忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。4月20日(火)はレポーター近堂かおりが『東大野球部が強くなった!その理由とは!?』をテーマに取材しました!
きょうは、最近強くなっている!とスポーツ界で噂の東大野球部についてのお話。いま神宮球場で、春の東京6大学野球が行われており、4月18日月曜日のスポーツコーナーで、初田アナウンサーも、早稲田から13奪三振をとった東大エース宮台選手の話題を取り上げていました。実際、その月曜日に、東大が明治大学に12年ぶりに勝ったことで1勝1敗となり、きのう19日火曜日の試合で東大が勝てば、明治大学相手に41年ぶりに、勝ち点を上げることになる!しかも、エース宮台投手が先発!という大注目の試合、一体どうなるのか、取材してきました。
まずは、試合序盤、東大側スタンドでお客さんに聞きました。
★序盤~その瞬間に立ち会うため、会社休みます・・・!
- 30代サラリーマン
- >(お仕事中ですか?)営業している時間。勝ち点取れるところ見れるかなと思って。宮台くん先発やし。あの東大が?っていう。でもだいぶ上手くなってる。野球になってる。
- 東大野球部・新入部員
- いい流れ来ているので諦めずに、勝ち点取りに行って欲しい。
- 息子さんが東大
- やっぱ勝ち点がね。歴史的に何年ぶりに付くっていうので来た。見ていると実際勝つってのは大変ですね。やっぱ奇跡ってなっちゃうんですかね。
結果からいうと、さすが明治。東大は3対12で、負けてしまいました・・・。6大学野球のルールは、各大学総当りで5月末まで土日を中心に行われているのですが、対戦相手に2勝して始めて、勝ち点1がつき、その勝ち点が多い方が上位となります。
東大が「1勝」することは、去年春の94連敗でストップ!など、たま~に(失礼ながら!)あるのですが、2勝して、勝ち点をとるというのは、さらにハードルの高いことで、まさに奇跡。
★中盤~応援は東大に軍配!!
しかし、仕事を抜け出して来た人や、この日の第二試合の立教大や法政大の応援の人たちも、番狂わせがあるかもしれないと早めに来ていたり、東大の3塁側のお客さんは多かった。一方、明治側のお客さんの数はというと、パラパラで寂しげ。平日で仕方ないですが。試合中盤、、紫紺のキャップに紫紺のTシャツといういでたちの明治大学OBは試合に勝っているのに、こう嘆いていました。
- 明治大学OB
- 僕たちの頃は、非常に古い時代なんでね。昭和30年ちょぼちょぼですから。あの頃は凄かったのよ。野球が人気あって。ぼくは1ファンなんだけど。今日なんかがっかりですよ、明治の学生が。(どうして?)だってほとんどいないもん。東大の選手の応援席に、普通の人多いみたいよ。
応援では東大に軍配!!注目のピッチャー宮台選手は、3回でマウンドを降りたのですが、その後もお客さんは減らず。そして、試合も終盤の8回表、ついに東大からホームランが!!!3点入りました!!でも、その裏にまた明治大学が2点追加で、気づけば9点差。
野球は9回ツーアウトから。最後までわからないとはいいますが・・・東大側もさすがに意気消沈なのでは?と思い、観戦している男性に話しかけてみました。この方、東大野球部に息子さんがいる、ということですが・・・。
「お父さん、大差ついてしまいましたね?」
★終盤~よくやった!!!・・・昔と比べて。
- 東大野球部員の父
- よくやってると思いますよ。次のチャンスがあるんじゃないかと。息子が入った頃は全然、シートノックもガタガタ。ボール回しも中学生くらい。小さい子に見せられないくらい。練習がほとんどバッティング以外していないとかいう。以前はヒット打つのが目標だった。今は、点を取りに行くスタイルが見えてきました。
(あれが息子です!)息子は出ないですから。
4年生の息子さんはピッチャーだったけどひじを痛めて今はコーチで、いまは3塁コーチャー。このお父さんだけでなく、東大側スタンドの観客はみなさん、大差で負けているのにもかかわらず、『昔と違う、次もチャンスあるぞ!』と口にしていました。その理由として、エース宮台投手の存在は大きいのですが、もうひとつ。新しい監督が来て変わった、という声もよく聞きました。劇的に変わってきたのは、何か東大ならではの賢そうな作戦があるのか??
野球部就任3年半、浜田一志監督に、直接お話が伺えました。
★東大部員は”努力の才能”の塊!努力で食べる!!!
- 浜田一志監督
- 東大、頭で考えるのが得意な子が多いというより、努力を続ける才能の塊なんですよ。参考書の最初の5頁で終わる生徒が多い中で、100ページ全部やりきっちゃう子。気持ちだけ先走って変えようとしても難しいので、
例えば、体を大きくします、体重が増えました、打球が飛ぶようになりました。じゃあもっと頑張ろうという流れですので、食事の時間を増やすために、その分、練習時間を遅らせたり、食事を優先してスケジュールを組んでいます。まずは、たくさん食えるように胃袋を大きくしなさい、これがスタートです。一日に七合から一升、七合が最低ライン。逆にダイエットしている女性が体重計に乗って、結果が出ると励みになるのと同じです。
食べたらスタミナつく。スタミナつくと打球が飛ぶ。飛ぶとヤル気が出る。するとそのために食べる、という具合に”食べる努力”を続けられるのだそうです。しかし、意外にもそういったシンプルな努力の繰り返しが、チームを強くしていたのです。観客席もその変化が伝わっているから、「もしかしたら勝てるかも!」「無い奇跡じゃない!」と思っているのですから。
みんな頑張っていました、宮台投手も頑張っていました。でも勝負の世界です。41年ぶりの明治大学からの勝ち点には手が届きませんでした・・・。今日の試合について浜田監督に、ぶつけてみました。
★この暗闇は、あの暗闇とは違う!!
- 浜田一志監督
- ぼくはこんなボロ負けで手ごたえも何もないですよ。悔しいだけですよ。でも、悔しいのを次にどう生かしていくのか、チームの中で変わっていく、これ繰り返すうちに、勝ち点ていうのは実現できると思っていますから。うちは打つほうより守備で、きょうも点差ついているけど、ノーエラーなんですよ。暗闇の中で、どっち行っていいのかわからない状態が、94連敗の時代。それに比べると、今はまだ勝ち点とっていないので暗闇かもしれませんが、なんとなく灯りが見えている状態。
長い長い暗闇・・・しかし、そこになんとなく灯りがついた。ボロ負けしてしまったけれど、ノーエラー!練習時間の8割を守備に充てている、という。その結果は出ている。それが”灯り”なのでしょうね。
春の六大学野球は始まったばかり。まさに弛まぬ努力を続けた東大野球部に奇跡は起こるのか。楽しみにしたいですね!
(取材・レポート:近堂かおり)
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