今週月曜(6月1日)、東京都はステップ2に移行しましたが、その矢先、東京アラートが発動しました。夜の街への警戒感が強まっています。せっかく夜10時まで営業可能になった飲食店ですが、客足がどうなってしまうのか、不安が募りますよね。そこで・・・。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」、6月5日(金)は、今日はサラリーマンの聖地、新橋のお店に注目しました。『悩める飲食店、それぞれの事情。』というテーマでお話を聞きました。
★20年以上、新橋で立ち飲み居酒屋を営んでいるご主人
- 「ウチは変わってないね。前の通りはウロウロ歩いている人は増えてるけど。アラートが出る出ない以前にもう、そんなのは期待できるとは思っていないからね。ステップ2になったからってガラッと変わるかというと、そんなわけはない。お客さん、聞いても、まだテレワークだの在宅だのって、今月1日から出社するというのは居たにはいたけど、もう物の数じゃないもんね。いや、開けていた、連休だけはさすがに休んだけど。厳しいなんて話は通り越している。(4月5月)うーん、閉めてても1円にもならないからね。やらないよりはね、ゼロと比べたら1割でも2割でもあれば。キッチリ、7時だ10時だなんて、そんな杓子定規には出来ないからね。一応、頭に入れておきましょう程度。8時だよ、帰って帰ってと追い返すわけにはいかないからね。なんだよ!いつも来てるのにそんなこと言うなよ!って話になっちゃう。あと1杯くらい飲ませろ、それはダメだとは言えない、こんな100円でも10円も売り上げが欲しい時なんだからさ。ウチなんか100円の串売ってるんだからさ。」
100円でも10円でも売り上げが欲しい時に、お客さんに早く帰ってとは言えない、と。この気持ち分かりますよね。
こちらのお店は4月5月も細々と営業していました。もちろん、対策をとって。今月に入ってステップ2になっても東京アラートが発動されても客足は変わらず。それを嘆く、というよりは、そんなにすぐにお客さんが戻ってくるとはもともと期待していない、ということでした。
とは言いつつ、頑張ってずっと営業しているご主人。一喜一憂していたら持たないですものね。
★40年、おひとりでお店を構えている女将さん
- 「暇です。今まで来ていた常連さんが見えるくらいで、一見さんの、出張の人が皆さん、いらっしゃらないので、もう来ませんもんね、出張がなくなっちゃったし。やっぱり、そういう点では暇ですよね。ただ、このまま続けさせていただければいいなと思って、あんまり出ないで、感染者が出ないで。増えちゃってまた休みになっちゃうと仕事が出来なくなっちゃうともう家賃も何も払えなくなっちゃうし。2か月近く休みました。本当に大変でした。もうこのお店8時で閉店なんて出来ません。5時からすぐ来ませんから、飲みになんて。大体見えるのが7時過ぎでしょう。7時過ぎて8時でもうアルコールはダメって、ま、7時でダメで8時で閉店じゃ、仕事にならないです。開けるだけで大変です、品物を揃えないといけないし。今は9時までアルコールで10時に閉店だから多少はね。でもね、一見さんは来ないかも、出張に人は来られないかもしれないけど、そのうちまた、落ち着いてくると思うんですけど、あと1・2年。生きていればいいんですけど。1・2年はダメでしょう。(1・2年踏ん張れる)やろうと思ってます(笑)お客様が応援してくれているから(笑)」
こちらは4月5月はお休みしていたお店の女将さん。やっと今月から再開したばかり、暇です・・・と。この状態があと1、2年続いても、頑張ってお店を続けます!とおっしゃる女将さんの声の明るさに救われます!やっぱり、常連さんの存在は大きい!!応援してくれる常連さんのためにも是非、頑張っていただきたいですね!
★夜をメインとしたお蕎麦屋さんのご主人
- 「期待はあったんですけど、ただ、皆さんの意識が高いから飲食も、絶対数がまずテレワークで減っているので、その部分で飲食をやっても利益が出るってことはないと思いますね。だから、なんとか赤字にならないようにだけの、僕は営業をしようと思ってお店を開けています。去年の10月の消費増税で、やっぱり年末も良くないな、1月も良くないな、というところでコロナでトドメだと僕は思います。色んな飲食のオーナーと喋るけど、やっぱり、人生を考えるということと、職を変えるということを皆考えてますよね。結局、お金を借りても飲食の売り上げって、もう前ほど伸びないから、じゃあ、借りないで閉めちゃおうか、借りて返せなかったらどうしよう、とか、なら違う職種を、雇われているようがラクだから、とかそういう考え方を皆それぞれ持っていますね。僕も、うーん、もうちょっとやってみて本当にやっても売り上げが出ないなら止める方向では考えますよね。(視野に入ってる)入れてますよ、そりゃあそうですよね。」
今回、結構なお金を借りることになっているそうですが、お店を閉めるということも、頭の片隅にはあるようです。そもそも飲食が芳しくないのは、去年の消費増税から続いていて、そこへさらにコロナが追い打ちをかけることになったが、昔のような活気には戻らないと考えているようでした。
★こんな時期だからこそ、心に沁みます
こちらのお蕎麦屋さんも今月からお店を再開したんですが、心に沁みるお話がありました。
- 「一日目は安否確認じゃないですけど、常連さんが来てくれたけど、火曜日、水曜日は2割くらいのお客さんしかお見えにならない。ご祝儀じゃないですけど、来てくれたり、チップをいっぱいくれたりとか、昨日なんか僕、商品券3万円あげるからって言われて、頑張れよ!みたいな感じでした。お店は全然。僕も大家さんに家賃も待ってもらってるし、良い大家さんなんで、4月5月待ってもらってますけど、ただ、僕が交渉して4割減まで抑えてくれて、なので、それを待ってもらってるのでもっと心苦しいですけど、(沁みますね)本当ありがたい。」
お店が繁盛して、感染拡大に繋がっても困るし、『丁度よく』というのがなかなかムズカシイともおっしゃっていました。
常連さんたちや大家さん・・・支えてくれる人がいるから、何とかお店を続けていってほしいですね。