今日は、車のナンバープレートの深刻なお話。今月、国交省が、ナンバープレートの右上の“分類番号”について、「ナンバーが枯渇しそうなので今後はアルファベットを導入する方針に」と発表しました。車のナンバーが枯渇、とはいったいどういうことなのか。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からの「現場にアタック」で田中ひとみが取材しました。
![現場にアタック(田中ひとみ)](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/03/sump_tanakahitomi-150x150.jpg)
田中ひとみキャスター
まずはナンバープレートに詳しい、自動車ライターの萩原文博さんのお話です。
★ナンバー不足の原因は「希望ナンバー」
- 自動車ライター 萩原文博さん
- 「自動車のナンバープレートは、1998年から「希望ナンバー」という、自分の好きな番号4ケタを選ぶことができるようになりました。それで人気のあるナンバーがどんどん集中してしまい、番号が足りなくなってしまったので、今まで数字でやっていた部分にアルファベットを足して、より数を増やせるようにするというのが、今回言われていることですね。運用されて20年近くやってきて、わかったことです。」
![森本毅郎スタンバイ!](http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2016/07/6c236ece869abcbd36b01ae6aeb58ac9-533x400.jpg)
導入されるナンバープレートのイメージ。赤字部分にアルファベットが入ります。(数字と間違える可能性のある「I」や「O」は使われない予定)
今回問題となっているのは、「1」や「777」などの、人気番号。この人気番号が足りなくなったということで、“分類番号”にアルファベットを追加し、選択肢が増えることになります。ちなみに、運用は、来年4月以降を予定しているとのことです。
ただ、通常、順番どおりに振り分けられる“任意の番号”は、まだまだ余っている様子。じゃあ希望ナンバー制度を辞めればいじゃないか・・・、とも思ったんですが、実はそうもいかないらしいんです。再び萩原さんのお話です。
★「希望ナンバー」をやめられない事情もあった
- 自動車ライター 萩原文博さん
- 「希望ナンバーってお金がかかるんですね。4000円特別にお金が取れるので。昔はそういう制度がなくて、欲しい番号をずっと待ってたりしていたんですけど、今はお金でナンバーが買えるので、管轄しているところにお金が入るからどんどんまわしていけばいいんじゃない?って話になるんですよね。」
ここ数年、「富士山」などのご当地ナンバーが増えてきていることもあって、ナンバープレートを変えることへの意識は高くなっているそです。地域によって金額は異なりますが、平均するとだいたい4000円ほど。この追加料金を払ってでも、自分で番号を選ぶ人は増えているようです。
今回の、アルファベットを導入しようという話、「希望ナンバー」を望む人にとっては喜ばしいことかもしれませんが、一方で、番号に特段こだわりの無い人には関係ない話かもしれません・・・。と、思いきや、全く別の理由で、ナンバーの枯渇が問題になっているのが、沖縄なんです。沖縄県自動車標板協会の西原 秀典さんのお話です。
★レンタカーの「わ」ナンバーも枯渇していた!
- 沖縄県自動車標板協会 西原秀典さん
- 「沖縄では、レンタカーの払い出し台数が多いので、現在はひらがなが、「わ」から「れ」に変わっております。「わ」の方はもう使い切ったのでないです。車を特定するということでプレート番号があるので、また違う車に同じ番号をつけることが法律上できないんです。」
沖縄には電車がないので、観光客の移動はほとんどレンタカーを使います。なので利用者の増える夏の間だけレンタカーを借りてきて、ピークが過ぎると他の場所に持っていったり中古車販売にまわされます。ただ、一度取り付けたナンバーを他の車に使うことは禁止されていて、毎年、夏の間だけ借りたり返したり借りたり返したり・・・を繰り返しているうちに、レンタカーの専用番号である「わ」ナンバーを使い切ってしまったそうなんです。そこで、もうひとつの専用番号であり、形も似ている「れ」ナンバーを、新たに使い始めたということでした(ちなみに夏休み直前の今週は、新しいレンタカーへのナンバー割り振りがピークで、一日に数百台も登録されているとのこと。かなりの数ですね!)。
今回のアルファベットの導入は、沖縄のレンタカー事情にとっても、助かるという側面があるようです。
また、自動車ライターの萩原さんは、「ナンバープレートのルールは昔からあまり変わっておらず、そもそも不思議なルールも多いんです・・・」と話してくれました。
★ナンバープレートのルールにも問題あり?!
- 自動車ライター 萩原文博さん
- 「4つのひらがながありまして、「お」と「し」と「ん」と「へ」、この4つは使われない。存在しないんです。これにはルール・理由があって、「お」は「あ」と形が似ていて誤認されやすい。「し」は縁起が悪い。「ん」は発音しづらい。「へ」はオナラを連想するという理由。それで使ってない。オナラとクルマに何の関係があるのか、ぜんぜん納得できないです。」
でも・・・、「お」と「あ」が似ているという話ですが、「は」と「ほ」も似ているけど使われています。「ん」が発音しづらいといっても「を」ナンバーはあります。さらに「へ」が「おなら」という理由に至っては、誰もそんなこと気にしていないのでは?とも思いますが・・・。アルファベットを導入するのも大事ですが、それ以前におかしな点も多いと、萩原さんは話していました。