Quantcast
Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1321

進むVRの活用、身近なこんなところにも!? 

$
0
0

ここ最近で一気に耳にすることが多くなってきた「VR(バーチャルリアリティー)」。その活用について、5月10日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

「VR」と聞くとテレビゲームをイメージする方が多いかもしれませんが、最近では様々な分野で活用されています。まずは、ナーブ株式会社・代表取締役の多田英起さんにお話を伺いました。

★不動産業界では当たり前?「VR内見」

ナーブ株式会社・代表取締役 多田英起さん
我々がやっているのは『VR内見』というサービスです。実際に内見に行くという行為が、不動産会社にとっても、借りる側にとっても、非常に手間のかかる作業になっていますが、VRを使って仮想現実を見れば、内見が簡単にできます。
今までだと、紙で紹介されて、その後良いなと思う物件をピックアップして、そして内見に行く。でも内見には時間がかかるので、3物件くらいしか行けなかったと思うんですね。ですが、VR内見だと店舗の中で実際に内見したような気分が味わえるので、自分の好みの物件にすぐ会えちゃうのが特徴です。いま、導入している不動産会社さんは3000店舗近くになっています。
森本毅郎スタンバイ!

「VR内見」で使用する、VRゴーグル

「VR内見」は専用のVRデバイスを使用することで、不動産屋さんにいながらにして、その場で物件を内見できるサービス。部屋の中だけでなく、周辺の道路や駐車場なども見ることができます。利用者にとっては内見に行く手間や時間が省ける上に、これまでより多くの物件を見ることが出来るようになります。

また、不動産業者にとっても一軒一軒ついて回る必要がないので、人件費の削減に繋がります。新築物件や退去を控えた入居中の物件についてもVRで案内できるようになるため、これまでに比べ、成約率が1・5倍になった例もあるそうです。

★退去時の傷チェックにも活用

そしてこのVR内見は、意外な使われ方もしているようです。再び、ナーブ株式会社の多田さんのお話です。

ナーブ株式会社・代表取締役 多田英起さん
退去後に“原状回復”を行いますが、よくあるのが、入居者さんが傷をつけてしまったのか、そのあとの業者さんが傷をつけてしまったのか、限りなくわかりにくいという状況があると思います。そういったところも、我々のシステムは撮影が非常に楽なので、ビフォーアフターを確認できる。VR上では傷がなかったのに、できているのであれば後ろの人の責任となるので、そういった使い方もされています。

VRであれば360度で部屋の中が見られるため、過去に戻って退去時のトラブルの元になるような傷なども、しっかりチェック可能です。ナーブ株式会社ではVR技術を生かした「VRトラベル」なども手がけていて、今後は結婚式場や自動車などにも応用していきたいとのことでした。

★「歯科VR」で歯医者の恐怖を軽減

さらに、VRの活用場面は他にもあります。株式会社BiPSEE(ビプスィー)代表取締役の、松村雅代さんのお話です。

株式会社BiPSEE・代表取締役 松村雅代さん
弊社は『ビプシー歯科VR』というサービスで、歯科の治療中にVRゴーグルを着用していただいて、歯科治療の不安や痛みを軽減するサービスです。
最初は“お子さん向け”という視点でサービスを開始しましたが、お子さんは周りに怖い風景があると、痛みや恐怖感が増してしまうことがあることが、歯科の先生の指摘でわかっています。怖いものをVRゴーグルで遮断することで、本来自分で頑張ろうという気持ちを引き出すことができるシステムで、小さいお子さんでも問題ないように、2Dの平面のアニメとかユーチューブ、DVDの動画をご覧いただくという形になります。
森本毅郎スタンバイ!

(左)VRエンジニアの反保拓人さん、(中央)株式会社BiPSEE・代表取締役の松村雅代さん

「BiPSEE(ビプシー)歯科VR」は、歯の治療中に患者さんが装着するタイプのVRサービスです。コンテンツは子供向けアニメやyoutube、または患者さんが持ち込んだDVDなどを投影することができます。尚、7歳以下の子供は3Dコンテンツで斜視になる恐れがあるそうなので、あえて2D映像にしているそうです。

映像自体の見せ方も工夫していて、正しい位置に頭を向けないと映像が見切れてるようになっています(現在BiPSEEが特許出願中の「姿勢誘導技術」)。VRの画面上にスタンプを表示させる機能もあり、治療中に画面を通してコミュニケーションすることも可能です。

森本毅郎スタンバイ!

歯医者さんは手元のタブレットで、患者さんが見ている映像の位置を操作します

森本毅郎スタンバイ!

患者さんに口を開けて欲しいときは、「くちをあけて~」のカバさんスタンプを表示できます。こちらも手元のタブレットで操作可能

★歯医者嫌いもVRで克服?!

実際にこのサービスを使った歯医者さんにお話を伺いました。下馬デンタルクリニック院長、脇濱由佳さんのお話です。

下馬デンタルクリニック・院長 脇濱由佳さん
子供の治療をしている時に、怖くて痛くなくても痛いって言っちゃうんですよ。なので目のところを何かで覆ったら痛みとか怖さとかなくなるんじゃないかと思って。『これから治療始めますよ。面白いでしょー、今日どれ見たいかな?』って選ばせて。子供としても今日は別のが見れるとか、新しいのが見られるから行きたいとか、お母さんが連れて行くきっかけになると思うんです。
子供だけじゃなくて恐怖心の強い大人とかもいいと思うんです、抜歯の時とかね。抜歯の時は何回も使いました。怖いんですよ。だからああいうのがあると気がまぎれる、耐えられるんだと思うんです。いろんな年代に使えると思いますよ。
森本毅郎スタンバイ!

こどもの歯科治療中の様子

このサービスはこれまで、数件の歯医者さんで試験導入されてきたそうですが、患者さんからの評判がとても良いとのことでした。本格的なサービス開始は7月を予定。東京23区を中心に導入が検討されています。

★2020年にVR時代到来!

最後に、VRの今後について、ナーブ株式会社の多田さんはこのように話してくれました。

ナーブ株式会社・代表取締役 多田英起さん
我々がよく言うのは、インターネットがある時代とない時代って、大きく変わりました。その後にスマートフォンの時代が到来したときも、ある時代とない時代で大きく変わったと思います。
それと同じようにAR・VRは変化を与えると言われてますので、おそらくそれがなかったことを想像しにくい時代がくると思います。市場規模は15兆円を越えると言われていて、皆さんのかなり身近なところにVRがくる時代が2020年。あとたった2年でくると予想されています。

2020年には、かなり身近なところまでVRがやってくると仰っていました。これからどんな分野に活用されていくのか、楽しみですね。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1321

Trending Articles