千葉大学医学部の学生が酔って起こした暴行事件の問題を受け、飲み会の自粛を行っているそうです。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で、レポーター阿部真澄が取材しました。
★大学病院の看護師さん達も、今年は忘年会自粛
千葉大学医学部の学生と研修医が酔って起こした暴行事件の問題を受けて、千葉大学では先月29日、医学部と医学部付属病院の学生・教職員の約4,300人に「飲酒を伴う学部での会合を当分の間自粛するよう」通知したということです。また。実際に、千葉大学の付属病院での自粛の様子について、通院している方からこんな話を聞きました。
- 「私、整形外科に通っているんですけれど、整形外科も教授の発信で、一切自粛って書いてあった。すごく厳しくやっていますよ、今。看護師さんなんかも言ってらっしゃるし。今回は忘年会一切なし!と言っていました。」
今回の事件が飲み会の場で起きた事件のため、当面の間、忘年会・新年会などの飲み会は自粛されそうです。ただ、今回の自粛は、あくまでも医学部と付属病院のみが対象のようで、医学部以外の学生は自粛をせず、例年通り飲み会を行っているようです。
★千葉大学関係者の団体予約が減少…
では、この自粛の影響で、実際に居酒屋などではキャンセルが出て困っているのか?大学周辺の店舗に伺って聞きました。
- ●「キャンセル、系列の店舗であったみたいで、30~40人くらいだと思います。どうしても大きいのが無くなってしまうと困りますね。」
- ●「千葉大病院さんの忘年会とかも自粛ということで、忘年会自体が無くなったみたいでキャンセルは来てますね、うちも。ただ、それはもうしょうがないと思います。」
- ●「そこまで歴然というか、ガクンと減ったなということは無いんですけれど、ちょっと考えてみると大きめの団体さんとか少しは減ったのかなと。正直な所あまり嬉しくない話なんですけれど、ルールを守った中でいい気持ちで帰ってもらいたいので、その中でまた飲みにきてもらいたいと思っています。」
居酒屋さんの中には、例年ですと20人位座れる座敷席の予約が埋まっているのに、今年はほとんどなく、「団体の学生さんが少ない」と言っていました。その一方、2人~6人位の比較的少人数のお客さんの数は、特に減っていないとも言っていました。
★ゼミやサークル飲みはNGで、友達同士の飲みならOK?
確かに、今回千葉大学が自粛を要請したメールにも、「飲酒を伴う外部での『会合』は当面自粛」とあって、ゼミやサークルほどでない小規模の飲み会であればOKとも受け取れます。では、自粛を強いられる学生の立場からすると、忘年会や新年会ができなくなったらどう思うか?千葉大学以外の学生さんも含め、聞いてみました。
- ●「それはもうしょうがないなと思います。事件が起きてしまった以上は学校にも傷がついてしまうので、飲み会が無くなるのは仕方ないことだと思います。」
- ●「事件を起こしたのは一部の人だけなのに、なんで全員にメールなのかなって。自分達はやっていないのに。なんで自分たちまで、全員に強制させられるのだろう。勝手にやっちゃうかもしれないですね、飲み会。」
- ●「サークルじゃなくても飲み会やる所はやっていると思う。飲み会の規模というよりも、個人の見解じゃないですかね。小さくても、小さいからこそそういう事件が表に出にくいってこともあるかもしれないので。」
被害者のことを考えれば、重大な犯罪なので、やはり、飲み会があったとしても参加しないという声はありました。一方で、学校からの通知は「飲酒を伴う“外部”での会合は自粛」。なので、ゼミやサークルはダメで友達と遊びで飲むなら良いのか?今回問題となった暴行事件も割と小規模の飲み会の中で起こったことだし、単に「会合の自粛」でなく、もっと違う指導の仕方があるのでは?といった指摘もありました。
★「飲み会自粛」に評価の声
今回の千葉大学の動きについて、世間はどう見ているのか?街で聞きました。
- ●「ちょうど僕、医学部に携わるような仕事(製薬会社)なんですよ。今回の事件はちょっと千葉大学の評価が下がるのではないかと思うのですけれど、こういう風にメールで通達する大学としての行動は評価されると思います。」
- ●「いいんじゃないですか?自粛して。千葉大だから患者が減ることは無いでしょうけれど、やっぱり世間に態度を見せるということは大切じゃない?」
中には「学部全員で自粛はやりすぎ」という意見もありましたが、事件の重大さ、被害の深刻さを考えれば、千葉大医学部として「自粛して世間に態度を示すべき」という意見がやや多かったです。
(取材・レポート:阿部真澄)
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