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忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」
(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)
7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。本日3月28日(月)はレポーター阿部真澄が『水戸名物 わら納豆』をテーマに取材しました!
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現場にアタックレポーター:阿部真澄 TBSラジオキャスター。 好きな飲み物:ビール!最近は海外のビールにハマっています。 |
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★なぜ?水戸名物“わら納豆”が20年ぶりの値上げ
茨城県水戸市の名物といえば「わら納豆」。実は、このわら納豆が20年ぶりに値上げをしました。何があったのか?わら納豆を製造販売するだるま食品 高野正巳さんにお話を伺いました。
- 高野正巳さん
- 「わら納豆を、2月1日から、20年ぶりに値上げしました。上げ幅が3割くらい。理由は、わらの農家の方が高齢化して、わらを取るのが非常に難しくなってきたんです。それと同時に去年の水害。常総地区の水害、あれで水戸近辺の稲わらが腐ってしまって。使えないので、わらがない、どうしたらいいのかと。この際、思い切って値上げしようというわけで、値上げしました。値上げすれば、売り上げ個数は減りますが、それでわらの使用量が減るし、値上げたうちの何割かを農家に還元すれば、農家のじいちゃんばあちゃんも多少お金が増えるので、いいんじゃないかと。それで値上げしようということで踏み切りました。」
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水戸名物「わら納豆」!「パックの納豆」とはぜんぜん味が違うんです!
だるま食品では、これまで納豆5本入り「700円」だったものを「900円」に値上げしました。値上げの理由は“わら不足”。かつて水戸周辺には70~80軒のわら農家があったのですが、今は数件になってしまったそうです。
★1000平米で1万円?高齢化する「わら農家」の悲鳴
値上げをして販売量を減らしてまで、わらの使う量を抑えないといけないほど、今わら不足は深刻なのか?農家の方に実態を伺いました。
- 農家の方
- 「今はコンバインという機械で田んぼの稲を刈るのが主流なので、その影響で、おだ掛けという竹の棒で田んぼに天日干しする方法が激減したんです。おだ掛けは、わらがとれるんですが、手作業でやらなくちゃいけなくて大変なんです。コンバインの場合には、もみも収穫できるんですが、わらも切り刻むので、わらが残らない。どうしても高齢化になると動くのも大変だし労力的な問題も考慮して、おだ掛けをやめて、だんだん離れていってしまうのではないかと。」
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どっさりある「わら」。でも今やわら不足の危機・・・
農家の数が少なくなっていると同時に、高齢化も進んでいて、わらを作らない農家が増えているんです。わらを作るには、稲刈り機で稲を刈り、それを「おだ掛け」という方法で天日干しにするので、1反(1000平米)の田んぼの場合、全部で1週間~10日ほど時間がかかるんです。一方、大型のコンバインで作業をすると、20~30分で脱穀までできてしまうんです。結局、効率化でわらを作らなくなってきているそうですが・・・でも、今回わら納豆の値上げとともに、わらの買取価格が上がったので「やっぱり、わらを作ろう」という農家が増えるのでは?と思って聞いてみました。
- 農家の方
- 「それは難しいですね。わらの単価が安いですから。1000平米という面積に対して、わらで換算して計算すると1万円くらい。それが例え3万円とか5万円になったとしても、小さいですよね。年取れば体が動かないので、やらないという事になるし。もう先が見えてる。この商売もあと5年、10年なんか持つのかなと思っている。はっきり言いたくないけど、近い将来じゃないかと。」
わらの値段が上がることは歓迎しているのですが、続けていくほどではないようで、さびしいお話でした。高齢者だけでなく、若者も、最近は、コンバインを使ってわらを粉々にしたものを集め、牛などの飼料として売るほうを選ぶ人も増えているようです。話を聞けば聞くほど本当にわら納豆がなくなってしまうのではないかと思ってしまいました。
★「わら納豆を守れ!」と言う水戸市民。家にあるのは…
わら納豆が無くなると一番困りそうなのは地元、水戸に住んでいる方だと思い、水戸市民の方たちに「わら納豆の危機」についてどう思うか聞いてみました。
- なくなったら、僕らは納豆食わないと思う。小さい頃からみんなわら納豆。カップとわらじゃ全然違う。
- ちょっと寂しい。普段わら納豆食べてるわけじゃないけどなくなっちゃうのは寂しい。一応名物なので。
- 寂しい、水戸納豆といえばわら納豆だから。パックの納豆なんてどこにでも売ってる。人にあげる時に買う。自分ちで食べる時はパックだけど。
- 普段食べないけど、それは寂しい。一応お土産品として名物になっているので。あった方がいいとは思う。
実は、普段食べるのはパックの納豆が圧倒的!「わら納豆は高いから」「納豆をわらから出して食べるのが面倒くさい」などの理由で、日常生活で食べている人はごく少数でした。それでも皆さん「自分では食べないけど、水戸といえばわら納豆なので、なくなるのは困る。お土産に買っていくものがなくなってしまう」ということでした。でも、お土産だけのために守る必要はあるのか?再び、だるま食品の高野さんに伺いました。
★わらでこそ水戸納豆!守り続けた業者のこだわり
- 高野正巳さん
- 「わらじゃなくなれば、水戸納豆というブランドが終わりになる。水戸はわら納豆が有名だから、水戸でわら納豆の生産ゼロになったら、もうそれは水戸納豆ではない。水戸納豆を消すわけにはいかない。わら納豆作んなかったらやめた方がいい。500円の1種類でもいいから売ってないとダメだと思う。観光土産に水戸きたら納豆買っていこうか。それが大事。なくすわけにいかないから行政と一緒に方法を考えようと」
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おみやげで人気の「わら納豆」!いろんな種類がありますが・・生き残れるのか!?
実は「わら納豆がなくなるかもしれない」ということを知った水戸市から、「本当になくなってしまうのか?」とだるま食品さんに問い合わせがあったそうなんです。水戸市としてもわら納豆が無くなってしまったら困る!ということで、今後は業者・自治体が一緒になってわら納豆を残していく方法を考えたいとのことでした。
(取材・レポート:阿部真澄)
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