きのうはハロウイーン本番。日本では一部で「ハロウイーンの市場規模がバレンタインを超えた」なんて報道もありましたが、その経済効果の実態はどうなのか、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材しました。

昨日の渋谷の様子。交通規制のため歩行者天国になっていて、夜は仮装した人たちで溢れかえっていました。
★大手シンクタンク「日本のハロウィン消費は400億円」
まずは、そもそもいまのハロウイーン市場、実際どの程度なのか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの主任研究員、妹尾康志さんのお話です。
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主任研究員 妹尾康志さん
- 「ネットアンケートなどの結果をみると、ハロウイーンにお金を使っている人が2割くらい。日本人1億2000万人くらい、赤ちゃんを除くと、ざっくり1億人いますので、2000万人くらいがお金を使っている。いくら使いましたか?という質問には、平均2000円くらい使っている結果が出ています。ひとり2000円で2000万人いますので、かけると400億円くらいが、いまの個人消費の額と推定しています。日本では、いまのメインは、キャンディおかしとコスチュームというところになってまして、1000円以下という、おかしを買っているんだなって人が5割をしめています。
一方で、1万円以上というコスチュームを買っているんだろうなって人が、5から10%。やはり、日本のハロウイーン消費というのはこの2つの分野がしめていると考えています。」
仮装やおかしなどに、ひとり平均2000円くらい使っていて、それが2000万人程度いるとみていることから400億円規模の市場だということでした。
【(一人当たり消費)平均2000円×2000万人=400億円】
ただ、400億円規模といわれてもどの程度すごいかわからなかったので、実際こうした仮装グッズやおかしを扱うお店にきのう行ってきいてみました。雑貨販売の大手「LOFT」の広報、中川真理子さんに伺いました。
★恩恵あり!の雑貨販売大手「バレンタインよりハロウイーン」
- LOFT 広報 中川真理子さん
- 「いままではクリスマス、バレンタインという2大トップのイベントだったんですけど、そこにハロウイーンが加わって3つになったってそういう印象ですね、大きなイベントが。で、バレンタインよりかは、ハロウイーンの方がお客様の数とか売り上げとか伸びてきていると肌で感じています。バレンタインですと、チョコを買って食べるとか、作って食べる動きはあるんですけど、ハロウイーンですと、衣装とメイクとヘアアクセサリーとかネイルとか、普段から楽しめるグッズが増えてきているのでアイテムの事を考えるとハロウイーンの方が市場が広がってる。いままではゾンビ、ナースとかちょっとホラー映画に出てくる仮装が多かったですが、今年だと、安倍マリオとかピカチュウとか仮装を求めてる人がいるので、元々のハロウイーンとズレてきていると思うが、色々仮装を楽しめるイベントになっている。」

LOFTの店内入ってすぐのスペースには、仮装コーナーが設けられていました。試着室も完備。
バレンタインだとチョコなどのおかしの動きだけだけど、ハロウイーンは色々アイテムが多いので大きいんですという事でした。
こうした仮装グッズは、一部のデパートや雑貨を扱うLOFT、ディスカウントストアのドンキホーテなどで取り扱っているのですが、きのうも渋谷のLOFTでは、夕方5時過ぎ、仮装グッズを買ってLOFTの中の衣装室で着替えて、そのまま街に繰り出す若者が大勢いました。

渋谷LOFT

ドン・キホーテ。こちらも、店頭にハロウィーンの特設コーナーが設けられています。
ただ、こうしたハロウイーングッズを扱うお店が潤う一方、通行規制などがかかる渋谷センター街のお店では、こんな声をあげるお店もありました。
★恩恵なし!のセンター街の小規模商店「通行規制で客入りがない八百屋は散々」
- ●「八百屋です。(これだけ人いますけど売り上げに影響はあります?)ありますよ、お客さん入ってこれないですもの。あまり商売としては迷惑って感じ。観光の人が結構みえるんですようちは。夕方からフルーツがメロンとか動くんですけど、でも入ってこれないから。関係ないとこはがらんがらん。本当に極端ですよ。」
- ●「私、はんこやです。別に人がいくらいても売り上げには繋がらないんではんこやは関係ない。マナー守ってくれれば構わないんですけどなかなか守らない。これ、去年、大破されて直したんですけど、雨どい、今年も大破されました。」
渋谷一帯の人が多いことから通行止めをきのうも夕方から夜11時まで行っていて、たとえ人はいても騒いでいるだけでお客さんは入ってこないし、八百屋の方は普段くるお客さんがお店まで来れないから売り上げには痛手だと嘆いていました。
ここまでは、それぞれのお店の、経済効果の悲喜こもごも。その一方で、ハロウイーン消費を支えているとされる仮装して練り歩いている人たちは、実際に仮装にどれだけお金をかけているのか、きのうの夜に渋谷で聞いてみました。
★総額1万円超の安倍マリオから、トイレットペーパーを巻いただけのコスプレまで…
- ●「(いまなんの仮装してます?)安倍マリオ。(全部でいくら?)総額だと1万円ちょっと。(お金は大丈夫?)大丈夫じゃないですけど、実は去年もマリオやってて、で、今年安倍さんの顔かっただけなので、着回しで今年かかったのは2000円ちょっと。」
- ●「ドナルド・トランプです。ドンキホーテでかったマスクかぶって、スーツ着てやっています。(なんでトランプ?)いま旬だから(トータルいくらかかってます?)5000円くらい。トランプが大統領になったら来年も使うがなれなかったらお蔵入り。学生。親には秘密です。」
- ●「ゾンビです、トイレットペーパーで身体ぐるぐるまきにしてるだけです。あまりお金かけないで仮装しようと思ったら、これがパッと浮かんだんですよ。これ0円でお母さんが買ったペーパー身体にぐるぐる巻きにしてきたんですけど、4ロール。(これ家かえってどうされます?)ちゃんとたたんで1枚1枚リサイクルしたいんですよ。」

バケツに白いガムテープ。こちらも制作費はリーズナブルです。
きのう渋谷で夜8時過ぎから11時まで仮装して練り歩いていた人に聞いたのですが、学生がほとんど。安倍マリオの仮装に1万円やトランプの仮装に5千円をかけて、ハロウイーン消費している人から、トイレットペーパーをまいただけで、しかもそのトイレットペーパーは再利用するというので、ハロウイーン消費に直接は影響しないけど、エコなコスプレの人もいました。

夜の11時前、もみくちゃにされて疲れ果てた田中。この日ばかりは、私服でいる方が浮いていました・・・。
(取材・レポート:田中ひとみ)
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