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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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注意!「後払い現金化」は新手のヤミ金

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また緊急事態宣言となってしまいましたが、去年の緊急事態宣言以来、生活苦を背景に、違法な金利の貸金業、いわゆる闇金の被害が広がっています。中でも最近目立っているのが「後払い現金化」という新しい手口。 4月28日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

 

ここにコメントを入力してくださいhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210428073907

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

どういうものなのか?被害者支援にも取り組む司法書士の前田勝範さんに伺いました。

★後払い現金化とは

司法書士 前田勝範さん
後払い現金化っていうのは、商品を後払いで購入させるという体を取るんですね。商品の購入に際して、その商品の広告宣伝をする、あるいはレビューを書く、そういったことでキャッシュバックをするということで、まず現金を手にすることができる。その商品というのがですね、よくインターネットとかにあるフリーの画像ですとか、全く価値がない商品、そういったものを利用者のメールですとか、LINE等で送る、そういった形で商品を売った体を取っているんです。利用者としてはやっぱりお金を借りたい方がほぼ全てですので、先に現金が手にできるということで、食いついてしまうと。昨年夏ぐらいからもうどんどん増えていって、現在の4月ぐらいまででだいたい100件ぐらいの相談が全国からあります。(

「後払い現金化」、一部では「つけ払い現金化」とも言いますが、これは、「後払い」で商品を買わせるネット通販のような形。

「買った時に『いいね』を押しか、感想をアップしてくれたら、キャッシュバックします。代金の支払いは1ヶ月後でいいですよ」等という仕組みで、ネット上では「即現金が手に入る」と宣伝されていることから、お金に困った人が手を出してしまう。

確かに即現金は入りますが、その後は高額な商品代金の「後払い」が必要で、結局は支払いに苦しむ、という形です。

しかも商品というのは、ネット上でタダで拾えるような「ゴルフのレッスン動画」などで、1円の価値もない。実態は商品の売買ではなく、闇金だ、として問題になっています。

ではどんな人が被害にあっているのか、そして金利はどうなっているのか?再び前田さんのお話しです。

★コロナ禍での生活苦により・・・

司法書士 前田勝範 さん
トラックの運転手をされてるんですけども、コロナの影響でトラック自体を走らせる日数が大分減ったということで、トータルして10万円近く毎月の給料が減った関係から、住宅ローンの返済もちょっと苦しくなったから、インターネットで後払い現金化というのを知って借りたと。デジタル画像を購入した方なんですけれども、それを3万5000円で後払いで購入して、購入した時点で2万円がキャッシュバックとして入ってきたと。つまり2万円を手にして翌月3万5000円を返す。年利に換算すると900%以上というかなりの暴利になってます。

金利900%以上・・・

法定利息の上限は最大20%。違法な闇金でも500%程度なのでこの「後払い現金化」の金利は異常です。

ただ、前田さんによれば後払い現金化業者は「違法金利の闇金」ですが、業者側は「通常のネット通販」だと言うので、まだ取り締まり体制ができていない、そこが問題と。

こうした中、被害を防ごうと先月「ツケ払い・後払い現金化金利計算シュミレーション」というネット上のツールも登場。キャッシュバックと後払いの金額を入力するだけで金利がわかる。金利を目にすることで考え直すきっかけに、ということで、運営会社のホワイトベアー、横尾秀徳さんは「金利20%超える場合はヤミ金なので絶対利用しないで」と訴えていました。

「ツケ払い・後払い現金化金利計算シュミレーション」はコチラ
→ https://saimusos.net/tools/atobarai-simulator

では、今後取り締まりを強化したり、こうした金利を明確にする仕組みなどで被害はどこまで防げるのか?

確かにこうしたサイトは効果があるし、取り締まれればその手口でのヤミ金被害は防げます。ただ、それでは根本的な解決にならないと、前田さんは訴えていました。

★今一度制度の見直しを

司法書士 前田勝範 さん
 どうしてもお金が欲しいっていう方はヤミ金と知ってても、借りてしまう手を出してしまうんで、全体的な解決ってのは難しいのかなというふうに感じてます。今のこういったコロナ禍の中ではどうしても死活問題、例えば緊急に、すぐに困ってて現金が欲しい、本当に食べることもできないというような貧困に関しては、審査などに時間をかけるのではなくて、まず緊急援助の資金を融通するなど、そういったシステムっていうのが必要じゃないかなと思っています

闇金詐欺というのは、1つの手口を取り締まると、別の手口が出てくることが多く、この「後払い現金化」もそうした新手の手口。結局、いたちごっこ。背景にある貧困の問題を解決しないと、全体的な解決にはならない。国の支援制度や貸付制度はありますが、現状は利用しにくい面もあるので、そうしたシステムを見直して、支えることも必要だということでした。

 


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