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7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。
本日5月11日(水)はレポーター田中ひとみが『スタンドパイプ』について取材しました!

現場にアタックレポーターの田中ひとみ
今日は、火事が発生した時のための新しい消火器具のお話です。街を歩いていると、消火器や、ホースの入っている赤い消火箱を見かけることはありますが、最近では、さらに進化した消火器具が各地に普及してきています。どんなものか?横浜市消防局 予防課の曽根田和也さんのお話です。
- 横浜市消防局 予防課 曽根田和也さん
- 「スタンドパイプ式」という、台車に消火に必要は器具を積載して、スムーズに移動ができるというのが大きな特徴で、火元近くの消火栓まで運べるので、機動力、カバー範囲が広い。大体木造住宅の3階まで放水ができます。女性や高齢者の方でも手軽に扱えるもので、使い勝手はいいかと思います。

これが「スタンドパイプ」です!
スタンドパイプ式の消火器具は、アルミ製の台車の上に、パイプや20mのホース3本など消火に必要なものがコンパクトにまとまっています。しかも軽くてラクに持ち運べました。小回りが利くので消防車が入りづらい狭い道路や住宅密集地に適しています。訓練さえすれば、消防職員や消防職員じゃなくても誰でも使えるということで、街の自治会や町内会単位で所有して、定期的に訓練を行っているようです。
そして、既にスタンドパイプを使って実際の消火活動に貢献した人もいます。葛飾区四ツ木に住む、柳富治さんに当時の様子を伺いました。
- スタンドパイプで消火活動を行った柳富治さん
- 1年ぐらい前だけど、玄関開けたら火がボーッと出てる。現場と訓練した所と同じ所だったから余計ね、だから二人でもいきなり出来た訳よ。スタンドパイプは差せばカチャッと付いちゃう。今まではねじでホースを繋いでいた。それが全然いい。そしたら消防がそれから来たんだから。「えっもう水かけて?」って驚いたわけですよ。街の者がこんなに早く水出してたって。消防もものすごく感謝してくれましたよ、大火にならないで。

スタンドパイプと柳富治さんと私と
設置が簡単というのもスタンドパイプの特徴です。
- 消火栓にスタンドパイプを差し込む
- スタンドパイプとホースをつなぐ
- ホースを必要な分のばす
- 放水開始!
ホースを持つ係と、消火栓側のじゃ口をひねる係、最低二人いれば、すぐ2~3分で消火活動ができます。

消火栓とスタンドパイプ・ホースを繋いだところ
こう聞くと簡単そうですが・・・、まったく経験のない私でも使えるのか、横浜市民防災センターで実際に体験してみました。

放水体験。ちょっと手伝ってもらいましたが、無事成功!
実は意外と簡単!水圧がすごくて、手が持っていかれそうなんですけど、なんとか真っすぐ持てました。体験では、30m先の木まで勢いよく水を噴射することができました。水の勢いは、手元のダイヤルで調整できます。左に回すと強くなって、右に回すと弱くなりました。初めての私でも、簡単にできたので、いざという時は、助かるなと思いました。
あとは値段が少しネックで・・・、1台およそ20万円です。ただ東京都では全額補助を行っていることもありかなり普及しています。また、横浜市でも、金額の3分の2を補助していて、既に245台が設置されています。
一方で、同じ神奈川県でも鎌倉市ではまだスタンドパイプはひとつもありません、どういう状況なのか、鎌倉市今泉台町内会の防災部長、前田陽子さんのお話です。
- 鎌倉市今泉台町内会 防災部長 前田陽子さん
- 鎌倉ではなかなか一足飛びに行きませんで、一般の家庭が使う水道の流れてる消火栓を使いますので、にごり水が出る可能性があるということと、本当の大災害の時には水道網自体がが破壊されてしまえば消火栓使えない訳ですから、そういうことも考えて導入しようと思ってるんですか?と今聞かれてまして、これから水道局ともお話ししなきゃいけないし、これからも市にきちんとお願いしたいと思ってます。
消火栓を開けて放水をすると家庭の水が赤茶色に濁ってしまう恐れがある、というどこでも起こりうる話なのですが、地域の水道局に気を遣ってか?鎌倉市は二の足を踏んでいるようでした。また、本当にスタンドパイプが有効なのか、きちんと検証してからでないと導入に踏み切れない、という自治体も、鎌倉市以外にもいくつか見受けられました。
地域の自治会や町内会が設置を希望しても、そこを管轄する自治体や、地域の消防や水道局の同意も得ないと、スタンドパイプの設置は進められません。こういった状況について、鎌倉市の前田さんはこう言っていました。
- 鎌倉市今泉台町内会 防災部長 前田陽子さん
- 私どもの町内会は、ちょっと高台にあるんです。それでなかなか消防車が特に大災害時にはなかなか駆けつけてくれないんじゃないかということで。鎌倉の消防は真面目というか一生懸命で、「いやなんとか行きます」と言ってくださるんですが、いざとなったときには「行けない場合もあるから自分たちで自分たちの命を守る方策も考えてください。そのためのフォローはしますよ」というようにちょっと姿勢を変えていただけないかなと思ってます。
自分の身は自分で守る、という意思を、なるべく尊重してほしいということです。
(取材・レポート:田中ひとみ)
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