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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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待機児童問題対策で注目される「送迎保育ステーション」って?

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森本毅郎・スタンバイ!ロゴ

 

忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)
7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」
本日4月27日(水)はレポーター田中ひとみが『送迎保育ステーション』について取材しました!

現場にアタック(田中ひとみ)

現場にアタックレポーターの田中ひとみ

保育所に子供を預けたくても預けられない。
そんな待機児童の問題が深刻化していますが、今回は、待機児童問題の解決策として注目される「送迎保育ステーション」について取材してきました。どういうものなのか?待機児童問題に詳しい保育研究所 常務理事の逆井直紀さんに聞きました。

「送迎保育ステーション」とは?

保育研究所 常務理事 逆井直紀さん
街中の保育所がいっぱいで入りきれない。一方でちょっと離れたところ、不便なところの保育所は比較的空きがあるので、だったら駅前あたりで子供を託すような場所を作って、そのステーションからちょっと離れた、比較的空きのある保育所に子供を送迎すれば、需給のミスマッチの分が少しでも緩和できるのではないか、待機児童の解消になるんじゃないかというところから始まったサービスです。多くは関東地域。埼玉・千葉のあたりが多いんじゃないかと思います。

「送迎保育ステーション」とは、子供たちをバスで遠くの保育所に送り届けるための、駅チカの保育室(待機場所)のことです。利用の流れは・・・

  1. 朝、親御さんは駅近くのステーションに立ち寄ってお子さんを預け、そのまま仕事に行きます。
  2. 子どもたちは全員揃ったらバスに乗ってそれぞれの保育園まで送ってもらいます。
  3. 子どもたちは夕方、迎えのバスでまたステーションに戻ってきます。
  4. ステーションそのものが小規模保育施設のようになっているので、帰ってきた子供たちは、おもちゃで遊んだりおやつを食べたりしながら、保護者が迎えに来るのを待ちます。

こういったステーションは、全国20か所ほどの自治体にあり、待機児童の数が全国一位の世田谷区でも、近々保育ステーションを始める動きがあります。今回私は、去年の10月から保育ステーションを始めた千葉県松戸市に行ってきました。保護者の方々は、ステーションを利用してみて、実際のところどうなのか、聞いてみました。

働く親御さんからは「助かる!」の声

4歳の双子をもつお母さん
保育園に入れたくて、それまでは一時預かりで保育園入れてたんですけど空きがなくて、家から離れてるのは普通は入れない距離なのに、そのシステムがあるから通わせてもらったりとかしてるので、すごく助かってる。
4歳の子どものお母さん
去年の6月に仕事が決まったけど結局保育園に預けたいけど預けられない状況。早く保育園決まってほしいなという所でこういう話があって、タイミング的によかったです。ただ一つ困るのは、本人が忘れ物をしてくると、保育園自体は遠いので、すぐ取りに行けないので、それだけ困るかなという所ですね。

2人目のお母さんは、ステーションを利用する前までは、せっかく就職が決まったのに保育園が決まらず、3か月も会社に待ってもらっていたので、本当に助かると言ってました。

現場にアタック

これが松戸の保育ステーション「アクセプト松戸ステーション」です

ちなみに、松戸市のステーションは、利用料は月額2,000円。1日だと200円。最長で夜7時まで預けられます。残業で多少迎えが遅くなっても松戸の駅チカだし安心という方もいて、現在15人が松戸市の送迎保育サービスに登録しています。

そんな松戸市は、今年で待機児童がゼロになったと発表しました。これは保育ステーションを始めた成果がいきなり出たという事なのか?松戸市の子ども部・幼児保育課の齊藤啓子さんに聞くと、こんな答えが返ってきました。

松戸市のステーションは3~5歳

松戸市 子ども部・幼児保育課 齊藤啓子さん
ステーションでの待機児童解消もあるけれど、それが全てではない。3~5歳、3歳児から就学前までのお子さんを乗せるということを考えて、最初は小さいお子さんのことも考えたんですけども、やはりちょっと赤ちゃんだと、いろんなアクシデントが起きたりと思い、一応3歳以上のお子さんということでお預かりして、バスに乗せている状態です。

この年齢基準は全国一律という訳ではなく、1歳児からバスに乗せている所もありますが、松戸市では、小さい子供をバスに長時間乗せるのは危険だと考え、ステーションを利用できるのは3歳から5歳までと制限しました。そのため、保育ステーションだけでは、待機児童対策には限界があるということでした。松戸市が待機児童0となったのは、もう1つ別の取り組みがあって、ステーションを使えない0~2歳児に対しては小規模保育施設を大幅に増やしたそうです。それが待機児童0につながったのではないかと齊藤さんは言っていました。

では保育ステーションには問題はないのか?保育研究所の逆井さんは、保育ステーションの問題点についても指摘しています。

認可保育所が増えるのが一番だけど・・・

保育研究所 常務理事 逆井直紀さん
保育ステーションで待機児童問題を解消するというのはちょっと難しいのではないかと思う。お母さん達からすればやっぱり近所で、一度預けたら就学前まで預けられる認可保育所が増えてほしいという願いはあると思う。関わる大人が何人も入れ替わる状態というのは子供にとって落ち着いた環境ではないです。場所も変わる、職員も変わる。だとしたら本腰入れてちゃんとした認可保育所を作っていかないと、いたちごっこがずっと続いていくのかなと。その急場しのぎの一つの事例が保育ステーション、そういうような側面もあるんじゃないか。

実際にステーションを利用するお母さんからも「近所で通えるならその方が良い」、「小規模保育が2歳までなので、それから新たに保育園を探すのがストレス」という声もありました。

(取材・レポート:田中ひとみ)


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