先月、カレーの本場インドに日本のカレーチェーン「CoCo壱番屋」が進出して話題になりました。あれから1ヶ月以上経ち、果たして本場で受け入れられたのか?9月23日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
インドで働く日本人で、YOUTUBEでインド情報も発信している「インドOL系YouTuber」中村優里さんに伺いました。まずは、進出前の前評判はどうだったのでしょうか?
★ココイチ、前評判はイマイチ?
- インド在住 中村優里さん
- 「現地でもかなり話題になりましたね。住んでいる私たち日本人はそうなんですが、インド人の方も、カレーの本場インドに日本式のカレーが来るっていうことで、ニュースが報道された時も、オープンが近づいた時も、話題にはなっていました。インド人の方の反応は二極化してる状況ですね、ポジティブな、日本のカレーがどんなものか楽しみだって言う方もいれば、本場のカレーに勝てる訳がない、というご意見もあった。」
カレーの本場に乗り込んだCOCO壱番屋ですが、先月3日、インドの首都デリーから30㎞ほど離れた「グルガオン」と言う都市にオープンしました。ここは、インドの中でも特に成長著しい都市で、日本人が多い地域としても有名です。その日本人はもちろん、同じ地域で働くインド人も注目していて、オープン前から話題だったそうです。
★ではインドの方からの評判は?
ではインド人の反応はどうだったのか?ゆりさんに伺いました。
- インド在住 中村優里さん
- 「まず第一声が「美味しい」って、本当に笑顔でおっしゃってましたね。全体的に日本のカレーがこんなに美味しいとは思わなかったと感動されてました。あとはインドのカレーと違うところは、少し、日本のカレーはどろっとしていたり。口に合うとおっしゃってました。インドカレーと言うよりか、カレーの中の一種という捉え方をされてましたね。私は週に1回だったり2回、ココイチさんには行っていて、その度にインド人の方とお話しするんですけど、こんなのカレーじゃないっていうような、批判的なご意見をおっしゃる方は、今のところ聞いたことないですね。こんなにも受け入れれらるんだと、意外性の方が強いですね。」
ココイチのカレーは、インドだからといってインド式にはなっていません。宗教に配慮して、豚肉や牛肉を使わず、野菜とチキンとなっていますが、ルーとお米は日本と同じ。ルーは日本から輸入した、とろみのあるルーと、水分の多い日本のご飯なので、スパイスを配合したサラサラのルーと、パサパサしたご飯のインドカレーとは全く違います。ですが、みなさん「このカレーも美味しい」と楽しんでいるようです。オープン当初は9割が日本人客でしたが、今では半分くらいまで、インドの方が増えて受け入れられているということでした。
★インドの方のカレーの楽しみ方
別物と言われながらも本場に受け入れられた日本のカレーですが、何故なのか?背景には、普段のカレーとの付き合い方や性格があるようです。
- インド在住 中村優里さん
- 「スパイスも何百種類もあるので、家庭によってスパイスの調合も違いますし、カレーも地域によって北と南で全然違ったり。南の方がマイルドなカレーでご飯と一緒に食べる。北は基本的にはチャパティというような、パンと言えばいいんですかね、と一緒に食べるケースの方が多いかなと。おそらく各ご家庭にこだわりもあると思うんですが、「絶対こうじゃなきゃ食べない」とか言う方は少ないかと。どちらかというと皆さん、各ご家庭の味を楽しんで、「あなたの家庭はこうなんだね」っていうような、カレーの楽しみ方をされている印象です。結構、そういう部分を含めて、違いを受け入れる方が多いんじゃないですかね、食関しても。私もインド人の方と一緒にお仕事することが多いんですけど、違いを批判するというか、それを受け入れつつじゃぁどう一緒にやっていくかというような考えの方が多い印象です。多様性に慣れている。」
一口にカレーといっても、家庭ごとにバラバラで、普段から多様なカレーを楽しんでいたのに加え、ゆりさんは、多様な宗教、多様な民族との共存の中で、多様性を受け入れる傾向があるところも影響したのかもと指摘していました。
ただ、ここはビジネスの先進地。価格は日本と同じとはいえ、物価を考えると割高なので、一般家庭に入っていけるかどうかは、今後次第のようです