11月25日、小池都知事から、不要不急の外出を控えるようにと、再びの自粛要請が出されました。また、「さらなるテレワークの普及、定着を」と言うメッセージもありました。また様々なところに影響が出ますが・・・そこで今回は、影響をうける1つ「社食」に注目!11月26日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
テレワークも進む中、企業の社員食堂は、いまどんな状況なのか。全国2000近い会社で社員食堂を運営する、株式会社グリーンハウスの広報室長、福田 隆憲さんのお話。
★コロナで打撃を受ける社食
- 株式会社グリーンハウス・広報室長 福田 隆憲さん
- 「一般の外食と基本的には変わらない。企業に出社しないということは、それだけ利用客のパイが減る。売り上げベースでも、オフィス等では2〜3割位下がっているところもそれなりにある。ある意味、コミュニケーションの場として使う社員食堂として見れば、味気のない話だが、1列横並びにして反対側の列を使わないとか、椅子を一つおきに置いて、密にならない工夫をしている。当然、今のテレワークの流れは、私達の事業にとってはポジティブでは決してない。」
中には 社食から撤退したり、オフィスの建設や移転の計画が頓挫して、社員食堂を新しく作る計画が、立ち消えてしまったケースも、少なくないようです。
しかも、社食を継続している企業も、感染対策で、一度に座れる人数を大きく減らしています。先日私も、TBSの社員食堂に行った。ディスタンスを保つためにテーブルの間隔を広くしていたり、全員窓を向く配置になっていたり、このようなレイアウト変更が、多くの企業で行われているようです。
ただ、テレワークで出社人数が減ったいま、どうやって社食を利用してもらうか、グリーンハウスとしては試行錯誤している状況。例えば、オフィスの中で、社食がテイクアウトできるスマホアプリを開発したり、魅力的なお弁当を新メニューとして開発したりと、社食存続をかけた新たなビジネスモデルを模索中ということでした。
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試行錯誤の一つ、グリーンハウスの開発した、スマートミールの基準を満たしたお弁当「からだ喜ぶ なんかいいな弁当」。健康的なテイクアウトメニューです
★近所のレストランが社食に!「チケットレストラン」
このように、コロナをきっかけに、働き方が変わる。働き方が変われば社食も変わるということで、社食の運営は、大きな岐路を迎えていました。
一方、出社していない「テレワーク組」に向けた、新しい社食の形として、「チケットレストラン」というサービスが話題になっています。株式会社エデンレッドジャパンの、営業&マーケティング部長の、高橋 偉一郎さんのお話。
- 株式会社エデンレッドジャパン 営業&マーケティング部長 高橋 偉一郎さん
- 「「チケットレストラン」は、会社・自宅周辺の飲食店を、社員食堂代わりとして使えるサービス。会社からの食事補助を電子マネーにチャージして、お支払いの時に「このカードで払います」と、タッチして支払えば、決済完了。日本全国どこにいても、何時でも、食事補助を会社から受け取って、食事を楽しんでいただける。特にコロナで在宅勤務が進んできている中で、かなり多くお声掛けを頂いている。「出社」という大前提が崩れている今、食事の補助のあり方を見直すということで、大きな注目が集まっている。」
「チケットレストラン」は、デニーズやドトールなどのチェーン店や、街の個人商店、コンビニなど、全国およそ6万店で使うことができる、食事補助のサービス。予め規定の金額がチャージされたカードが渡されるので、それでピッと決済すれば、食事の金額が支払えます。
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「チケットレストラン」仕組み。提携している店舗を、社食代わりとして使えます
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支払いは、他の電子決済と同じく、タッチでピッ!
元々、社員食堂を持たない中小企業や、食べる場所が毎回違う運送業者などの利用が多かったようですが、最近はテレワークに切り変えた企業からの問い合わせが急増。社食に変わる福利厚生として導入したい、という相談が増えているようです。
★コロナで、日本の“ランチ事情”を問い直す
そして実はこのサービス、世界47ヵ国で導入されているグローバルなもの。発祥はフランスで、この会社の社長さんもフランスの方だそうです。
日本に参入したのは30年程前ということで、参入から随分時間は経っていますが、お話を伺っていくと、日本とフランスでは根本的に「食事の補助制度のあり方」が異なるようです。最後に、エデンレッドジャパンの代表取締役CEO、マリック・ルマーヌさんに聞きました。
- エデンレッドジャパン・代表取締役CEO マリック・ルマーヌさん
- 「フランスでは法律があります。チケットレストランみたいな食事補助を提供しないといけない。或いは、会社の中で食事のできる場所を作らないといけない、法律で決まっている。毎日5ユーロ(600円)まで会社が負担できる。それは非課税の制度なので、会社にとっても、従業員にとっても有利。ただ、食事補助は日本では義務でもないし、食事の大切さがあまり高く評価されてない。食事補助が当たり前の福利厚生になって欲しい。今までもそうだったが、コロナになってより大事になってきたと思う。」
フランスでは、食事補助は、雇用保険などと同様、「必ず」実施しなければいけない福利厚生で、金額も月に1万2000円と充実。ところが日本の食事補助は、会社が「任意で」実施する福利厚生で、非課税対象となる範囲は、月に3500円が上限。20日で割ると、1日当たり約180円とかなり低い…。
しかもこの金額は、チケットレストランが日本に参入する30年以上前から据え置かれていて、物価の上昇や消費税にそぐわない状況が続いているということで、ルマーヌ社長は、コロナを契機に抜本的な制度の見直しが必要だと、仰っていました。
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田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!