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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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唾液検査で、PCR検査はどう変わる?

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厚生労働省が「唾液」によるPCR検査を正式に承認し、6月2日から保険適用になりました。早速、解禁初日から、唾液を使ったPCR検査を導入した病院に、実際やってみてどうなのかを取材。6月4日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

田中ひとみの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200604073548

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

港区・田町駅前にある「クリニックフォア田町」の医師、奥村雄一郎さんのお話。

 

★「唾液」を使ったPCR検査が可能に

「クリニックフォア田町」医師 奥村雄一郎さん
唾液を使った検査の方が圧倒的に楽。鼻の中に綿棒を入れる作業が不要なので、滅菌されたチューブの中に唾液を入れる。メリットは、患者が楽。あと、非常に大きな点として、医療従事者側の防御の意味合いがある。鼻の粘液を採取する場合には患者さんが咳き込むと飛沫が発生し、医療従事者が感染リスクにさらされる。それが唾液の場合は一切ないので、医療従事者の防御の意味合いが大きい。それに加え、毎回防護服を着なくていいのは、医療ソースの削減という意味合いも非常に大きい。
森本毅郎スタンバイ!

クリニックフォア田町は、2階と4階にフロアを完全分離した上で「PCR検査」と「通常の診察(生活習慣病や皮膚科)」を実施。PCR検査が出来るのは大きな病院がほとんどの中、都内で初めて街の診療所としてPCR検査を導入しました

森本毅郎スタンバイ!

PCR検査について、「クリニックフォア田町」のホームページにも詳しく解説されています

 

▼クリニックフォア田町ホームページ「クリニックフォア田町では新型コロナウイルスPCR検査を行っています」
https://www.clinicfor.life/news/4783/

 

PCR検査が広がらなかった理由はいくつかありますが、1つは病院の体制が難しいこと。これまでは、長い綿棒を鼻の奥に差し込んで粘液を採るやり方でしたが、この場合、患者さんがくしゃみをして飛沫感染するリスクがあるため、防護服やフェイスガードのフル装備、さらに病院内の体制づくりが難しかったんです。

それが、唾液を出すだけなら医療関係者のリスクも減り、用具の削減もできる、と仰っていた。唾液は、量としても1cc=30秒ぐらい出せばオッケーなので、患者も楽。

そして気になる精度ですが、厚生労働省よると、発症から9日以内であれば、唾液でも高い確率でこれまでの方法と同じ結果が得られたということです。ただし10日を過ぎると精度が落ちるようなので、唾液検査は「発症から9日以内が対象」となっています。

 

★海外渡航者に求められる「PCR陰性証明書」

とはいえ、唾液を使うPCR検査は従来に比べて簡単なので、検査希望者に応えやすくなりそうです。と言うのも今、検査希望者の種類が、様々増えているようです。

「クリニックフォア田町」医師 奥村雄一郎さん
保健所からの紹介だったりする患者さんも来るが、直接来て対応するケースもありますし、毎日20人弱のPCR検査を行っている。最近、仕事や留学などの海外渡航に伴って渡航先のルールとして「PCR陰性証明書」の提出が義務付けられている国がかなり多い。この1〜2週間かなり増えている(自費治療)。一番多いのはインドネシア。他にフィリピン、タイ、マレーシア、中国、フランスなども証明書が必要だと認識している。実際に海外渡航するにあたって、書類が必要なのはもはやニーズ。それにやはり、積極的に医療機関としても対応していく必要はあると思う。
森本毅郎スタンバイ!

緊急事態宣言の解除後、海外出張を再開した企業により、海外渡航者が増えているようです

▼クリニックフォア田町ホームページ「海外渡航に関する新型コロナ検査についてご説明いたします」
https://www.clinicfor.life/articles/covid-travel/

 

PCR検査は、

  • 保健所や相談センターが必要と判断して、検査を受けに来る人に加え、
  • 熱がある方が自分でこうしたクリニックに来て、医師が判断してそのまま検査する事もできるようになっています。
  • 最近ではさらに、症状はないけれど仕事で海外に行くため、「感染していない証明書( PCR陰性証明書)」を現地に出す必要があるので検査する、というケースも増えてきているそうです(このケースの検査は、現在のところ、まだ保険適用ではなく、自費治療にはなりますが、対応できるようになってきています)。

★「検査待ち」が減る可能性

これまでの綿棒で鼻や喉の粘膜を取る検査では、出来る病院が限られ、対応しきれ、ませんでした。一方、唾液を使うPCR検査では、綿棒に比べ、多くの病院で導入可能なので、今まで社会問題になっていた「検査待ち」が減る可能性があります。では今後、唾液を使うPCR検査は広がるのか?奥村さんに聞きました。

「クリニックフォア田町」医師 奥村雄一郎さん
「唾液検査ならPCRが可能」という病院が出てくると思うので、厚生労働省はそれを狙って、許可している部分もあるのではないか。まずは受け皿を増やして、検査を必要としている方が困るようなことを無くすという点も、非常に重要な観点だと思っている。
森本毅郎スタンバイ!

こちらのクリニックは、オンライン診療なども導入しています(クリニックフォア田町ホームページより)

唾液ならPCR検査できる病院は出てくる、厚労省もそこを狙っているのでないか、とも仰っていました。現在、唾液の検査は症状がある人だけで無症状の人は受けられないのですが、ただ、厚労省は「無症状でも使えるか検討したい」と新聞取材に答えるなど、意欲を見せています。

唾液を使うことでPCR検査を受けられる病院が増え、また、保険適用で受けられる人の幅も無症状の方まで広がれば、「保健所の判断で4日間待たされる」というような事態は、減らして行ける可能性もあります。

あとは、病院で採った検体を、実際に検査し判定する場所がどれだけ増えるか、ここにかかってきそうです。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!


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