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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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ミニシアターが人気!座席を減らし、作品も多様化

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去年から今年にかけて、新しいタイプの「ミニシアター」が続々とオープンしています。6/28(金)も、東京都立川市の髙島屋の中に、「キノシネマ立川高島屋S.C.館」がオープンということで、このミニシアターについて、7月4日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

 

ミニシアターが人気!座席を減らし、作品も多様化http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190704073250

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★ミニシアターはゆったり見られる!?

「キノシネマ立川高島屋S.C.館」はどんな点が新しいのか?支配人の泉多英さんに聞きました。

支配人 泉多英さん
スクリーン数は3つ。座席数が87席、87席、25席。3シアター目にあるプラチナプレミアムシートは、700円を鑑賞料にプラスすると、自動のリクライニングボタンがついているので、それを押して頂くと自動でフットレストも上がり、後ろに倒すこともできるので家でゆっくり映画を見るイメージになっております。普通の席より場所もとるというのもあり、設置できる数に限りもありますが、少し少ない感じにすることでより映画をどっぷり見て頂ける雰囲気になっています。

この700円の追加料金で座れる「プラチナ・プレミアムムシート」は、座席がふかふかで、リクライニングもできて、フットレストまでついていて、追加料金なしの席も含めると、一部屋に25席でゆったりした作りになっています。まるで、自宅で友達とゆったり映画を見る感覚を味わえるということです。

実は他のミニシアターでも、座席数を減らして少人数で見られる、いわば「ミニミニシアター」が増えていて、去年12月、吉祥寺パルコの地下2階にオープンした「アップリンク吉祥寺」は、5つのスクリーンで一番小さいのが29席。それから、京都で今年の夏リニューアルオープン予定の「京都みなみ会館」は、もともとスクリーンが1つだったところ3つに増やし、そのうち1つが30席となるそうです。

★合理的な理由とは

なぜ、極端に席数の少ない映画館が増えているのか?「アップリンク」の代表、浅井隆さんに聞いたところ、ゆったりみられる以外にも合理的な理由があるということです。

アップリンク代表 浅井隆さん
実は渋谷でアップリンク渋谷という映画館を10年以上運営していて、そこは小さい所は41席、ただ40席近くを渋谷で平日満席にするって簡単そうだけど実は難しい。ターミナルの渋谷でさえ難しいのに吉祥寺で40集められるか、なかなか難しい。あと、吉祥寺は一番大きい所が98席で、その次に60席台、50席台とあって最後が29席なんだけど、一週目は98席満席になるけど、8週位ロングランしてる時にまだ29人はお客さんがいるというんだったら29席のスクリーン5番で上映すればいい。それがあったほうが編成しやすいという理由からも29席を作りました。


昨日アップリンク吉祥寺に行ってみたのですが、公開されたばかりの話題作は一番大きいスクリーンで満席。一方で、公開から1か月ほど経った作品も、29席のスクリーンでそこそこのお客さんが入っていて、うまくお客さんが入っているなと感じました。

ところで、このアップリンク吉祥寺は5つのスクリーンがあるのですが、ミニシアターにしては多いと思いませんか?このスクリーン数の多さにも、今の映画界をとりまく状況が反映されているということなんです。浅井隆さんに詳しいお話を聞きました。

★ミニシアターコンプレックス

アップリンク代表 浅井隆さん
お客さんがすごく多様化してる。今や映画の業界紙はインターネットでも誰でも購読できるし。そういう時代に映画の配給会社であり映画館って、どういうものがお客さんに望まれてるのか。昔のミニシアターって、映画館の支配人が「これは」というこだわりの映画を選んでいた。アップリンクももちろんこだわった映画の編成をするんだけど、アップリンクで言えば「ミニシアター・コンプレックス」と名付けてるんですけど、メジャーな作品も上映するし、若い人達が作ったインディーズの映画も上映する。お客さんに選んでもらおうというプラットフォームを作るっていうことが大事かなと思ってます。

従来のミニシアターは、浅井さんの言うように1つのスクリーンでこだわりの作品をロングラン上映するという場所でした。

ですが今は映画通の方の情報量も多様化しているので、シネマ・コンプレックスまではいかないけれど、スクリーン数を多くし、メジャーからインディーズまで様々な映画を上映する「ミニシアター・コンプレックス」が時代的に合っていると浅井さんは考え、他のミニシアターでも同様の動きが起きているということなんです。

アップリンクでは渋谷と吉祥寺あわせて年間700本ペースで映画を上映しているということですから、従来のミニシアターのイメージとは大分違いますよね。

そして、さらにアップリンク吉祥寺では、今の時代ならではの新しい試みもしているということです。再び浅井さんのお話です。

★ネットと劇場はライバルではない!

アップリンク代表 浅井隆さん
この間Netflixで見れる、キュアロン監督の「ROMA/ローマ」という、アカデミー賞監督賞を受賞した映画を、アップリンク吉祥寺で上映した。当然オンデマンドで見ようと思えば見れる。でも映画館に来てくださって、ヒットした。「これもう一回映画館でちゃんとした音響、大きなスクリーンで見たいな」と思えば映画館に足を運ぶ、というのは実際そうだったので。ネットと映画館がライバルであるわけではなく、映画好きにとってはどちらも映画を見る場所、だと思います。

動画配信サービス発の映画だけど、劇場のいいスピーカー、大きいスクリーンで見られるところにニーズがあり、多くのお客さんが集まったそうです。


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