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新しい終活「デジタル終活」

先日、生活者のメディア接触の現状を調査・分析した「メディア定点調査2017」というデータが発表されたのですが、それによれば東京都のスマホの所有率がなんとおよそ8割に上ったそうです。そんなデジタル機器が広がる今、ある活動が注目されてます。7月20日(木)は、レポーター中矢邦子がTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で『デジタル終活』について取材報告しました。

★パソコン・スマホを遺して死ぬととんでもないことに?!

まずは、日本デジタル終活協会代表の伊勢田篤史さんのお話です。

日本デジタル終活協会 伊勢田篤史さん
当協会では、“デジタル終活“とは”デジタル遺品“に対する死後の取り扱いに関する活動と定義しています。デジタル遺品というのは、オフラインデータとオンラインデータに分かれます。オフラインデータの具体例は、パソコンの中のドキュメント文書や、スマホ上にある写真のデータ。オンラインデータは、SNSのアカウントやネット銀行のアカウントなどが挙げられると思います。遺品というのは通常、目に見えるものですが、デジタル遺品というのは通常パソコンの中に入っているもので、目に見えないものですので、通常の遺品とは区別して取り扱う必要があると考えています。
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伊勢田さんに伺いました。

伊勢田さんに伺いました。

幅広い年齢層がデジタル機器に触れる機会が多くなり、”デジタル終活“という言葉が出てきているんです。この協会は、写真やパソコン上のデータ、SNSのアカウントなど”デジタル遺品“を自分の死後どうするか考える活動をしています。デジタルデータの持ち主が亡くなった時にどのようにそれを相続するのか、どのように扱ったらいいのかというのが広まっていないことが問題なんです。これまで、デジタル機器を使う人は若い人が中心でしたが、現在は年齢層が広がっているためにこういった”デジタル終活“”デジタル遺品“という言葉が出てきました。

★元通りに出来ないデジタル遺品に注意!

では、実際にどんな相談が多く寄せられているのか。デジタル遺品研究会ルクシーの古田雄介さんに伺いました。

デジタル遺品研究会ルクシー古田雄介さん
圧倒的に多いのは、亡くなられた方がお持ちになられていたスマートフォンのパスコードが開けないという悩みの相談が多いです。一番可哀想だったのは、家族の思い出の写真が亡くなられた方のスマートフォンに入っていて、その写真を見たい、ラインなどのメールのメッセージが見たいということで相談に来る方は結構いらっしゃるんですが、相談に来られた時点でスマートフォンのパスコードを10回以上連続してミスした状態で持って来られるんです。その状態ですと、端末の中が工場出荷時の状況に戻っているということが何件かあったんですね。故人の残されたデータが完全に抹消されてしまっているという手の打ちようがないケースが何件かありました。

古田さんによれば寄せられる相談の8割がスマートフォンに関するもの。中でも、故人が残した思い出の写真やネット口座のアカウントを知りたいという相談が多いそうです。ちなみに、相談に訪れる年齢層は20〜80代まで幅広いそう。デジタル終活ときいてピンと来ない方もいらっしゃるとは思いますが、誰にでも起こる問題とも捉えられます。

★気づいた時には手遅れかも!デジタル遺品

ですが、残さなければならないデータとして更に気をつけるものがあるそうです。再び、日本デジタル終活協会の伊勢田さんのお話です。

日本デジタル終活協会 伊勢田篤史さん
一つはビジネス関係の資料。例えば、個人事業主さんですとか会社の社長さん、ご自身のパソコンでご自身のビジネスの関係の資料を保管されている方につきましては、もしご自身になにかあった時にご自身のパソコンのパスワードが分からなければビジネスが止まってしまいます。また、インターネットの金融機関を最近使っていらっしゃる方多いと思いますけど、特にネット証券を使っている方についてはくれぐれもご注意頂きたいと思います。ネット商品でリスクの高い商品・・・例えば、FX取引など、こういった商品を購入されている方につきましては、いろんな事情が重なりますと、大損をしてしまうと。その大損がご遺族にいってしまって、ご遺族に請求されてしまうという可能性もあります。ご自身がどんな取引をどこの証券会社でされているのかというところは家族にお伝えしていただきたいです。

個人事業主や会社の社長がビジネス関係のデータを管理している場合は、もしもの場合を考えてパスワードは個別の場所、例えば銀行の貸金庫などに保管する必要があるとのことでした。特に注意が必要なのは、ネット証券のアカウント。実際に、故人がFX取引で大損をして後日遺族に追加の保証金1500万円が請求されたという事例もあったそうです。こういった隠れた金融資産が後から発覚すると相続で大揉めする原因となります。

★前もって自分で整理!デジタル終活お助けノート

では、私たちが今からできる対策にはどういったものがあるのでしょうか。最後に、古田さんのお話です。

デジタル遺品研究会ルクシー古田雄介さん
一般的な遺品も本人が用意する手間と遺族が一から用意する手間と言うのは雲泥の差があるんですが、デジタル機器に関してはその差がさらに広がると思ってください。例えば、本人が亡くなった後に遺族がわからないと困るもの・・・ネット銀行の口座・SNSのアカウント・家族の思い出の写真などを紙の手帳やパスワードのかかってないパソコンのデスクトップなどにとにかくわかりやすくしておくことが大切です。そうすることで遺族も困らないですし、どちらも手間がかからずにウィンウィンの関係が保てるかと思います。

デジタルの遺品だけど、結局は“アナログ”で管理するのが一番とのことでした。
日本デジタル終活協会では、デジタル終活専用のエンディングノートを作っています。

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引継ぎノート

デジタル世代の引継ぎノートは、A4サイズで約20ページ。

このノートには隠したいデータと残したいデータの扱いをはっきりさせて、自分が亡くなった後にどうして欲しいかをしっかり書き残しておくことが必要だと伊勢田さんはお話されていました。

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ノートの中身の一部。SNSのことなど事細かに記す欄があります。

ノートの中身の一部。SNSのことなど事細かに記す欄があります。

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中矢邦子

中矢邦子が「現場にアタック」でリポートしました!


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