ひところの暑さがおさまってきましたけど、もうしばらく私は夏っぽくビールと枝豆を楽しみたいなあと思ったりして・・・。そこで、今日は枝豆の話題です。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!8月27日(火)は、レポーターの近堂かおりが『復活!香りと甘みバツグンの【行田の枝豆】 』というテーマで取材をしました。
★在来枝豆~行田在来えだまめ~
関東は枝豆の生産量が全国でも多くて、埼玉県も毎年ベスト5に入るぐらい枝豆の生産が盛んなのですが、その埼玉県で、【在来枝豆】というものがじわじわと広がっているというので、お話をお聞きしました。埼玉県農林部生産振興課の山根賢登さんです。
- 山根賢登さん
- 「在来枝豆というのは、その地域で古くから作られてきた在来種のものになります。例えば【行田在来】、【妻沼在来】、【アオバタ】【赤豆】という品種があります。行田在来については、古くから行田の農村地帯の田んぼのあぜなどで作られておりまして、地域で消費されてきたんですけれども、昭和50年代くらいにはほとんど姿を消してしまっていました。この行田在来が、近年、その持っている特徴が高く評価されるようになりまして、県のほうで行田在来の種子の収集や保存を行っておりまして、行田市の農家さんや行田市役所と協力して生産量を増やして、市場出荷を進めているところです。」
昔からその地方だけで長年、栽培されてきたのが在来枝豆。全国のスーパーなどに広く流通しているものとは違って、独特の形や色や風味があるのが特徴です。埼玉県が長年にわたって調査した結果、埼玉には28種類の在来枝豆が残っていることが分かったんです。これは全国的にも多いそうです。埼玉県北部の行田市の農家の間で細々と作られていた【行田在来枝豆】。行田では主にお米が作られてきたんですが、田んぼのあぜに雑草が生えないように大豆(=枝豆)を植えていたそうです。だから地元の農家の方は【あぜ豆】って呼んでいたそうです。でも、倒れやすくて収穫しにくいということもあって栽培されなくなっていました。埼玉県や行田市と、農家の方が栽培に取り組んで、2009年に復活。それから少しずつ生産を増やして、商品化も広がってきた。
★ふっくらして甘くて香り高い、行田在来!
気になるのは、お味。どんな特徴があるのか、行田在来の復活に関わってきた方にお聞きしました。行田市役所の農政課長・村田清治さんのお話です。
- 村田清治さん
- 「行田在来は非常にふっくらとして甘みがあって、なおかつ、収穫期間がたった2週間ほどで終わってしまうという特徴がございます。普通たぶんお店の中で食べている枝豆というのはあまり香りを感じない。ただ、行田在来については本当に豆独特の香りが強く、甘みが強いというか、本当に茹でながら香ってますし。3分10秒湯がくんですよ。で、茹で上げて冷水につけて、青さを残して食べてですね、本当にビールのおつまみなんかに最高というふうに思っております。」
あ~おいしそうですね!!行田在来の収穫は普通の枝豆より遅くて、10月の初め頃。そしてたった2週間。レアな品種なんですね!ちなみに『3分10秒湯がく』と言っていたのは村田さんの個人的な好みです・・・。(でも、その10秒が大事です!と教えてくださったので、私ももし食べることがあったら、村田さんの言うとおりにしようと思っています!)それにしても、行田市役所の村田さんのお話を聞いていたら、ビールが飲みたくなっってしまった!
★まもなくビール大量消費の時期が来る!
そこで思い出したのが、今年はこれからビールが大量に飲まれるかもしれないという話。ラグビーのワールドカップが9月20日から日本で開催されますが、
ラグビーの強豪国はビールの消費量が多いのです。ニュージーランド、アイルランド、オーストラリアなどなど。そういう国からやってくるラグビーファンたちはかなりビールを飲むそう。ラグビーファンとビールの関係について、かつてラグビー日本代表として世界を遠征していた、関西ラグビー協会会長の坂田好弘さんに教えていただきました。
- 坂田好弘さん
- 「ラグビーのファンというのはビールが好きですね。ラグビーに付きものはビールだと言われてますので、セットです。本当にセットですね。試合の何日も前から町のバーとかに行くと、飲みながら、次の試合はどうだこうだと言いながら。会場でもビールを売りますので、それはもう並ではない量を彼らは飲みます。外国からサポーターが40万人以上来ると言われていますが、彼らは同じような楽しみ方をすると思うので、日本のラグビーファンは今まで知らないような世界のラグビー文化というものを知る機会かもわかりませんね。」
坂田さんは、日本人で初めて、国際ラグビーの殿堂入りを果たしたレジェンド!!そのレジェンドもびっくりするくらいよく飲むそうですよ。過去のラグビーワールドカップでは、会場周辺の飲食店でビールの品切れが続出したそうなんです。だから今回、大会組織委員会は日本のメーカーや飲食店に『ビールは切らさないで!』と注意を促すほど。しかも、長い大会期間中、あちこちの会場を回って応援するファンが多いので、その地域での飲食にも期待ができるといいます。
★それだけビールが飲まれるならば!
それだけビールが飲まれるなら、おつまみになる枝豆も当然たくさん食べられる。そして大会期間は9月20日から11月2日までと、まさに行田在来の収穫時期。しかも、行田のお隣の熊谷市に会場の一つがある。ワールドカップに向けての出荷などはあるのでしょうか?行田市役所の村田さんにそのあたりについても聞いてみました。
- 村田清治さん
- 「ラグビーを応援する方はビールをよく召し上がるというのは聞いております。聞いてるんだけど、なかなか大量生産できないものですから、そのワールドカップを目指しての出荷というのは今回は考えてなかったですね。」
直近で大きなイベントが来るので、ついつい私も興奮して聞いてしまいましたが、お話をうかがって納得。そもそも在来枝豆は大量生産が難しいんですものね!むしろ、あちこち大量に出回るより、行田に行かなければ、香りが強くて甘い行田在来枝豆を食べられないというほうが、魅力ですよね!熊谷に応援に来たラグビーファンのみなさんにはぜひ行田に寄って、行田在来を楽しんでいただきたい!しかも、埼玉県には行田を含めてあちこちに28種類も在来枝豆がありますから、枝豆めぐりツアーを企画をする、というのも楽しそう!それこそが地域の魅力、ということですよね!!