コロナ禍で職場に出勤せず任意の場所で働く「テレワーク」が増えていますが、それに伴い仕事場を提供する「ワークスペース」に参入する企業も増えています。例えばホテルや、カフェの一角、駅ナカなど様々ですが、今回は一風変わったワークスペースを取り上げます。TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で中村友美ディレクターが取材報告しました。
★観覧車、プールサイドでテレワーク?
まずは遊園地の「よみうりランド」です。広報部・奥谷祐さんに聞きました。
- 株式会社よみうりランド広報部・奥谷祐さん
- 「遊園地の開放的なプールのスペースと、観覧車のスペースを活用した、遊園地でお仕事ができる新しいサービスです。観覧車に乗って空の上からテレビ会議でミーティングをされたり。プールサイドの空間は非常に開放的な場所で、比較的静かな場所だったりもしますので、例えば原稿を書かれていたり、色んな企画を考えて頂いているようなお客様もお見受けしております。」
観覧車の利用は最大1時間、5周分です。ポータブル電源とインターネット端末を借りて観覧車に乗り込みます。中には、観覧車の乗車時間に合わせてテレビ会議を設定する人もいるのだとか。
メインのワークスペースは、夏場にプールの有料席として貸し出されている場所。本来なら水着で寝そべるような椅子に座って、パソコンで作業するのは新鮮でした。この斬新な取り組みは、よみうりランドがコロナの影響で約3か月休園するという苦境の中、社員からアイデアを募り採用されたもの。この時期あまり使われないプールサイドの有効活用という点でもメリットが大きいということです。料金は平日、1人あたり1900円。近くのスーパー銭湯のタオル無料券、ゴルフの練習場でクラブ3本、練習球20球まで貸し出しといったサービスも含まれます。
★紳士服店もワークスペースに参入?
遊園地だけではありません。紳士服店の「洋服の青山」もワークスペースに参入しました。
- 青山商事株式会社・広報部長・長谷部道丈さん
- 「以前はここもすべて「洋服の青山水道橋東口店」という店舗の一部でした。今回はシェアオフィスを作成するにあたって、洋服の青山の店舗の約半分、80坪ほどをシェアオフィスとして新しくスタートしたということころです。テレワークを主体としてワーキングスペースとしてお使いいただくこともできますし、水道橋という場所柄、土地柄ですね、周りに学校が、大学や専門学校がたくさんありますので、就職活動のエントリーシートとかそういったものを記入する、勉強の場所としても活用できるようなスペースになっております。」
お店の正面入り口から入ると紳士服を扱う通常の店舗なのですが、脇の入り口から入ると、隣に紳士服店があるとは思えないくらい静かな空間に、全90席が並ぶワークスペースがあります。パーテーションで一席ずつ区切られたものから、最大12人が入れる会議室まで席のバリエーションも豊富です。利用は平日だと1時間550円から。コーヒーなどドリンクは飲み放題。取材日は祝日にも関わらず、パソコンに向かって黙々と作業をしている人が10名弱いました。
★テレワークでスーツが売れない。そこを逆手にとって…
しかしなぜ、紳士服店である洋服の青山が店舗面積を減らしてまでワークスペースに参入しようと思ったのか。青山商事の長谷部さんに聞きました。
- 青山商事株式会社・広報部長・長谷部道丈さん
- 「最近ではコロナ禍ということもあって、店舗の有効活用というのが1つ当社の中で課題になっておりました。ビジネスウェアの市場自体が結構厳しくなっておりますので、仕事着の販売に加えて仕事場の提供もできないかということで今回この1号店の出店に至ったということになります。店が小さくなったからといって在庫が減って選べる商品が少なくなったとならないように、ウェブ上でお買い物頂ける新しいシステムを搭載しておりますので、それらを融合しながらシナジー効果をより高めていきたいと思っております。」
コロナ禍でテレワークをする人が増えると、スーツを着る機会が減ってしまいます。そのため洋服の青山は業績が悪化し、先日、全国の店舗の2割にあたる160店舗を閉店すると発表しました。そんな状況の中、逆にテレワークの需要を取り込むべくワークスペースに参入。店舗面積を減らした分は新たに等身大のタッチパネルを設置し、そこから商品を検索、注文できるようにしました。他にも、テレワークに特化した新商品で、椅子に座った状態での伸縮性を高めた「座りしごと専用パンツ」など、新しい試みを次々と打ち出しています。