最近スマートフォンやノートバソコンなどに使われているリチウム電池が発火して家事になるケースが相次いでいるということで、東京消防庁が注意を呼びかけています。東京では去年(2017年)までの5年間で168件の火災が発生。41人がケガをしているそうなのです。そこで・・・。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!11月6日(火)は、レポーターの近堂かおりが『スマホ用モバイルバッテリーの発火にご注意!』をテーマに取材をしてきました!
★どういうケースで発火するのか?
特に注意したいのがスマホ。どういうケースで発火するのか詳しい方にお聞きしました。ITジャーナリストの三上洋さんのお話です。
- 三上洋さん
- 「リチウムイオン電池というのはパッケージの中で化学反応を起こすことで電気を作っているものです。化学反応をするものをずっと持ち歩いているというイメージです。ですので熱がこもりやすい場所で使ったり衝撃を与えると爆発が起きてもおかしくはない状況なんです。例えばおしりのポケットに入れておいて勢いよく座ったり、また物を上から落とした衝撃で爆発してしまう場合があります。それから熱の問題。充電しながら使っていて、さらにそこに熱を与えるような要素がある場合に危険です。例えば充電しながら車のダッシュボードに置くとかストーブのそばで充電するとか布団のような熱が逃げない場所で充電する。これは熱くなって爆発の危険性があります。」
実際、東京・江戸川区の男性が、階段で尻もちをついたときにズボンの後ろポケットに入れていたスマホのバッテリーが破損して、炎が上がってやけどを負ってしまったということが2015年にあったそうです。無意識に発火の危険性の高い使い方をしていることも考えられます。改めて意識したいですね!
★モバイルバッテリーも要注意!
そして実は、スマホ本体を充電する充電池=モバイルバッテリーが火災になることが最も多いそうなのです。最近はバッテリー本体が小型化する一方で、バッテリーの容量は大きくなっています。発火のリスクは高まっていると考えた方がいいと先ほどの三上さんは言います。
きのう都内でお聞きしたら9割近くの方がスマホと一緒にモバイルバッテリーも持ち歩いていました。それもスマホ1回分という容量の小さいものではないんです。
そこでお聞きしました。みなさんがお持ちのモバイルバッテリーはフル充電で何回分使えますか?
- ●「2回分です。充電の減りがすごく早いので、いま毎日使ってます。」
- ●「2回ぐらい使えたほうがいいのかなと思ってそれにしました。またそろそろ使わなきゃと思っているのでちょうどいいですかね。」
- ●「3回ぐらいだと思います。容量がでかいやつですかね。メーカーにはこだわらず。」
- ●「4回分と1回分とどっちも持ってます。出張にいったりすることもあるので、あとケータイだけじゃなくてブルートゥースのイヤホンに使ったり、いろいろ充電できるので使ってます。ほかの人も充電がなくなったりするので貸してあげたりできるから容量が大きいのを持っています。」
しかも、こうした大容量のモバイルバッテリーを1個だけじゃなくて、いくつも持ち歩くことも結構あるようなんです。
- ●「いくつも持ってます。3~4個ぐらい。行く用途に合わせて(容量が)小さいのもあればもうちょっと大きいのもあるんですけど。旅行とか行ったときに2~3個持ってないと不安なので、追加して買ったの。」
- ●「昔のiiPhone使っていてすぐに減っちゃうから、ディズニーランドとか行くときは800%と400%を2個持ちして1200%で行って帰るときはなくなるぐらいです。100%12回分。」
若い子ですと友だちとディズニーランドなどに行ったときに何百枚も写真を撮ったり、動画を撮影したりするそうなんですが、スマホが古いので電池がすぐなくなってしまう。そこで容量の大きなモバイルバッテリーを複数個、バッグに詰めて持っていくそうです。
まあ、ここまでいかなくても、充電3回分と1回分のバッテリー2個持っているという人は結構いました。
★モバイルバッテリーを選ぶときの注意!
ただし、ここで注意したいのが、使い方が悪くて劣化したバッテリー。長年使っていると中のバッテリーが劣化していってだんだん膨らんでくる場合があるんです。そういう状況があったらかなり危険ですので使用を中止した方がいい。
それと、海外製の粗悪なバッテリーにも注意。ITジャーナリストの三上さんによると安くなるのはいいことなんですが、大量生産の中でチェックが甘くて粗悪品が混じっているということがあるそうです。ですので安すぎる製品、無名メーカーの輸入品は避けるべきです。お店で購入するときに相談してみるといいと思います。
最近のリチウム電池の発火事故を受けて、経済産業省では今年2月に、モバイルバッテリーの規制を始めました。PSE法という法律で、事前にテストして安全だと認められたものだけが販売できるという法律です。商品のパッケージに「PSE」という表示があるので確かめられます。
ただしそれでも万全というわけではありません。三上洋さんのお話です。
- 三上洋さん
- 「国内の販売店で売っているものについてはPSEが付いているかで判断できます。ただ、ショッピングサイトなどでは輸入品を販売しています。日本のPSEをクリアしているか分からない製品が出てきてしまいます。バッテリーを購入する前にPSEをクリアしているかどうか確認してから購入してください。」
PSE法は、いまは1年間の猶予期間。来年2月から必須になるので確認してください。普段何気なく使っているスマホやバッテリーも危険性があるということを忘れずに!!

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。