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Channel: 現場にアタック – TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~
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「ポマード」がウン十年ぶりに人気復活

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今日は男性の整髪料の話題。昔なつかしい【ポマード】が、ウン十年の時を越えて人気復活していた! という話。かつては七・三分けのサラリーマンの必需品。50歳前後の方なら、家でお父さんが使っていたあの独特の香りを憶えているでしょう。それがなぜか今、復活しているというのです。そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!9月25日(火)は、レポーターの近堂かおりが『ポマードがウン十年ぶりに人気復活』をテーマに調べてきました。

「ポマード」がウン十年ぶりに人気復活http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20180925073219

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

★バーバーヘア人気で、ポマード人気に!!

なぜポマードが復活したのでしょうか?株式会社マンダムの広報、奥 啓輔さんに聞きました。

奥 啓輔さん
「いま流行っている髪型として【バーバーヘア】というものがあるんですけど、サイドを短く刈り上げて、髪の毛はツヤ感を出してサイドに流す感じです。東南アジア全体でこの髪型が流行り出していて、いちばん大きな影響が欧米のサッカー選手のヘアスタイル。やっぱりアジアの方々ってヨーロッパのサッカーが大好きのようで。ポマード自体は1950年代ぐらいまでは主流だったんですけど、同じようにクラシックなヘアスタイルがトレンドになって、こういった商品がまた売れるようになってきたということだと思います。」

今年ロシアで行われたサッカー・ワールドカップを思い出してください。サイドを刈り上げて、前髪を【七・三】や【オールバック】にした選手が結構いたでしょ。(ポルトガルのロナウド選手とか、日本では槙野選手や吉田選手)世界的に流行しているのです。

そして東南アジアではこの髪型を整えるのにポマードがいいということで大ブレイク。でも、なぜ東南アジアで??というと、実はマンダムは1987年以来ずっとインドネシアでポマードの生産・販売を地道に続けていて、向こうのおじさんの定番商品になっていました。

それが2013年、インターネットで【ポマード】の検索件数が急増。『バーバースタイルをマネしたい若い男性が新しいポマードを探しているのでは?』ということで、2014年に若者向けのポマードを開発して発売すると大ヒット!その後、中国でもポマードの販売を始め、さらにインド、タイ、ミャンマー、カンボジアと拡大したそうです。

そしてついに捲土重来! 日本でも新しくなったポマードがブレイクの兆し。今までは、日本の流行をアジアに広めていく、という戦略でした。

しかし、今回のポマードは、アジアで同時多発的に流行し、それが日本にも来た、という初めてのケース。マンダムの奥さんは、今後はこういう売り方になっていくのかも、とおっしゃっていました。

★今のポマード≠昔のポマード!!

ところで、新しいポマード、ということは、昔のポマードとは違うの?日本のお父さんが泣いてなつかしがるあのポマードではないのでしょうか? マンダムの奥さんに聞きました。

奥 啓輔さん
「昔の〝 ザ・ポマード 〟というような油性のオイリーな商品ではなくて、あのツヤ感は維持しつつも、水溶性でかなり洗い落ちがよくてべたつかないというのが、いまの進化系のポマードと言えるかと思います。香りも、昔のポマードだとかなり男らしめの、私も祖父が昔のマンダムの商品を使っていたのでそういった香りも憶えていますけど、だいぶ変わっていると思います。瑞々しく軽やかなクリアフルーティの香りにしていまして、少し甘い香りにしています。」

マンダムから発売された『ギャッツビー スタイリンググリース』

イメージはだいぶ変わっちゃったようですね。かつて【男の世界】全開だったものから、さわやか系にイメチェン。ちなみに日本だけは商品名が『ギャツビー スタイリンググリース』と、ポマードという名前を使っていません。古いイメージを持つ人が多いからだそうです・・(ほかの国はポマード)。

ただし、調べてみると、昔ながらのポマードもなんと今も健在。ドラッグストアを回ってみると『丹頂チック』『柳屋のポマード』『MG5チック』など・・・数は少ないもののまだしっかり現役!根強い固定ファンがいるのだそうです。

昔懐かしいポマード!使っていましたか?

★鬢付け油も人気の兆し!!

そんななつかしい整髪料を探しているうちに、ふと気になったのが、もっと歴史の古い日本伝統の整髪料、【鬢(びん)付け油】。大相撲秋場所も盛り上がりましたが、この鬢付け油には人気の兆しはないのでしょうか??東京・江戸川区で65年間作り続けている、島田商店の島田秋廣さんに伺いました。

島田秋廣さん
「最近、国技館の中でも売ってくれているところがあるので、結構、本場所中はちょこちょこ売ってもらっています。お土産みたいに買っていくらしいんです。あとは九州から北海道まで、個人的にほしい人というのは結構いますよ。巡業に行ってすれ違うといい匂いがしたから調べて電話をくれる人もいますし、都会でも電車の中ですれ違うといい匂いで好きだからほしいって言ってくる人もいますよ。」

こちらがお相撲さんが使っているのと同じすき油。鬢付け油ではなくて、正式にはすき油というのだそうですよ。

やっぱり相撲人気がじわじわと復活しているせいか、鬢付け油を買い求める一般の方が増えたそうです。(いい匂いですものね~!私も相撲好きなので、お土産にあるなら買いたいです!)

実は、今この【鬢付け油】を作っているのは、全国でこの島田商店ただ1軒しかないのです!!昔ながらの手作業です、まさに一つ一つすべて手作りなのだそう。島田さん(昭和12年生まれ!御年80歳!)と息子の陽次さん、そしてそれぞれの奥さん、この4人が、日本伝統の大相撲を支えていたのです。おどろきました!!

★鬢付け油は昔から同じだけど違う!?

そして鬢付け油のいちばんの特徴のあの香り。実は島田さんが大きく変えたそうなのです。

島田秋廣さん
「いちばん初めはもっと弱い香料を付けてたんですよ、ほかの香りで。いまの匂いを付けるようになったのが、昭和30年代ぐらい。お相撲さんも1週間ぐらい頭を洗わない場合があるわけです。だから「もうちょっと強い匂いにならないの?」って話もあったしね。じゃあというので香料屋さんといろいろやってみて、勤めたところのおやじさんとあたしと何人かでいろいろ試行錯誤して。それでお相撲さんに持っていって、じゃあこれでいきましょうかって。」

実は鬢付け油のあの香り、江戸時代から同じものではなく、島田さんが昭和30年代に開発したものだったのです。それが当時、相撲界のニューファッションとして一気に変わり定着した。さらに島田さんは、油の固さも変えていた。かつて小錦や武蔵丸が活躍した頃、くせっ毛のハワイ勢の髪もうまく結えるように、油を固く変えて現在に至るそうです。材料も、作り方も、江戸時代から変わってはいません。しかし、島田さんたちは、時代やニーズに合わせて少しづつ変えていたんですね。

島田さんに『大相撲がまた盛り上がってきてよかったですね』と言うと、『でもやっぱり幕下以下の力士や新弟子が増えないと、油は売れないからね』と笑っていらっしゃいました。

ポマードが東南アジアで大ブレイクしていたのは驚きました。鬢付け油も作り続けられるよう、新弟子が減らないで、ますます大相撲が盛り上がってほしいですね。

「現場にアタック」近堂かおり

近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。


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