れない。という現状が問題になっています。7月24日(火)「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で、レポーター真野淑實(まの よしみ)が『高齢ドライバーの認知検査や講習、予約が取れない?』をテーマに取材報告しました。

★免許更新したいのに…年内の予約は既にいっぱい

高齢のドライバーによる交通事故を減らすため、去年の3月に道路交通法が改正されました。75歳以上の方はまず教習所で認知機能検査を受け、認知症のおそれがあると判断されたら、医者の診断を受け、免許取り消しとなる場合もあります。一方、認知機能検査をクリアした方は、別の日に改めて技能試験も含めた高齢者講習を受講し、ようやく免許が更新できます。こういった検査や講習を受ける高齢者が今、困っています。街で70代の方達に聞きました。

「たまたま一週間くらい前に、ハガキが来たんですよ。頼んだら8月の20幾日にならないと講習、予約が受けられないと言われました。そのハガキも開けた時に開けたらすぐどこかの教習所に予約を取ってくださいって書いてあるんですよね。それは大変だと思って開けてすぐ電話してそういう状態でしたね。」
「警察から送ってくるハガキ、半分ぐらい電話したんだけど、全部ダメ。家の近所、全部もういっぱいで、年内いっぱいはもう無理みたい。」

都内の教習場の予約状況を見てみますと、認知機能検査も高齢者講習も、多くの教習所が2~3か月以上の予約待ち、中には来年1月以降でないとダメという所もあります。街の声でもあったように、受講お知らせのハガキが来てからすぐ予約をしないと、免許の更新期限を過ぎてしまうという事態になりかねません。

★人手不足で講習の受け入れが間に合っていない…

どうしてこんなに予約がいっぱいになってしまうのか?教習所の受け入れ態勢の現状について、上北沢自動車学校の教習員・斉藤孝行さんに伺いました。

上北沢自動車学校・教習員の斉藤孝行さん
「私は昔から高齢者講習やれと言っているほうなので、やれとは言うんだけども、高齢者講習は全員ができる訳じゃない。研修所いって訓練受けて、資格を取って。指導員だったら誰でもできるかというとそうではない。どこの教習所も、3分の1の指導員しか高齢者講習できないとか、大体そうだと思いますよ。その人たちが取られちゃうと教習の方に回れなくなる。教習生も高齢者も大事にしなければならないバランス。警視庁からも高齢者講習とにかく開けてくれと嘆願しに来てます。我々も何とかしたいなと思ってますけども、あっちもこっちもと、難しい状況なのかなと。」

教習所もなかなか人を割けないという現状でした。

上北沢自動車学校では20年前から高齢者講習を受け入れていて、その資格を持つ教習員も当初の5~6人から10人に増やしています。それでも対応しきれず、しかも去年の道交法改正で認知機能検査も受け入れることになってしまい、負担は増えるばかり。

それに、対応できる教習員の人数を増やしたとしても、部屋を確保することもなかなか難しいですとか、そもそも教習所の数が減っているという問題もあります。10年前には全国に1400校ありましたが、今は1300校。東京都内でも47か所と、全ての市区町村にあるわけではなく近場で予約が取れないと2時間かけて遠くの教習所に行かなければならないといった実態もあるようです。

★団塊の世代が75歳になると、予約は1年先に?

上北沢自動車学校斉の斉藤さんは、今後さらに起こりうる問題についても指摘しています。

上北沢自動車学校・教習員の斉藤孝行さん
 私が一番懸念してるのは団塊世代なんですよ。今の75~80歳は240万人位なんですね、免許人口が。ところが団塊世代の方達入ってくると、なんと700万人越えるんですよ。そうすると、今やっている2倍以上忙しくなる訳ですよ、パイが増えるわけですから。今の法律、今のやり方で果たして更新ができるのかなと。今ですら4か月待ちだとか現状でなってるのが、1年待ちになっちゃわないかって懸念する部分はありますかね。

例えば1947年に生まれた団塊世代の方は、今71歳。あと4年で75歳になり、このままだと1年間、講習の予約が取れない状況になってしまうかもしれません。そういった事態を防ぐためにはどうすればいいのか。斉藤さんは、今後は病院など教習所以外の場所でも認知症検査が受けられるようしないと、免許の更新ができなくなってしまうと懸念していました。

★簡単に、誰でも検査できる方法を導入しては?

この案について、認知症を専門とする方にも意見を聞いてみました。鳥取大学医学部・浦上克哉教授のお話です。

鳥取大学医学部教授・浦上克哉さん
病院の方も今、大変な状況にありますので、患者さんが元々大変多い病気なので、私はもう少し簡便に、認知機能検査ができるような方法も考えるべきじゃないかと思っております。例えば私どもは、タッチパネル式のコンピューターを使って3分程度で簡単に物忘れチェックができるような機械を作っているんです。もう少しそういう評価者が誰でも対応できる。そして、もう少し短時間でできるようなものを使って、現状の教習所や免許センターの負担を軽減するということも私は現実路線としてはいい方法なんじゃないかと思っております。

今の認知機能検査は所要時間がおよそ30分。それが、この方法だと3分と10倍も短縮されます。そして、専門的な資格がないスタッフでも対応ができます。教習所も病院も、認知機能検査を受け入れる余裕がないという現状では、こういった仕組みが今後必要になってくるかもしれません。

 

真野淑實

真野淑實が「現場にアタック」でリポートしました!


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