今日は、最近、家電量販店で売り切れとなるほど人気になっている腕時計「チープシリーズ」について、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材しました。
★腕時計「チープシリーズ」って一体なに?
最近大人気の腕時計「チープシリーズ」とは、一体どんなものなのか。ビックカメラ有楽町店、時計担当の安田 巧さんのお話です。
- ビックカメラ有楽町店 時計担当 安田 巧さん
- 「チープシチズンとチープカシオで共通しているのは、安いものだと900円台から、高いものでも2000円ちょっとするくらいで、時計って高いというのを覆してるものだと思います。時計のメーカーとしてシチズン・カシオがついてるので、日本製のほうが安心して使えて、質も1万円台の時計と変わらない機械なので、そういった部分でも安心なのかなと思います。いま売り場では特設ブースも設けていて、けっこう立ち止まっていただく方も増えております。」
シチズンやカシオの900円~2000円くらいの腕時計が大人気で、「チープシチズン」「チープカシオ」と呼ばれています。特設ブースも展開されるほど人気で、見ているお客さんも多かったです。
ブームとなって売れていることは販売店として良いことですが、一体どんな人が買っているのか。再びビックカメラの安田さんのお話です。
★チープシリーズ腕時計。買っているのは?
- ビックカメラ有楽町店 時計担当 安田 巧さん
- 「やっぱり海外の方。安い時計をいっぱい買って、お土産で渡すというケースが多い。あとは、旅行で高額な時計を持って行きたくない方に売れていて、あとは若い女性が多くて、スタートが若い女子大生がインスタグラムに安くて使いやすいと投稿したのがきっかけで注目が集まりバッと人気になっているので、若い方に売れているってところが一番の要因です。」
このブーム、元々は「チープカシオ安くて使いやすいよ」とSNSに投稿されたのがきっかけで、若い女性に大人気となったもので、一番買うのが若い女性!
チープシリーズは40種類以上もあるので、ひとりでいくつも買って、ベルトを変えたり、色を付けたり、自分なりにアレンジしているそうなんです。その人気から雑誌でも取り上げられて、さらには外国人旅行客のお土産としても人気になった・・・という流れなんですが、メーカーはどう思っているのか。シチズン時計のIR広報室の大舘のりえさんのお話です。
★このブームにメーカーは戸惑いも
- シチズン時計 IR広報室 大舘のりえさん
- 「自社のブランドにチープと言われると、正直戸惑いはありました。最初すごく引っかかったんですが、SNSのコメントとか見てみるとチープだけど安くて性能が良くてすごいとか、安いのにおしゃれと、ポジティブにとらえている。営業に確認すると去年より5倍売れているモデルもあると聞いて驚きました。宣伝は一切してないです。口コミで広がった形で、全然ねらったわけではないです。SNSの広がりってすごいなって感じた商品ですね。」
実は、宣伝も一切無しで、メーカーが狙ったブームではないんです。「いくらまでの時計がチープシチズンなのか」シチズンさんもわからない。人気なのが新作時計というわけではなく、10年以上前から売っている製品なので、知らない間にブームになっていたそうなんです。
「チープ」はあんまり良い言葉ではないので、最初は戸惑ったそうなんですが、ポジティブな意味で使われているということで、今では気にしていないとのこと。そして、チープシリーズが売れていることに関してこんなお話もしてくれました。
★このブームで儲かっていますか?
- シチズン時計 IR広報室 大舘のりえさん
- 「だいたい今女性物ですと、メインモデルは7~8万円ですし、男性のGPSモデルだと20万円ちかいものがメイン商品になっているので、チープシチズンは単価が安いので、すごく売り上げに貢献するという商品ではないんですが、最近の若者は、「スマホで時計離れ」と言われているところがあるので、これを機に時計を好きになってもらえればと嬉しいなと思っています。」
残念ながら、単価が安すぎて業績に大きな影響はないそうです(女性モデルだと、チープ70個売って、メインモデル1つくらい・・・)。ですが、時計業界の課題のひとつ、「若者の腕時計離れ」を解消する一手になるかもしれないと、その部分は期待していました。
(取材・レポート:田中ひとみ)
TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」は月~金6:30-8:30放送中。
AM954kHz、FM90.5MHz。
パソコンやスマートフォンでは「 radiko 」でもお聞きいただけます!
番組へのメールは→ stand-by@tbs.co.jp