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CO2削減に向けて注目されるブルーカーボン!先行している横浜市の取り組みとは!?

COP25で温暖化対策が話し合われています。そうした中、注目されているのが海藻などにCO2を吸わせる「ブルーカーボン」の活用。12月9日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。


「ブルーカーボン」とは、海の中の海藻などが吸収するCO2(二酸化炭素)のこと。海藻などの海洋生物が増えれば、地球温暖化対策の有効な一手となるため、世界的にも注目されています。そうした中、「横浜ブルーカーボン事業」を進めている横浜市にお話を伺いました。横浜市・温暖化対策統括本部・プロジェクト推進課長の岡崎修司さんのお話です。

★「ブルーカーボン」で海から温暖化対策を

横浜市・温暖化対策統括本部・プロジェクト推進課長 岡崎修司さん
横浜ブルーカーボン事業とは、「ブルーカーボン」、「ブルーリソース」、「環境教育」の3つの総称。ブルーカーボンは海藻等によって吸収される炭素。ブルーリソースは船舶などの海洋エネルギーの活用や臨海部の低炭素化事業など。最後の環境教育は親しみやすい海づくりという事で企業や市民と連携して産学官でワカメなどの植え付けや収穫イベントを通じて環境啓発活動をする。
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森本毅郎スタンバイ!

「横浜ブルーカーボン」オフセットマーク

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海洋資源を活用した温暖化対策プロジェクト「横浜ブルーカーボン」

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横浜市 岡崎修司さん

「横浜ブルーカーボン事業」は2011年から始まっています。事業の一環として、八景島シーパラダイスの横にある「横浜・海の公園」に海藻のアマモを植え付け、CO2の吸収や削減に繋げるなど様々な取り組みを行っています。

★「自然にやさしいトライアスロン大会」を実現

さらに、市内で開催されるイベントなどとも連携して、イベント開催時に排出されるCO2の埋め合わせをしてもらう「カーボン・オフセット」という取り組みも広がっていました。その1つが市内で行われるトライアスロン大会。いったいどういった形で大会を通じてCO2の排出量の埋め合わせをするのか?横浜市体育協会・トライアスロン推進課の谷口郁美さんのお話。

横浜市体育協会・トライアスロン推進課 谷口郁美さん
トライアスロンで取り組んでいるのは、選手が会場まで移動するのに生じたCO2を金額に換算して、選手から環境協力金として頂いて寄付するという事を行っています。主に公共交通機関や車、飛行機での移動が対象。なぜ一律かと言うとトライアスロンは自然に近いスポーツなので環境意識を持ってもらうために協力委金をもらっている。
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トライアスロン推進課 谷口郁美さん

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地球環境に優しいトライアスロン(横浜トライアスロンHPより)

横浜市ではトライアスロンの世界大会と市民参加型の2つの大会が開催されています。この2つの大会参加者の移動の際に排出されるCO2を独自に算出して、大会参加者から環境協力金(一人数十円〜数百円程度)を一律でもらうと言うモノ。この取り組みは導入当初は任意で行っていましたが、両大会とも2016年の第7回大会からは一律で協力金を集めています。トライアスロンは海が無いと競技が成立しないため、海の環境に関する取り組みに参加者も納得しているようです。

★「完走わかめ」の配布で選手にも意識づけ

また、大会参加者に協力金への理解を得るための取り組みも行っていました。

横浜市体育協会・トライアスロン推進課 谷口郁美さん
今は地産地消とCO2削減と言う意味で、わかめの育成をしている所に寄付をして、そこで出来た横浜産ワカメを、トライアスロンの“完走”に掛けて“乾燥”させたわかめを選手に記念品として手渡している。さらに乾燥わかめの中に「選手の協賛金で出来たものですよ」と見える化して、選手にフィードバックして渡している。
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選手に配った「完走ワカメ」(横浜トライアスロンHPより)

横浜ブルーカーボン事業は、多くの人の賛同を得て根付いている取り組みでした。

★横浜のアマモがCO2を吸収

また、事業開始から8年余りがたった今年9月に入り、新しい動きも出て来ていました。横浜市の岡崎さんです。

横浜市・温暖化対策統括本部・プロジェクト推進課長 岡崎修司さん
横浜市の海の公園に生息してるアマモが吸収するCO2を、横浜市が認証する。それに対して購入意欲のある地元の企業がCO2クレジットを購入する。その事で自分達の活動で排出されるCO2の排出量を相殺させる。その資金を再び海の活動に戻して循環させる。日本初のブルーカーボン事業で、国内ではどこにも無い形です。
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アマモ(イメージ)

「CO2クレジット」という聞きなれない言葉が出てきましたが、これは、アマモが吸収したCO2を買うことができるというもの。それによって、自分が出すCO2の量を、アマモに代わりに吸収してもらったとみなして、相殺することができます。日本初のこの取り組み、横浜市では他の自治体に先行して横浜ブルーカーボン事業を進めていました。

★地域を超えた連携も期待されます

さらに、横浜市の取り組みは他の自治体からも注目を集めているようです。

横浜市・温暖化対策統括本部・プロジェクト推進課長 岡崎修司さん
お陰様で問い合わせも多く、どういったら出来るのかと言う質問も受けている。実は夏には『ブルーカーボン自治体連携会議』を開催して、他都市の人と意見交換した。ブルーカーボン事業を予算化しているのは横浜市だけで、可能性を感じている所や、海に面して海藻の収穫量がある所は積極的に問い合わせをしてくれていると思っている。

この会議には、福岡市や横須賀市などが参加したということで、今後多くの自治体で広がっていきそうです。

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田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!


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