7月27日は「土用の丑の日」。丑の日には夏バテ防止にウナギを食べるのが定番となっていますが、ニホンウナギの稚魚のシラスウナギの漁獲量の減少が続いていて年々ウナギの値段が高くなっています。そこで最近は、ウナギ以外に楽しみが広がっているようです。7月25日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
街の方々に、「土用の丑」にウナギを食べるのか聞いてみました。
★高騰するウナギ、今年は食べる?
- ●「毎年お店に行って食べます。母がウナギが大好きなんで。」
- ●「食べる予定はあります。月曜日に行きます。丑の日は行列に並ばなきゃいけないんで。チョット高くなってる。」
- ●「明日食べます。買ってきて置いてある。国産らしい。」
- ●「個人的に好きじゃないので食べない。」
- ●「あれば食べるけど今シラスが少なくて高いでしょ。それまでして食べる事も無いしウナギ食べないと死ぬわけじゃない。」
やはり、食べる人・食べない人共に、ウナギの値段の高騰は実感があるようでした。
★大丸東京店は「土曜の牛の日」で勝負!
そうした中、「土用の丑の日」はウナギだけではない!と打ち出している所がありました。大丸東京で行われている「土用の丑の日フェア」について、大丸東京店・食品担当の太葉田大さんに聞きました。
- 大丸東京店・食品担当 太葉田大さん
- 「5〜6年前から、ウナギ以外にもスタミナを付けて貰うようなボリュームのあるガッツリな牛のお弁当を勧めています。ウナギが嫌いな人もいるので、ウナギ以外で精を付ける為に牛に力を入れている。近年は土曜日に土用の丑の日は無かったので、曜日も合っていて牛を勧めやすかった。今年はウナギと牛の入った“ハイブリット弁当”も用意しています。」

大丸東京店の「牛めしアンドうな重」

店内には、「土用の“丑”」のフラッグだけでなく…

「土用の“牛”」もアピールしていました
大丸東京店では数年前から「土用の丑の日には牛肉を」とPRしていたんですが、「丑=牛」とゴロが合うだけでなく、今年は日取りが土曜日なので、例年以上に牛肉弁当を押しているそうです。さらに、ウナギと牛肉の両方を味わえる“ハイブリット弁当”も10種類ほど登場していました。

とらやの「土用餅」
さらに最近ではコンビニなどで「土用餅」の販売も広がりを見せていて、老舗和菓子店の「とらや」では7月20日の「土用の入り」に合わせて、18日〜20日の3日間限定で「土用餅」が売られていました。
★「丑湯」で夏バテ対策
一方で、今年は食べ物以外の新たな試みも行われています。今年から都内にある銭湯約500軒で行われる試みですが、東京都浴場組合・副理事長の石田眞さんにお話を伺いました。
- 東京都浴場組合・副理事長 石田眞さん
- 「丑の日に合わせて「ももの葉湯」と言う事で、今年から都内の公衆浴場全部で行います。桃の葉のエキスが出て、夏バテ防止や疲労回復のための薬湯となっている。お湯に桃の葉を入れる事で、肌荒れに効果がある。夏バテ防止にウナギが流行っているが、薬湯も昔からあり、江戸時代から続いていた。平賀源内がやっていた事を調べ直してやろうと。」

東京都浴場組合の石田さんに、ももの葉湯を紹介していただきました
銭湯では5月には菖蒲湯、 10月10日の銭湯の日にはラベンダー湯、冬至には柚子湯が定着していますが、新たに土用の丑の日に薬湯に入る「丑湯(うしゆ)」を広めようと、今年から「ももの葉湯」と銘打った取り組みを都内全ての銭湯で始めることにしたそうです。
★銭湯に来てもらうきっかけ作り
ももの葉湯は、廃業が続く銭湯の苦しい状況を打破したいという思いもあっての取り組みのようです。
- 東京都浴場組合・副理事長 石田眞さん
- 「お風呂屋さんの価値や存在をお客さんが知らない。家庭風呂が増えてお風呂屋の中が怖いというので、外に看板を出して脱衣場や流し場の様子を貼り出したりもしている。来てもらうきっかけを作って知ってもらわないと良さが分からない。まず来てもらう。その時に催しをやってれば来やすいので、やって行こうと言う事で始めました。」
★ももの葉湯で汗を流そう
そして石田さんは更なる一手も考えていると、最後にこんな話を聞かせてくれました。
- 東京都浴場組合・副理事長 石田眞さん
- 「毎年やって行こうと思っている。ラベンダー、柚子、菖蒲と同じような催しにしたい。あとボンタン湯と言うのも300軒くらいでやったが、全体的にやるというのも考えている。1回でも入れば良さが分かるので、待っているだけでなくアピールしていきたい。」
土用の丑の日はウナギに限らず、食やお風呂など多様な過ごし方が出てきました。今年はどんな方法で、夏の暑さを乗り切りますか?

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!