昨日は新年度の仕事始めということで、入社式が行われた会社なども多かったと思うんですが、今朝は、その新社会人のそれぞれの船出を取材してきました。4月4日、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
★順風満々の新社会人の声
まずは、日も暮れたサラリーマンの街の新橋で、社会人初日を終えた新社会人に、みなさんの船出はどうだったのか聞いてみました。
- ●「商社です。思ったよりも先輩方がやさしくって、今後の社会人生活が楽しみになっています。社是とかになるような人になれということを社長さんからお話いただいて、 今後、社会を担っていく人材として活躍していきたいと思いました。」
- ●「IT系の会社です。これから先、頑張っていこうかなっていう気持ちを新たに思うような1日でした。若いうちにせめてもうこれでもかっていうくらい働きたい。これから先、自分たちが時代を作っていこうと思ってます!」
- ●「商社の人事部です。実力主義というか、実力があれば女性でも上に上がっていけるって会社で、すごく頑張りがいのある会社だなって思いました。残業とかあっても、それも楽しんでいけるぐらいの気持ちではあります、いまは。」
入社式を終えて、そのままその足で初日の配属先に行ったという方が多く「今後の社会人生活が楽しみです」「これから頑張っていこうと新たに思った1日だった」と前向きに語る人が大半で、なかには「残業はいくらでもする」「若いうちにこれでもかっていうくらい働きたい」という野心に満ちた人も多かったです。
★もちろん不安なこともいっぱい!
ただ、一方で次のように不安を口にする人もいました。
- ●「関わる人たちがすごい年上なので、話が合うのかなっていう不安もあります。」
- ●「不安なことだらけで・・・自分の敬語がまず正しいのかどうかとか、自分が今まで正しいと思っていた事が、実は失礼にあたる事だったり、そういうことが不安です。」
- ●「まずは早起きすることが不安です!!」
- ●「仕事内容とかついていけるかなっていうのが不安です。あんまり音を上げると、やっぱり『ゆとり』とか言われるんで・・・。」
目上の人と話が合うか、そして厳しいことで音をあげるとゆとりと言われるなど、新人らしい不安が多かったです。
★都民ファーストで頑張る「都の職員」
ここまでは、それぞれ不安はあるけれど会社は順風満帆で良い船出を切っている新社会人の声でしたが、そういう人ばかりではありませんでした。これから務める先が問題を抱え、逆境のなか社会人生活を始める人もいます。豊洲新市場の移転問題などを抱える東京都の職員になった方に伺いました。
- ●「東京都の職員として東京都民につくしていくと、それは当然のことですので、都民ファーストで頑張っていきたいと思います。入都式で印象に残った言葉は、知事の仰られた3つの目の話です。鳥の目、虫の目、魚の目、特に魚の目で時代の潮流を感じとるというところは意識してこなかったので、そういったところを意識していかなければ、と思っております。豊洲市場の移転問題があるなどの逆風の時期だからこそ、そういうのをバネにして自分含め職員はいかなければいけないとも思います。確かに色んな問題抱えていますけど、前よりマシかなって、前回の方に比べると・・・ 期待しているところはあるかという風には思っております。逆にそういうところでは良かったなと、タイミングは良かったかもしれませんね。」
小池都知事の言う都民ファーストがすぐに出てくるところは、さすが都の職員という感じですが、豊洲問題など逆境だからこそ、そういうことをバネに頑張ると話していました。
★内定取り消しに救いの手
あと、今回の新社会人といえば、数日前に話題になったのが破綻した旅行会社てるみくらぶの新入社員。いくつかの企業などが、その新入社員に救済の手をさしのべようという動きがあるようですが、昨日はそのひとつの財団法人、宿泊施設活性化機構に話を聞けました。伊藤泰斗事務局長です。
- 宿泊施設活性化機構 伊藤泰斗さん
- 「やっぱり自分が学生の身分で3月27日に放り出されたら、さすがに為す術がないと思っておりまして、それを回避するために同じ観光業として社会的責任として私ども引き受けることにしました。てるみくらぶさんの内定者、内定取り消し者の方9名、それ以外の企業から6名きました。新卒というのは一生に一回のきっかけですので、そのチャンスをつぶさないという意味においてはお役立ちできたのかなと思っております。」
伊藤さんのところでは「てるみくらぶ」の内定取り消し者と、それ以外の企業からの内定取り消し者に門戸を開きました。結果、てるみくらぶの9人とそれ以外の企業の6人、計15人から問い合わせがきたそうで、そのうち1人が入社を希望したそうです。さらに、てるみくらぶの内定が取り消しになった人については、法律事務所が手を挙げたほか、あとは航空券の予約サイトの運営会社が救済に動いています。
ちなみに、てるみくらぶに4月から入社する予定だった新卒内定者は東京だけで58人いたそうです。厚生労働省は、東京と大阪の新卒者専用のハローワークに相談窓口を設けているが、その行方はまだ報じられていません・・・順風満帆な船出の一方で、逆境からの船出もありました。