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7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。本日5月1日(月)はレポーター阿部真澄が話題の書籍『埼玉県の秘密』を取材しました!
★自虐が話題に!子供向け書籍『埼玉県の秘密』とは?
埼玉県庁が小学生向けに発行した書籍「埼玉県の秘密」が今、話題になっています。県のPRを目的に去年発行したのですが、本の内容について県庁・公聴広報課 魅力発信担当 尾崎彰哉さんにお話を伺いました。
- 尾崎彰哉さん
- 「埼玉県の魅力を子供たちに押し出す本です。今までも埼玉のいいところだけを押し出す本はあったが、良い本と評価されても広がりがなかった。漫画でストーリーを作るにあたって、一度下げて持ち上げるなどの波が必要と議論されて、冒頭は主人公が埼玉県に引っ越す際に『埼玉なんて知らない!行かない!』と言うのですが、その表情が愕然としたように見えるのです。いわゆるディスりが刺さると軽くやったつもりだったが、印象が強く違った形で評価されて話題になっています。」
「埼玉県の秘密」は、埼玉の名所、歴史、名産などを漫画や写真を交えて紹介する本です。「県内に5000基の古墳がある」など県民の方にもあまり知られていないような情報もあったり、埼玉県の魅力がたっぷり掲載されている本で、小学校に配布されていて、学校の先生や図書館の司書さんからも評価が高いそうです。ただ、漫画の冒頭の主人公の表情が強烈で、「埼玉なんて知らない!」と自虐的、いわゆるディスりから始まることが話題となっています。実はこういった埼玉県を自虐的に表現した漫画などは数多く出ていて、30年以上前に発表された「飛んで埼玉」という自虐的な漫画は去年末から注目を集めて、発行部数は55万部を突破!再ブームが来ています。
★自虐的な漫画が注目される現状に対して、街の人は?
「埼玉県の秘密」「飛んで埼玉」など自虐的な漫画も注目されている現状を埼玉県民はどう受け止めているのか?県庁のある浦和駅前で聞いてみました。
- 「不満あります!」派
- 「ダ埼玉と言われるとイラッとする。言い返したりまではしないけれど。」
- 「漫画にはイラつきました。逆に笑えるくらいコケにされている。良いところが全くないみたいな。。。」
- 「千葉出身で昔は埼玉に住むのは嫌だと思っていたけれど、結婚して埼玉に住んでしまったので、今ダ埼玉とか言われるとイラッとしますね。」
やはり自分の住んでいる場所を小馬鹿にされるのは抵抗があるようですが、実は埼玉県民の方にお話を伺っていると、こちらは少数意見。気にしないという意見が多かったのです!
- 「気にしません!」派
- 「漫画は面白くて別に馬鹿にされてもいいかなと思っている。」
- 「逆に慣れちゃった。今は東京と変わらないと思うけどね、伊勢丹もできたし。」
- 「学校でもみんな『ダ埼玉だからしょうがない』と言っているし、気にしている人はいないと思う。ムキになることでもない。」
- 「捉え方を変えれば注目されているということ!バッシングされてもディスられても他の注目されていない場所よりは良い。人も見に来ると思うし。」
話を聞いた人のほとんどが「気にしない」という意見!若い人たちは自虐的な漫画を楽しんでいる人も多く、埼玉県の上田知事も「どんな形でも注目されるのは良いことだ」と前向きな反応でした。
★歴史から見えてくる埼玉県の県民性?
先ほどのインタビューにも「気にしない」と、心の広い人が多い埼玉県。この埼玉県の県民性を歴史的に紐解いている方がいらっしゃいました。埼玉の記録と歴史を伝える博物館埼玉県立・文書館 館長 杉山正司さんのお話しです。
- 杉山正司さん
- 「埼玉県の歴史を見ていくと、江戸時代は幕府のお膝元で有力大名が城主となったが、鉢植え大名といわれて何人も大名が変わった。短いスパンで新しい文化が来てもその文化をもって城主が変わって違う文化が入ってくる。1つの文化は根付かずに、歴史の中で突出したものは無いが、生き抜いてきたのが文化と県民性の特徴。」
細かいことは気にせずに、したたかに対応するのが埼玉県の県民性だと話していて、江戸時代の歴史が影響しているということでした。また、杉山さんも埼玉生まれ埼玉育ちなのですが、「自虐的な漫画も笑い飛ばせるよ」と、最後にこんな話をしてくれました。
- 杉山正司さん
- 「個人的な見解だが埼玉の文化は幕の内弁当のようだと思う。幕の内は特徴は無いが1つ1つ見ると色々な特徴を持っていて、美味しいところのいいとこ取り。埼玉の地に色々な文化が入り埼玉の人たちは中で消化してアレンジして新しい文化を発信する。今の日本でも海外から色々言われるが、文化も消化して新しい文化に作り替えていく。埼玉人は日本人の典型。」
自虐的な漫画が流行っていますが、魅力あふれる埼玉県。「埼玉人は日本人の典型だから自信を持っていい!」とおっしゃっていました。
(取材・レポート:阿部真澄)
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