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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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問題だらけ!企業の情報システムの改元対応

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新元号が公表される4月1日まであと僅か。そんな中、「改元対応」に揺れるプログラミング業界について、3月11日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

問題だらけ!企業の情報システムの改元対応http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20190311073357

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

先週3月4日(月)、日本マイクロソフトが「新元号公表までにやってほしいこと」という特設サイトをオープンさせました。サイトには、

  • 最新の更新プログラムをインストールしておく
  • 和暦が使われている可能性のあるプログラミングをチェックしておく

などの注意点が書かれています。

例えば会社の大事な書類で「西暦」ではなく「和暦」を使っている場合、もし問題が起これば、新元号がちゃんと表示されなかったり、平成のまま表示される可能性があります。

実は今、こうしたコンピューターシステムに関する「改元対応」が、企業の間で問題となっています。この問題を取材している、週刊BCNの日高彰記者のお話です。

★問題1「設計図問題」

週刊BCN・記者 日高彰さん
家でいうところの図面である「仕様書」が正しく残っていれば、それを見て書き換えることができるが、古いシステムだと残っていなかったり、改修したのに設計図が変わっていない場合がある。そうなると、巨大なシステムの中で、年号に関する処理がどこで行われているのか把握できない。書き換え作業自体は簡単でも、その箇所を調査して動作チェックするという、書き換えの前後にかかる手間がすごくかかるのが「改元対応」の一番の問題。
森本毅郎スタンバイ!

週刊BCN 日高彰さん。情報システム業界に精通しています

森本毅郎スタンバイ!

会社のシステムの「仕様書」、正しいですか?

社会全体には何億というコンピュータシステムがあると言われています。そのひとつひとつに設計図があるはずで、それがないと、元号に関する処理をどの部分でやっているのか、どこを変えるべきなのかがわからなくなってしまう、という問題。

この業界では設計図が最新版になっていないことが多々あるそうなので、今回マイクロソフトが出した「プログラミングをきちんとチェックしましょう」という案内は、実は切実なお願いだったんです。

★問題2「昭和100年問題」

続いて、改元対応の問題点の2つ目「昭和100年問題」について。再び週刊BCNの日高さんのお話。

週刊BCN・記者 日高彰さん
古いシステムの中には、いまだに昭和でカウントしているシステムも存在している(現在は昭和94年)。昭和で数えると間も無く「昭和100年」を迎えて3ケタになり、そうすると「昭和1年」に戻ってしまう可能性がある。これは「昭和100年問題」と言われていて、このシステムが残っているという話はあちらこちらで聞きます。
森本毅郎スタンバイ!

2025年に訪れる「昭和100年問題」

前回の改元でシステム変更を行った会社の中には、画面上の表示が「平成31年」だとしても、内部では「昭和94年」とプログラミングされている場合があるそう。それが「昭和100年(2025年)」になると正しく処理できず、表示がおかしくなる危険性をはらんでいるんです。

実はこれ、業界では“あるある話”で、昭和で計算していたものを今回新元号に変えると、さらに手間と時間がかかってしまいます。

★問題3「元年問題」

さらに、比較的新しい会社に起こる問題としてあがっているのが、改元対応の問題点の3つ目「元年問題」です。

週刊BCN・記者 日高彰さん
「1」の時だけ、数字ではなく元年の「元」に置き変えなくてはいけない。この先何十年は必要ないが、1年目だけ、“数字”を“漢字”に変換する処理が必要になる。当然、平成元年のときに想定していれば入れ替えるだけでOKだが、平成2年以降に作られた会社で「元年」表記が想定されていない場合、結構手間だと思います。

公文書の中には、「1年」ではなく「元年」と表記するものもあります。平成元年を経験していない企業は、「元年」と表記するプログラミングになっていないかもしれない。そうなるとまた、手間と時間がかかってしまいます。

★ギリギリセーフ?!まだの会社は急いでチェック!

なにやら問題だらけに聞こえますが、実際どのくらいの企業が、すでに事前チェックを始めているのか。「改元検証サービス」を行っている、バルテス株式会社の小林広次さんに状況を聞きました。

バルテス株式会社 小林広次さん
システムで元号を使っているところは多いので、4月1日に発表されてから5月1日になるまでに修正・テスト・確認をする。その支援をするのが「改元検証サービス」。切り替わる日はわかっているので、事前にどのくらいの影響があってどのくらい修正が必要なのか、構えておくのが大事。大手の会社はもう準備している印象だが、影響があるかどうかわからないような小さなシステムを使っている会社さんは、準備があまりできていないと思う。
森本毅郎スタンバイ!

「改元検証サービス」(バルテス株式会社ホームページより)

森本毅郎スタンバイ!

「高負荷待ったなしの改元対応におけるシステム改修」(バルテス株式会社ホームページより)

規模にもよりますが、テストには1ヶ月はみてほしいそうで、「できればもう3ヶ月前に、この話を放送で扱って欲しかった」と言われるほど今がギリギリのタイミングだそうです。

★10月に迫る消費税増税「軽減税率」がネック

大きな改変期が迫っているプログラミング業界ですが、今年の山場は、改元だけではないようです…。

バルテス株式会社 小林広次さん
今年、10月1日に消費税増税が予定されているので、そこでのシステムの確認が大変なことになると思っています。8%から10%になるだけだったら対応はできていたが、「軽減税率」があることが非常に問題で、各企業慌てて対応している。特に今はネットで買い物する時代で、影響範囲は広いと思います。

新元号を乗り越えた先には、消費税増税というビッグイベントも待っています。しかも、今回は8%と10%が混在する「軽減税率」も関わってくるということで、今年プログラミング業界は落ち着く暇がなさそうです。

田中ひとみ

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!


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