今月からレジ袋の有料化に伴い、エコバッグを持って買い物に出かける方も多く見受けられるようになりました。環境には優しいエコバッグですが、コロナ禍でエコバッグを使用する事について注意を促す声もあります。7月15日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。
東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科の寺嶋毅教授に伺いました。
★エコバッグは洗濯して!
- 東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科の寺嶋毅教授
- 「約半数の人がこれまでエコバッグを洗ったことがないというデータもあります。新型コロナウイルスに関しては布バッグでは1日、ビニールやポリエステル製のバッグですと3日から4日、ウイルスが付着していることもありますし、エコバッグを定期的に洗うことを勧めます。洗濯が難しいものであれば、70から80%のアルコール濃度のウェットティッシュで、持ち手や外側内側、そして底も拭き取るようにしてください。人によっては、もしかしたら、ウェットティッシュを使うほうが、エコバックで数円払うより、高くつくんじゃないかって言われる方いるかもしれないですけど、環境的なこと考えると、マイエコバッグを持って衛生的に取り扱うことが良いかと思います。」
プラスチックごみ削減の為には、大切なエコバッグですが、材質によっては、ウィルスが3日から4日、付着し続ける事があるので、出来れば毎日洗濯するか洗剤で手洗い。
洗えないものに関してはアルコール消毒、除菌を心がけて欲しいと。
ただ、問題は、除菌用のウェットティッシュを使うと、安くても数百円はかかるということ。環境と衛生を考えると、高くても、レジ袋に逆戻りするよりは、いい、ということですが・・・
コストパフォーマンスを考えると、ベストは、エコバッグをまめに洗う、が正解かもしれません。
そんな中、エコバッグを使わなくても、重たい「あるもの」を持ち帰る事が出来る画期的な「袋」を開発したところがあったので取材しました。伊丹産業株式会社の取締役で、米穀事業部の藤木敏弘さんのお話です。
★そのまま持てる持ち手付きのお米
- 伊丹産業株式会社 取締役 米穀事業部 藤木敏弘さん
- 「2009年の7月から、パッケージのリニューアルをしようってことで、普通のお米の袋に「取っ手」を使ってそのまま持ち帰りいただけるように工夫したのと、普段の保存に便利なように「チャック」を付けさせて頂いて、米びつが要らないって言う感じです。その当時からレジ袋の削減というのが盛んに行われたんですが、レジ袋が有料化される、または、レジ袋がなくなる、というものはでてくるんじゃないかというのを見越していたっていうことですね。レジ袋にお米を入れると、すごく重たいこともありまして、何かしら工夫ができないかな、ということで考えた商品です。」
「取っ手」というと、袋に何かくっつけるように思うかもしれませんが・・
ビニールの米袋というのは、1枚のシートを二つ折りにして、3辺を糊付けしているような形ですが、そののりしろの1つが幅広い帯のように伸びていて、そこに穴が開いている、という仕組み。そこに指をひっかけると、米袋を横にして、レジ袋やエコバッグに入れなくても、そのまま持ち帰れる、というわけです。
現在5キロと10キロの袋があるそうで、エコでウイルスの心配もない。
そしてすごいのは、今から11年前、2009年に、いずれレジ袋の有料化が起きると予想して開発を進めたそうで、それが今、レジ袋有料化が現実となり、お客様の反響が大きいということでした。
そんな先見の明を持った伊丹産業ですが、どうせなら、プラスチックごみ削減のため、お米の袋自体も見直せばいいのでは?と思ったので、再び藤木さんに伺いました。
★袋自体もいつか脱プラに!
- 伊丹産業株式会社 取締役 米穀事業部 藤木敏弘さん
- 「お米の袋っていうのは、小さな、あの不織布が入ってます。お米が呼吸しているので、そこからマスクのように呼吸ができるようになってるんです。紙の素材のやつもあるんですけど、多分なかなかそれだとお米が呼吸しづらいっていうのがありますので、我々のとこはポリポリっていう素材を使わせていただいて、お米が呼吸できる穴を、呼吸できる場所を、作っているという感じです。あのー今から時代の流れとともに、資源に帰る物っていうのは採用されていくと思います。ちょうど今、提案をもらっている最中ですね。まだそんなに具体的な形になるものが出てきてなくて、ちょっとおいつけてないってのが現状ですね。」
米袋は、品質を保つために「お米が呼吸できる」仕組みが必要で、こちらの場合、袋に見えないくらいの小さな穴を開けつつ、また一部には、不織布を組み込んでああります。この仕組みと、袋自体の強度も維持するという、これを両方を叶えるのが非常に難しく、いろいろ試した結果、紙では無理で、ポリポリというプラスチック素材の袋になったということでした。
と言っても、やはり「袋自体、脱プラスチックのものを」という提案が来ているそうなので、今後は、挑戦していきたいと意欲を見せ ていました。