景気拡大の長さが戦後最長になる可能性が高いと、昨日、茂木経済再生大臣が示しました。6年1か月の【いざなみ景気】に並ぶそうですが、あんまり実感はありませんよね。先日は、4年9か月続いた【いざなぎ景気】を上回ったことが認定されていました・・・。そんなに景気が良いなら【バブル】の時と同じように浮かれている雰囲気がもっとあってもいいですよね。クリスマスも近いし!そこで・・・。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」、12月21日(金)は、金曜日恒例のサラリーマンの声。レポーターの近堂かおりが、『バブル期の雰囲気をMAX100とするなら、今は何パーセント?』というテーマで、街でみなさんに伺いました!
★バブル期と比べて、60~70%
- ●「6・70。盛り上がってはいるけど、使うお金の額も違うし、朝まで遊んでいたのが夜電車で帰るとか、そういう違いがある感じはする。」
- ●「60%くらい。でも全然静か。イルミネーションもスゴイ少ない。皆、頭に三角帽子、色んな所に飲みに行って、そういうのをかぶって歩いていたね、私もその内だったけど、今は普段と変わらないね。」
- ●「7割。今、銀座の方に行って来たらそんな感じはあるなって、ただ外国の人ばっかりですよね。にぎわいはまだあると思う。40年位前は三愛の前で女の子と待ち合わせしたんですけど、有名な店を2軒くらい回った。あの頃はフレンチというより最初はイタリアン。結構、若いのに良い所に行きましたよ。今はもうキュウキュウ言いながら、居酒屋ばっかりだしね。」
バブル期と比べて、60~70%と言うみなさん。意外とありますよね。さすがに今の時期、街の中がシーンとしているわけではないですし、人出があるので賑わいは感じるようです。外国人観光客も一役買っているようでした。ただ、バブルの頃に比べ、ゴージャス感は減っている。有名イタリアンに行っていたのが居酒屋に。それでも、今の景気を多少なりとも実感している方々でした。
★30~45%。浮かれてる場合じゃない!
一方、こういう声もありました。
- ●「30くらい。お財布の具合とかもそうだし、街のデコレーションもそうだし、人達の気持ちの問題じゃないですか。パッと行こうなんていうそんな気がない、今の人たちは。」
- ●「30くらい。ちょうど僕が就職した頃で皆浮かれていた。華やかであり、服装とかも、みんな今暗い色が多いけど、明るかった。今はみんな若い子も現実的で、実際、企業もいつ倒産するか分からないし、いつ合併とかなるか分からない時代ですからなかなか、とりあえずちょっと貯金しておこうという発想になるのはムリもないと思う。」
- ●「45くらい。全然、テレビで言う景気と全然違いますもんね。かなり政府なんかが広報使って言ってる数字と現実、我々サラリーマンの世代は全く違うと思う。目先の仕事が一番大事なんじゃないですか。」
浮かれている場合じゃない、というのが心情ですよね。現実は景気が上向いてる実感もなければ、先行きも心配なんです!
★今は【作った楽しさ】!?
そんな中、こんな声がありました。
- ●「半分くらい。世間がそういう感じするよね。だから、かつての皆が楽しむ時は本当に楽しんでいた、本当に自分を楽しむ感じ。でも今は作ってる楽しみ、みたいな感じするでしょ?だから、景気がね、非常に長い好景気だったって言うけど、実感としてサラリーマンはそういったことを味わってないわけだし、昔は実感としてそういった裕福さというか、経済的な裕福さもあったので,お金を使って楽しめたと思うんだけども、今は、裕福さというか実感があまり湧いてこない中での、楽しみをこういう風にやっているので、何か今ひとつパッと出来ないというか、昔は本当に飲むぞと言ったら、8割9割が楽しんで飲みに行ったわけ、だから思う存分楽しく過ごすわけ。でも今は、作った楽しさみたいになっているから、実感的にそういう風に思う。」
【作った楽しみ】なかなか説得力あります。『忘年会のシーズンだ!やろう!やろう!』ではなく、『忘年会誘われちゃった、仕方ない、付き合いで行くか』というのが作った楽しみ。そんな心境では浮かれないですよね。
★バブルが弾けて8か月仕事なし!
最後に、こういう声がありました。
- ●「僕もバブル時代はちゃんと社会人で働いていましたけど、あまりバブルの経験がないんですよ。真面目に働いてたから、普通に忙しくて普通に仕事していたくらい。よっぽど忙しかったんだね、昔。その時代は徹夜当たり前みたいな仕事だったから。いっぱいあったというよりも納期に迫られて。ところが、若かったからバブルもよく分からなかったし、仕事来るでしょ?自分ツラくなるから、もうこれ以上受けませんって蹴っていた時代。これ以上受けたら死んじゃいます、みたいな状態だったから、可哀想なバブル。それが突然弾けるでしょ、翌年。仕事が急になくなった。何で今まで断っていたんだろう?あの時のあの仕事さえとっておけば、みたいな、そんな時もありましたよ。8か月仕事なかったもんね、弾けた後。僕は会社が潰れると思った、世の中、本当にパッタリと仕事がなくなったから。今は微妙なところだね。仕事があるようなないような、すごく微妙。景気が良いって思えるような反面、そんなに良くないぞ、みたいなね。」
改めて、バブルって怖いですね。こちらのお父さん、当時24~5歳で、情報処理系の会社を経営していたのですが、バブルが弾ける前は仕事仕事仕事で、浮かれる暇なし。弾けた後は、8か月仕事がなく、なんとかお金を作って社員たちにお給料を払っていたそうです。そんな百戦錬磨の戦士が今の時代は微妙、と。景気が良い業種もあれば、そうでもない業種も。【微妙】という言葉がピッタリ。
しかし、これはバブルを経験して、教訓を得たとも言えます。【バブル崩壊】がありましたからね。バブルは弾けるんだ!と学んだあとでは、浮かれることはなくなるのかもしれませんね。それにしても戦後最長の景気拡大・・・ちょっとは実感したいですね。

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。