スマホで簡単にできる、病気やケガの「救急相談」について、5月13日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
自宅などで急な病気やケガをした際に、救急車を呼ぶかどうか迷った時には、「#7119」に電話をすると、看護師さんなどが相談に乗ってくれるサービスがあります。そんな中、スマホで簡単に救急相談できるサービスが各地で広がりを見せています。まずは、埼玉県が先月から始めたサービスについて、埼玉県医療整備課の細田耕一さんに聞きました。
★埼玉 AIで救急相談
- 埼玉県・医療整備課 細田耕一さん
- 「今回始めた埼玉県「AI救急相談」は、利用者がチャットボットに症状を入力すると、AIが108種類ある症状から可能性のある候補を案内する形になっている。簡単に言うと、「頭が痛い」と入力すると、熱中症や頭痛などの症状の候補を出す。利用者が症状を選択すると、緊急度判定で直ぐに救急車を呼ぶなどのアドバイスをする。」
4月19日から試験的に運用が始まった、埼玉県民向けのサービス。埼玉県内の医師会や看護協会、救急医さん達の協力のもと始まったサービスですが、AIを活用した救急相談は全国の自治体では初めてということです。スマホやパソコンなどで利用が可能で、「熱がある」「お腹が痛い」などの症状を入力すると、「今すぐ救急車を呼びましょう」「現時点では医療機関に行く必要はないでしょう」などのアドバイスがもらえます。
▼埼玉県「AI救急相談」はこちら
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0703/aikyukyu.html
★7月中旬に本格運用
埼玉県でも勿論、「#7119」による電話相談もありますが、先月からこのサービスを利用した理由について、細田さんに聞きました。
- 埼玉県・医療整備課 細田耕一さん
- 「電話相談も夕方や夜間は病院が閉まる事もあり、繋がりにくいとの意見もあった。実際に県民の人に使ってもらうタイミングを考えた時に、今回の10連休中は、特に突然の体調変化などで相談できる医療機関が休みだったりするので、連休前に運用を開始した。」
今回はあくまでも試験運用。今月末に運用を一時ストップし、改良を加えた上で7月中旬に本格運用を始める予定ということです。埼玉県に住んでいる人や県内で働いている人は覚えておいた方が良いかもしれません。
★東京消防庁は、アプリで救急相談
一方で、東京消防庁が先週木曜から、都民向けに救急や災害情報を提供する「東京消防庁・公式アプリ」の運用を始めたという事です。はどんなアプリなのか、東京消防庁の歌代翼さんのお話です。
- 東京消防庁 歌代翼さん
- 「まず、緊急ツールとして「119番」をワンタッチで掛けられる機能を搭載。あとは「119番」と同じページに「#7119」と東京版救急受診ガイドのリンクも貼った。また、消防に関する防災クイズは、小学生向けから大人向け、消防マニアの方が解くようなレベル分けをしていて、レベルに合わせて学習してもらう。」
他にも、消防イベントの情報や、消防施設の場所がわかるMAPも掲載されていたりと、盛りだくさんのコンテンツとなっています。
★胸骨圧迫のテンポ音が聞ける
また、このアプリには、もしもの時に役立つ機能も備わっています。
- 東京消防庁 歌代翼さん
- 「この中の機能に、「胸骨圧迫」の心肺蘇生のテンポ音を、救急サポートとして付けている。倒れている方がいて心臓が止まっているという場合は、この音に合わせて同じテンポでリズムが取れる。」
専門的には「胸骨圧迫」と言いますが、いわゆる心臓マッサージのやり方を動画で見る事が出来ます。運転免許を取る際に教習所で習いますが、一生に一度あるかないかの事態に実際に直面したとき、パニックになりかねません。そんな時に、このアプリの動画を真似しながら胸骨圧迫することで、落ち着いて動作できます。しかも、動画の中ではAEDの使い方も説明するなど、もしもの時を想定したこだわりです。
★もしもの時の備えとして
東京消防庁の細田さんは、今後の展望についてこんな話を聞かせてくれました。
- 埼玉県・医療整備課 細田耕一さん
- 「今はリリースして1日しか経ってないが、利用者から色々と話をもらって。色々なユーザーが色々な使い方をするので、上手く拾ってニーズの高い所から今後、ブラッシュアップしていきたい。」
もしもの時の備えとして、スマホにダウンロードしておくのも良いかもしれません。