今月4日に、神戸新聞の夕刊に載った投書が波紋を呼んでいます。『理解に苦しんでいます』というタイトルの投書は56歳の男性からのものでした。
- ”住んでいるマンションの管理組合理事をやっているんですが、先日の住民総会で、小学生の親御さんから提案がありました。「知らない人に挨拶されたら逃げるように教えているので、マンション内では挨拶をしないように決めてください。」子供はどの人がマンションの人かどうか判断できない。教育上、困ります、とも。すると、年配の方から「挨拶をしても挨拶が返ってこないので気分が悪かった。お互いにやめましょう。」と意見が一致してしまいました。その告知を出すのですが、世の中変わったな、と理解に苦しんでいます。”(内容抜粋)
この投書がSNSで広まり、”マンション内での挨拶禁止はアリなのか、ナシなのか?”インターネット上で賛否が分かれているそうです。そこで・・・。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」!!本日11月18日(金)はレポーター近堂かおりが『近所の子供たちに、おはよう!こんにちは!と挨拶していますか?』と街でお話を聞いてみました!
![現場にアタック(近堂かおり)](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/03/sump_kondokaori-150x150.jpg)
現場にアタックレポーターの近堂かおり
金曜日恒例のサラリーマンの声。『近所の子供たちに、おはよう!こんにちは!と挨拶していますか?』
★挨拶してるよ!
- ●「やっていますよ。子供の方も礼儀正しい子が結構いますよ。向こうから先にお辞儀しておはようございます、こんにちはって言う子もいますしね。」
- ●「してる。挨拶すればちゃんと返ってくるし、向こうからもしてくるし。知らない人でもエレベーターで会ったらちゃんと挨拶してくれますよ。」
- ●「自治体活動の一環で声はかけてます。たぶん、小学校の子供の半分は知ってる。声を掛けなかったら向こうも怖がって話しかけないし、何かあった時に避難する場所がないでしょ。だから地域全体でそういう話をしてる。」
- ●「してます。向こうから先にしてくれる子供もいる。知らない子でもそう。子供たちから挨拶されたら結構うれしい。」
- ●「してます。前に一度挨拶してる子は挨拶を返してくれるけども、初めての子はなかなか挨拶はしてくれない子が多い。今の子はしょうがないかなって思う時もあるけど、出来れば、こんにちわ!くらい返してくれると嬉しいけどね。」
皆さん、ちゃんと子供たちに挨拶しています。そして、子供たちもちゃんと挨拶を返してくれている。これは嬉しい!
また、近所の子とはいえ顔見知りじゃない子、そういう子にも挨拶していましたが、これはなかなか勇気が要りそうですよね。その点では、こんな声もありました。
★知らない子には躊躇しちゃう!
- ●「うちの子供と同じ近所の小学生たちにはしてるけど、知らない子にはあんまりしてませんね。やっぱり今は時節がらあんまり声はかけづらい。不審者だと思われたりするのとイヤなので。」
- ●「知ってる子にはする。知らない子だとやっぱりちょっと引いちゃうかな。ランドセル背負ってると近所だろうなって思うんですけど知らない子には声はかけづらいというご時世だと思ってください。」
- ●「してないね。なんだろう?あんまり目がいかないね、視線が子供にね。知らない子に声かけるとほら、変なおじさんと思われちゃう。自らっていうとムズカシイかな。」
- ●「隣2・3軒であればしてるんですけど、そこから先になるとしてないですね。というか、変に声かけちゃうと向こうが怖がりますよね。何かあるのかなって警戒しますよね。」
- ●「全く知らないお子さんには声はかけない。今、怖いんで、逆に変な大人とみられるのもイヤですから。」
知らない子供には躊躇しちゃう気持ちも分かります。それにしても、ただ「おはよう」って挨拶しているだけなのに怪しまれてしまうの?とも思ってしまいます。とはいえ、事件も多いご時世、仕方がないのでしょうか。
★フランクにするのも良くないのかなぁ・・・
- 「うーん、特にしてないかな。知ってる子だったらしたりするんですけど、知らないとしない。今、この時代、子供さんに何かすると親が嫌がるケースがある。前にエレベーターで、子供が可愛いかったから”可愛いね”って頭を撫でたら、止めてくださいって言った親もいたんで。私どっちかというとフランクな方なんですけど、つい躊躇しちゃいますよ。近所で朝よく見かけるのは、出勤の時にお父さんが子供を保育園に連れて行くところ。私も実は娘を保育園に連れて行った体験があるんで、そういうお父さんを見ると他人には思えなくて、おはようくらいは声を掛けたいなって思うんだけど、それも声を掛けていいやら悪いやら、悩みます。ちょっとためらいますよね。」
いくら可愛いからといっても、急に頭を撫でてしまうと、親御さんは警戒してしまうのかもしれませんね。連れ去りなど、優しく近づいて・・・といういやな事件が多いですから。警戒してしまったお母さんの気持ちも分かる気がします。でも、お話をするとこのお父さんは悪い人には見えないどころか、むしろ良い人だったので、複雑な気持ちになりました。
知らない子供に接しないのが正解なのかどうか・・・。最後にこんな声がありました。
★挨拶でマンションが明るくなった!
- 「してます。大人たちが意識的に声をよくかけているので、知らない子でもこんにちは、と自然に子供の方も出ますよ。集合住宅は結構お互い顔を知ってるので。たまたまマンションに保育所があって小さい子供が身近なので、地域で見守っていくという雰囲気、インフラはあります。子供は地域のエネルギーになるので大人が支えないと。そのためには大人が心を開かないとね。元気よく挨拶されて大人の方がビックリする場面は何回もあります。ある人はブスっとしてて愛想が悪かったんだけど、愛想がよくなりました、半年経って。大人が子供に挨拶されて、照れ臭そうにこんにちはって言うようになりましたよ。ブスッとしてて強面のおっさんだったのが。マンション自体が明るくなりますよね。子供からも教わるし、大人からも子供が教わる。」
いい雰囲気のマンションですよね。子供たちからの挨拶で、ブスッとしたオジサンが照れ臭そうに返事をするなんて!
最初の神戸のマンションとはだいぶ雰囲気が違います。このお父さんの話を聞いて、「こんな時代だから仕方ない」とも言えますが、「こんな時代だからこそ」挨拶を大切にしてほしいな、と改めて思いました。
(取材・レポート:近堂かおり)
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