新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、マイカー通勤、ドライブスルーで買い物など、不特定多数との接触を防ぐため車を活用する機会が増えています。こうした中、今復活の兆しを見せているのが「ドライブインシアター」です。7月21日(火)TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で中村友美ディレクターが取材報告しました。
★チケットは即完売。問い合わせも多数!
屋外で巨大なスクリーンの前に駐車し、カーラジオをチューニングすれば車に乗ったまま映画を楽しめる「ドライブインシアター」。日本では90年代のバブルの頃に流行。2010年には国内全ての劇場が閉館となりましたが、今再び各地で上映イベントが行われています。
今回は「ドライブインシアター2020」を主催する、株式会社ハッチのシアタープロデュースチーム「Do it Theater」代表、伊藤大地さんに今の盛り上がりについて聞きました。
- 「Do it Theater」代表、伊藤大地さん
- 「このコロナのタイミングになって、問い合わせが7月までで250~300件。企業から一緒にドライブインシアター作れないかとか、我々のやっているイベントにスポンサードさせてくれないかというお話を頂いたり、あとは場所自体。普段エンターテイメントで活用されているようなドームとかスタジアム、そういう所の駐車場が今全く使われていない状況が続いていましたので、そういう所の活用例としてドライブインシアターをやって頂けないかというお話をもらったりもしてます。前回やらせて頂いた東京タワーがまさにそういう形で、チケットは1台1万円で販売しているんですけれど、およそ3分で完売しました。」
7/17~19に行われた「ドライブインシアター2020 大磯ロングビーチ」でも、初日と2日目それぞれ120台分が30分以内で完売。来場者の多くは20~30代の若者で、友達同士やカップル、子供連れで来るケースが多く見られます。
イベントでの単発上映だけでなく、期間限定の特設シアターが先月千葉県、来月大阪にオープンするという新しい動きも起きています。
★入場も軽食購入も車の中で完結
今回「ドライブインシアター2020 大磯ロングビーチ」を取材、来場者に話を聞いたところ、感染対策が細部に渡って行われている点も評価されているようです。
- 来場者の声
- 「(入場チケットの)QRコードを、車の窓を閉めたままチェックするとか、結構しっかりしてるなと思いました。」
- 「案内の表示がこだわってるなと思って、前を進んでくださいとか、レッドカーペットを進んでくださいも、無言でアクションでやってるっていう所が、感染対策もちゃんとやってエンターテイメントをやろうとしているんだなっていうのをすごく感じました。」
まず入場時のチケットは紙ではなく、スマートフォンでQRコードを表示し、窓ガラス越しに飾すだけ。その後駐車する場所の案内はスタッフが手に持っているボードで行うので、会話をする必要がありません。また車1台につき1つ小さめの箱が手渡され、中にはポップコーン、ドリンク、消毒液とマスクなど、車内での映画鑑賞に役立つアイテムがそろっています。軽食の売店もありますが、注文はLINEを通じてオンライン決済をすれば。スタッフが車まで届けてくれるので、トイレ以外は車から降りなくて済むシステムが整えられていました。
★クラウドファンディングで苦境のエンタメ界を支援
コロナが追い風となって盛り上がりつつあるドライブインシアターですが、自分たちが一人勝ちすれば良いということでは決してありません。今回ドライブインシアターの開催にあたってクラウドファンディングを実施。およそ550万円を集めました。この資金の使い道とは?
- 「Do it Theater」代表、伊藤大地さん
- 「今年2020年ってドライブインシアターでエンターテイメントは出来ていますけど、その他のエンターテイメントは止まってるんですよね。文化が止まってしまう年にしたくないなと思っていて、このコロナにおいて結構危機になっているミニシアターとか、そういう所に対して、我々も幾ばくかですけど支援をしていくというスタイルをとって、我々のイベントに参加することで文化も継続できるし文化の存続も手助けできるっていう形のちょっと欲張りなんですけどそういう持続的なシステムを作りたくで、今回寄付というシステムを入れてます。」
Do it Theaterがクラウドファンディングで集めた550万円のうち一部が、苦境に立たされているミニシアターの支援のため寄付される仕組みになっています。エンターテイメント業界全体の盛り上げを考えているんですね。