韓国のパク政権が、窮地に追い込まれています。パク大統領が友人女性=チェ・スンシル容疑者に、政府の機密文書などを渡していた問題ですが、昨日は、男がチェ容疑者への不満を理由に、ショベルカーで検察庁に突っ込んだ、というニュースもありました。直近の政権支持率は10%。ソウルなど首都圏に至っては1ケタ台に・・・。国民の怒りが増している様子です。そこで・・・。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、
気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日11月2日(水)は、レポーター近堂かおりが『揺らぐ朴政権、韓国の人は、どう受け止めている?』をテーマに取材しました!
![現場にアタック(近堂かおり)](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/03/sump_kondokaori-150x150.jpg)
現場にアタックレポーターの近堂かおり
そこで、今回の韓国大統領の機密漏えい事件を、韓国の人はどう受け止めているのか?東京都のJR新大久保駅周辺で聞きました。
★怒りよりも恥ずかしい!
- ●「実にがっかりしました。大統領の自分の力じゃなくて、他の人の言葉をずっと聞いて、国の一番上の人なのに、意見が全然無いのに、国を動かすのは理解ができないです。」
- ●「もう韓国人としては、めっちゃ恥ずかしいですね。誰かに依存して。人間なんで、頭があって脳があって脳から命令されて体が動くわけじゃないですか。脳がなかったじゃないですか。怒る元気もないほど恥ずかしいよ。」
- ●「恥ずかしいですね。大統領も大統領なんだけど、間違っていることをやってると、ある意味日本は明かさないけど韓国は明かしているじゃないですか。それが世界に流れて・・・。もう終わりじゃないですかね。」
『恥ずかしい』という言葉をほとんどの人が口にしていました。その理由で一番多いのが、大統領という国のトップが他の人の考えで動いていた、ということ。『自分の考えが無いなら、大統領になんてならなきゃいいのに!』と話すお母さんもいました。
★韓国ドラマみたいよね!
- 「今日、旅行で来た韓国人と会って、色々言ったんですけど、今「K2」っていうドラマがあるんですよ、テレビの。それと似てるの。それ大統領のドラマなの。色々お金のけんかとか、自分の秘密とか、ああだこうだする。変な話だけど、チェ・スンシルの子どもが、大統領の子どもじゃないかとか、色々あーだこーだーって、おばあちゃん達が言ってるから、だから、私がその時も言ってたの。韓国ドラマと同じじゃない!って。」
『K2』という、今年9月から韓国で放送されている、ドラマにそっくりなのだそうです。連日のニュースを見て、こんな話で盛り上がっている韓国人のお母さんたちがいる一方で、かなりショックを受けている若者もいました。
★大統領と同じテグ出身だから・・・。
- 「パククネと地元が一緒で、『テグ』というところ。パククネはテグ出身なんで。けっこう応援していて、セヌリ党といいます。セヌリ党、絶対的な支持だったから。ショックですね。世間に知られて、その後の対応も、誤魔化して正直に言わないで、違います違いますとかいうのは非常に残念です。大変誇りに思っていたので。もう味方はいない。」
20代の若い男性。地元が一緒だということで、ずっと応援していたし、とても誇りに思っていたからこそ、ものすごくがっかりしていました。他にも『こんなの国じゃない』『まだまだきっと裏がある』『ずっと騙されてきたなんて!』と、本当につらそうに話していました。昨日は、なかなか今の大統領を応援するという人には、出会えませんでしたが、そんな中で、こんな方に会いました。
★まだ疑惑。真実が分かってから判断しないと!
- 「まだわからないですので、待たないとならないんじゃないですか?どう流れるかわからないので、皆もうちょっと考えて、その後に、結論は、真実とか全部聞いて、それから結論でも遅くないと思っています。だから待っています。」
10%の支持率に対して『10%も支持がいるなんて信じられない!』とあきれる人がほとんどの中、結論出るまで「もうちょっと考えよう」という、昨日聞いた中では珍しいご意見でした。
そんな中、パククネ大統領をかつて応援したお父さんが、韓国の政治事情という点で、今回の”ことの重大さ”を話してくれました。
★韓国の政治が変わる、はずだったのに・・・!
- 「あきれちゃいますよ。僕も日本にいて応援していた一人だから。韓国は家族を大事にする社会なので、なんか政権を取っちゃうと、家族関係ぐるみで汚職とかそういう悪いことが起こっちゃうから、それは国民が嫌だった。でもパク・クネはそれをクリーンにするイメージが本当に強かったんですよ。結婚もしていないずっと1人だし。それなのに、今回は、汚職っていうかそれ以上のあり得ないことが起きちゃったので・・・。だから、まだ韓国は政治がね、民主主義になったばっかりなんだけど、大体30・40年なったけどまだちょっと未熟かなと。これをきっかけで痛みを超えてもっと成熟する国になると思いますけど。」
これまでは、家族を大事にする韓国だからこそ、家族ぐるみの汚職が多く起こってあり、国民はうんざりしていた。しかし、パク・クネさんは、独身なので家族ぐるみの汚職とは無縁ということもあり、クリーンなイメージで応援していた。ところが、身内じゃない人でも、汚職を招く可能性が・・・。二重三重にがっかり、期待はずれだったようです。
しかし、韓国の政治の未熟な部分が出てしまった!この悪い局面はきっと乗り越え、成熟した国になってくれるはずと期待を込めて話してくれました。
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