今日は家庭用の石けんのお話。ボディソープや液体洗剤などが主流となっている中で、巷では固形石鹸の人気がじわじわ復活しているというのです。そこで・・・。
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!10月31日(水)は、レポーターの近堂かおりが『ジワジワきてます固形石鹸ブーム!』をテーマに取材をしてきました!
★固形石鹸売り場、大盛況!
実際に売れているのかどうか、株式会社ロフト広報の田中寛子さんにお話を伺いました。
- 田中寛子さん
- 「ここ最近1、2ヶ月くらいで若い女性の方が固形石鹸の売り場の前に多くなってますね。実感としてはすごくあります。固形石鹸というのは半年前から2割くらいは売り上げが上がってますね。お尻専用とか、二の腕専用とか、ニキビを防ぐものとか、部分専用石鹸は石鹸自体の全体からしたら2割くらいですね。普通の固形石鹸は全体で80種類くらいあるので、種類は増えました。今ボディーソープとかリキッドタイプのものは増えていますが、昔ながらの良さがありますし、敏感肌の方は固形石鹸の方が好かれてるのかなと思いますね。ここにきて固形は人気になってきてるかなと肌感覚で思いますし、売り上げを見てても思いますね。」
実際に昨日、渋谷のロフトの店頭に行ってみると・・・ものすごい種類の固形石けんが、棚いっぱいに並んでいて驚きました。そして女の子たちが棚の前で石けんを選んでいました!実際に売り上げも増えていますし、種類も増えている。確かに固形石鹸人気!なのですね。田中さんによると、固形石けんを買いに来るのは、口コミで知ったお客さんが殆どで、おしり専用石鹸の【恋するおしり】が流行った際には、レジに並ぶ女性の殆どがこの石けんを持っていたそうですよ!!
★赤箱女子、急増中!
そんな固形石けんの中でも特に売れているのが、あの懐かしの牛乳石鹸だそうで、牛乳石鹸共進社株式会社マーケティング部の道喜久純さんに聞いてみました。
- 道喜久純さん
- 「牛乳石鹸は社名でございます。商品名としては【カウブランドの赤箱】【カウブランドの青箱】ですね。それがお客様におなじみのものです。赤箱の方が口コミサイトで2015年にベスト洗顔料1位に選ばれて、そこから火がついて売れ行きも上昇していますね。プチプラコスメでコスパが良くて、パッケージも【レトロかわいい】ということで、話題が沸騰したということもあるかもしれませんね。最初の方は全くプロモーションをかけていなかったんですけど、今年で90年を迎えましたので、赤箱が。洗顔を使用している方に弊社としては【赤箱女子】と命名しまして、SNSや口コミが若い子たちにコメントとしても上がってますので、一部の女性たちが見つけてくれた赤箱を洗顔に使うという価値を顕在化するプロモーションを実施して参りました。」
♪~牛乳石鹸、よい石鹸、というおなじみのフレーズで有名な固形石けん。
赤い箱と青い箱の商品。若い女性を中心に今ものすごく人気があるそうなんです。まずお話を聞いて驚いたのが、牛乳石鹸というのは社名で、正式な商品名は【カウブランド・赤箱】【カウブランド・青箱】。赤箱は1個100グラムの100円で、しっとりタイプ。青箱は1個85グラムで80円、さっぱりタイプ。関東は青箱で、関西は赤箱が主流とのことでした。そして、この赤箱の方が若い女性を中心に洗顔で使うとお肌の調子が良いということで人気。しかもプチプラ(=プチプライス)つまり手軽な値段も魅力!そして、パッケージがレトロ可愛い!と、写真を撮ってインスタグラムなどにアップして流行していました。それをビジネスチャンスとみた牛乳石鹸がこれを【赤箱女子】と命名。名前が付いたことで、ますます広がりを見せているのです。
★ウタマロせっけんも人気です!
ところが固形石けんが人気なのは、からだ用だけではないのです!株式会社東邦・社長の西本武司さんのお話です。
- 西本武司さん
- 「ウタマロ石けんというのは洗濯用の固形石鹸で、普段の洗濯では落ちにくいガンコな汚れを落とす部分洗い用の石けんとなってます。発売は1957年でして、実に61年前に発売された商品で、2000年くらいまで売り上げが右肩下がりで、弊社としましても、いつか廃盤にしないといけない商品ナンバーワン候補だったんですね。それが驚くことに2000年を超えたぐらいから売り上げが回復してきたんですね。弊社としては不思議に思っていたんですが、調べていくと全体洗いとしてのニーズは下がっていたんですけども、部分洗いとしてウタマロせっけんを使ったらすごい使えるという口コミが2000年代ぐらいから増えてきたんですね。恥ずかしい話で(部分洗いにいい、ということに)全く気づいてなかったんですね。お客様の声から気付かせて頂いたというのがあります。」
こちらのウタマロ石けんは発売から61年を迎える商品。
発売された1957年(昭和32年)は、洗濯板を使って、手洗いで洗濯していた時代。そのころに大ヒットしたウタマロせっけんでしたが、洗濯機の普及と共に売り上げは急降下。依頼ずっと右肩下がりでした。そこで、ついに、廃盤にしようとしたところ、『ウタマロをなくさないで欲しい!』とお客さんからの電話が殺到。頑固な汚れを落とせるというので、実はひっそりと少年野球のチームや、日本舞踊をなさる方の足袋洗いなどで重宝されていた。地味に売れていたのです!!社員のみなさんも気づいてなかった、全体洗いより部分洗い、という特徴を社員がお客さんから教えられたのです!そこから売り方を変えて今では10年前と比べて売り上げは6倍以上、年間1200万個売れる商品に。
★地道に、配り続けて10年です!
では、今の売り上げまで復活するためにどのような方法をとったのか。西本社長のお話です。
- 西本武司さん
- 「いろんな頑固な汚れに悩んでいる方がウタマロ石けんを愛用しているということがわかって、もっと多くの方々に広めていければということで、サンプルをいろんな方々にお配りして、駄目元で使っていただくということを10年ほど前にやりだして、ちょっとずつサンプルを増やしていってます。例えば小さいお子さんをお持ちの主婦の方に向けて、そういったママが集まるイベントで配ったりとか、あと幼稚園、野球チーム、サッカーチーム、ラグビーですとか、いろんな泥汚れがつくと思われるスポーツをしているお子さんを持つ親御さんとかに配っています。弊社の場合はもう配り続けて10年になりまして、ひたすら同じ商品を配り続けているというのは結構まれなケースかなと思いますね。」
赤箱は「若い女性×SNS」、一方でウタマロ石けんは「主婦×試供品」と対照的な戦略ですが、共通点は両者とも口コミで人気を広げた、ということですね!改めて口コミの威力も感じた取材でした。いずれにしても、固形石けんブームはまだまだ続きそうですね。