東京都練馬区が今月から、「街」に関する新しい取り組みを始めました。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で、レポーター阿部真澄が取材しました。
★街を修理するアプリ「ねりレポ」って?
- 練馬区区長室 臼井素子さん
- 「「ねりまちレポーター」という取り組みで、区民がスマホにアプリをダウンロードして、街で歩いている中で例えば「街灯の電気が切れている」とか「街の不具合」を写真で撮ってそれを区に送っていただくというシステム。投稿が終わると、私どものシステム上に反映されます。地図で場所もわかっていますので、例えば、街路灯がきれていれば、街路灯の係とか、そういった関係所管に連絡をとって対応するという形になります。」
「ねりまちレポーター」という練馬区在住・在勤・在学の人向けの、街の不具合を投稿・報告するアプリです。
【使い方】
- 「ねりレポ」アプリをダウンロード
- 会員登録(名前・メールアドレス・ニックネームなど)
街で「街灯が消えている」「道路が壊れている」「電線が切れている」「ごみの不法投棄」などを発見したら・・・ - アプリを起動し、「不具合をレポート」
- 街の不具合の写真を撮影し、詳細を記入して送信!
(スマホのGPSを利用しているので、位置情報も送られる)
アプリから報告を受けた練馬区が、街の不具合を修理・対応してくれるというものです。また、アプリ上で現在報告されている不具合一覧が地図のように見られるようになっていて、参考にもできます。(現在修理が進んでいるのか完了したのかなど、進捗状況もわかります。)
私も練馬区に住んでいるので、実際に街で見つけたごみの不法投棄をアプリで送信したところ、練馬区がゴミを撤去してくれました。簡単な「街灯切れ」などであれば、午前中に報告すると午後には直るそうで、かなりスピーディに対応しています。
※ただ、「道路を広くして」「標識つけて」や、「個人住宅へのクレーム」は受け付けられませんので、注意書きを確認してからご利用ください。
★街の不具合はいっぱい!でも「ねりレポ」は認知度向上が課題
では、実際に街の不具合はどういうものがあるのか?練馬区で聞いてきました。
- ●「(女性)古い道路の舗装がでこぼこしているから平らに直してほしい。」
- ●「(女性)ときどき、家のそばに、自転車がおいてあることがあって、そういうのをどうしたらいいかなと思っていた。」
- ●「(男性)公園があるんですよ。そこに木製の腹筋台があって、年数経っていたんで、腐っちゃって。ただ腐っていても使えたので、いつつぶれるかというくらい腐っていたけれど腹筋やっていました。」
- ●「(女性)粗大ゴミを勝手に無断で捨てて、タンスとかイスを分解して放置して。サビもはえているけど、シールが貼ってないから回収しないみたいな。」
皆さんいろいろ直して欲しいところがあるようです。ただ、「ねりまレポーター」って知っていますか?と聞いたところ、知っているという人はほぼゼロの状態でした。練馬区側も目玉政策でもあるため、認知度向上に向けてこれから頑張っていきたい!ということです。
また、街でお話を聞いていると、中学3年生の女の子からこんな意見も出て来ました。
- ●「(不法投棄とか区に言ったことあります?)ないです。子供だからこそ、思っていても言いたいことあると思うんですけど、言えないっていうか・・・。でもアプリがあれば使いやすい。自然と誰もが寄ってくる、良い地域になると思う!」
スマホを持っていない人でも練馬区役所に電話をしたり、直接窓口で言ったり、メールで報告をすることもできるのですが、アプリは簡単だし気軽にできて良いということでした。
★「ちばレポ」導入の背景には人員不足という事情も!
こうしたアプリによる街の不具合報告は、千葉市の「ちばレポ」、相模原市の「パッ!撮るん。」など他の自治体でもあるのですが、東京都では練馬区が初めてです。ただ、導入の背景には、自治体のこんな事情もありました。
- 練馬区区長室 臼井素子さん
- 「やはり行政改革の中で「人員の定数見直し」とか「スリム化」は図ってきている。なので、各部署それぞれ忙しく働いているっていうところは現実問題としてあるが、それでも区民の皆さまからのニーズも本当に多岐で、多様化して、細かくなっている。仕事も広がっているので「人員不足」というところは、なくはないけど・・・練馬区は広いので全部回るのは「行政として不可能」で、仕事をしているのが現状です。」
行政側の人手不足もあり、市民参加型で街づくりをしたいという想いがありました。
(取材・レポート:阿部真澄)
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