きのう東京で起きた都内の大規模停電ですが、そのとき街はどうだったのか?「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)の「現場にアタック」で、レポーター阿部真澄が取材しました。
★信号が止まってしまった練馬駅前
きのう、東京電力の送電線が発火したことにより起きた都内の大規模停電。そのとき街はどうだったのか?練馬駅前で取材をしてきました。
- 金物屋
- 「ちょっと真っ暗になってしまって、びっくりしちゃって。このビルのどこか誰かがいじったのかなって思って、外を見たら信号が止まっていたので、これは全部だと思って。かなり人通り多いんですよ。だから人も振り返って、みんなどうした?てなっていた。」
- 学習塾
- 「室内が真っ暗になりまして。最初ビルの停電かと思ったので、管理会社に確認したら全体の停電とわかって、ちょっと外に見にいったところ、信号も止まっていた。歩行者とか車とかが乱雑している状況になっていました。」

信号が止まってしまった練馬駅前
私もちょうど別の取材でこの近辺にいて、停電が起きて信号が消える瞬間を目撃しました。人通りも車通りも非常に多い駅前の交差点の信号が2箇所消えてしまっていて、車は歩行者に気をつけながらゆっくりと走り、歩行者も車に気をつけながら恐る恐る横断歩道を渡っていました。約10分間の停電の間駅前の様子を見ていたのですが、私の見ていた交差点には警察も間に合わないままで、危険な状況でした。
★停電により影響を受けたお店の人たち
- 美容室
- 「急に電気が消えて、パーマかけている方は当然パーマ液が髪についているので、しっかり流さないと髪によくない。でも流すシャワーが止まってしまったので、ポットのお湯を使って流して。シャンプー台も電動イスでイスも倒れない状態だったので、そこにお客さんに上っていただいて。変な話高い位置のままで、そこで流したんですけれど。ドライヤーも使えなかったので、よくタオルで拭いて。お客さんもこのままでいいと言っていたけれど、外も寒いしねぇ。と、対応しているときにぱっと電気がついたので、「よかったー」とお帰りいただいた。」
ちょうど停電のとき、髪を切っている方やパーマをかけているお客さんが数名いたようで、お湯もシャンプー台の電動イスもドライヤーも使えないから大変だったということでした。
- 調剤薬局
- 「機械が止まってしまうので、粉のお薬を量ったり、患者さん用に分けたりすることができないので、お薬を渡すことができない。パソコンで会計などを計算しますので、業務が全てストップしてしまった。量りも電子量りなので、電気がつかないと何グラムかは量れないし、冷蔵庫も止まってしまうので、「冷所保存」のお薬が、幸いきょう早く回復できたのでよかったけれど、長時間長引けばダメになってしまうところだった。」
停電になると薬が量れない、薬を冷蔵している機械が止まる、さらにレジや薬の説明書が出せない・・・と、ほぼ何もできなくなってしまいます。薬局で処方する粉薬はごく少量のため、手動で量るのにはとても時間がかかってしまうそうで、患者さんには復旧まで待ってもらったということでした。幸い短い時間の停電でしたが、これが長引けば冷蔵している薬も全部ダメになるところだったようです。
また、「人工透析」を行っている病院にもお話を聞いてみたところ、こうした病院にはバックアップの電源があるそうで、患者さんへの影響はなかったけれど、お医者さんや看護師さんはびっくりしたということでした。
★停電でひやっとする体験をした男性
街の方達にお話を伺っていると、ひやっとする体験をされた方に出会いました。
- 「エレベーターで地下に降りて倉庫に品物を取りにいこうと思って降りたんですけれど、出て、また戻ろうと思ったら、エレベーターが動かなかった。地下の真っ暗な廊下に一瞬閉じ込められてしまった。エレベーターに乗ろうと思っても開かないから、ドアを叩きました。エレベーターのドアをがんがんがんって叩いた。」
幸いこの方は地下の避難用出口の場所を知っていたのでそこから出られたのですが、地下で窓もなく真っ暗だったそうで、もしもうちょっと遅くエレベーターに乗っていたら閉じ込められてしまっていたかもしれない、怖かった・・・と話してくれました。
今回の取材で、短い時間の停電でも非常に大きな影響が出たことがわかりました。改めて、停電時に備えて、いざというときの避難経路の確認や、懐中電灯などの避難グッズを備えておくことが大事ですね。
(取材・レポート:阿部真澄)
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