忙しい朝でもニュースがわかる「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)
7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」。
本日6月8日(水)はレポーター田中ひとみが『オープンから2ヶ月経った、バスタ新宿の評判』について取材しました!
★バスタは便利!「乗り換えしやすさ」で満足度は高い!
今日は、新宿駅南口に出来た新しいバスターミナル「バスタ新宿」のお話です。
バスタ新宿は、駅周辺に19か所あったバスの発着場を1か所に集約させた施設です。4月4日のオープン当日にはこのコーナーでも中継をしましたが、2か月が経った今、利用者の評価について取材しました。
まずはバスタ新宿を管轄する国土交通省・東京国道事務所事業対策官の鹿島秀明さんに、利用者へのアンケート調査の結果を伺いました。
- 国土交通省・東京国道事務所事業対策官 鹿島秀明さん
- バスタ新宿のオープン前後で、移動の時間がかなり短縮した点で満足度がかなりアップしています。それから、乗り継ぎの環境ですが、エレベーター、エスカレーターでスムーズに移動できるんです。また、点在していた時は路上の停留施設もあったので、雨の日は傘を差しながら待っていただく環境でしたが、バスタ新宿が開業したことによって、待合施設の中で利用していただける格好になったので、環境が大幅に改善したのかなと考えています。
要するに「便利になりましたよ!」という話でした。実際、アンケート調査の具体的な数字を挙げますと、、、
■バス乗り場への移動の満足度
オープン前「約49%」→オープン後「約81%」
※実際、現場で利用者に伺うと・・
- 以前だと一番遠いバス乗り場は駅から14分歩かされたけど、バスタ新宿は駅直結で、早ければ1分で着くのでラク
■バリアフリー・乗り換えやすさの満足度
オープン前「約49%」→オープン後「約82%」
※こちらも比較的高い評価を得ていました。
そんな中、「待合施設・サービス」という項目は、オープン前の満足度「26%」に対して、オープン後は「57%」。増加してはいるものの、他と比べるとあまり高くありません。どうしてこのような結果になったのか?バスタ新宿の利用者に話を聞いてみると、こんな意見が出てきました。
★バスタ新宿、施設そのものには「不満あり」・・・
- お腹空いてて何か食べたい時にコンビニが無くて、不便だなって思いました。ちょっと我慢してサービスエリア止まるまで待とうかなって思ってます。
- コンビニが無いっていうのネットで見ました。それ聞いてたんで事前にご飯買って持ってきました。だからちょっと不便なんかなって思います。
- 待合室があんまり無くて、外に座るのがちょっと嫌だなって感じはあります。
そうなんです、コンビニがないんです!バスタ新宿のホームページを見ると、Q&Aにこう書かれてありました。
Q.「売店はありますか?」
A.「ございません。飲料自動販売機を設置しておりますのでご利用ください」
飲み物の自動販売機はあるようですが・・・このバスタ新宿の利用者が一番多いのは、夜の10時以降。深夜バスの長旅なので、ちょっと食べるものも買いたいという人からは、コンビニが欲しいという不満の声が多いようです。また、待合室や椅子も少ないということで、やっぱり発着のピークを迎える夜10時以降、疲れた中、立っている人が目立ちました。
そして、バスタ新宿への不満、他にも、特に女性からはこんな意見多かったです。
★女性からは「トイレが少ない!」との声が
- トイレは結構並んでて、夜とか女性の方が結構並んでるんで、20分ぐらい前から余裕をもってトイレに来ないとバスに遅れちゃうみたいな。
- 今化粧落としてました。トイレ混んでて長蛇の列になってたので、パウダールーム使えないと思って、中の椅子も満杯で座れなかったから外で。
- 出発まであと5分です。混んでるなと思って間に合わないと思って。バス乗ったとしても途中で休憩はさむんで、それでいいやって感じで諦めですね。
女性トイレの数は、乗車フロアに2か所、降車フロアに1か所。それぞれ個室が4つと少ない状況で、ピークの夜10時には、行列ができていました。あと5分でバスが出る!という状況では、駆け込んだトイレが混んでいても、他のトイレへ走れない・・・乗り遅れる危険もありますよね。そんなわけで「女性トイレを増やして」という要望の声はバスタ側にも届いているようですが、具体的な話はまだ出ていないようです。
これから夏休みに入ると利用者が増えるという予測も出ているし、いち早く対策をとったほうがいいのではと思ったのですが、東京国道事務所の鹿島さんに話を聞くと、まだ、そこまで手を回せないようです。
★バスタの第一の目的は甲州街道の渋滞緩和だった・・
- 国土交通省・東京国道事務所事業対策官 鹿島秀明さん
- もともとこの施設は国道20号の渋滞の緩和というのが大きな柱だった。原因の1つであるタクシーの利用がバスタの方に移動したことで渋滞が緩和されたと。今後はいろんな声、ニーズがあるのでそのあたりに対してきちんとできるものから検討していくような恰好になるのかなと思います。
新宿駅南口の前を走っている甲州街道=国道20号の渋滞緩和が、バスタ新宿ができるそもそものきっかけだということです。そちらはかなり頑張って改善したようですが・・・残念ながら、トイレやコンビニなど、利用者のニーズには応えきれていない状況でした。
ではどうしたらいいのか?同じバスターミナルで、利用者のニーズに合わせて大幅なリニューアルをしたところがありました。福岡市の西鉄天神高速バスターミナル。どんなリニューアルか?西鉄天神高速バスターミナル所長、鬼木武さんに聞きました。
★利用者のニーズに応えた天神高速バスターミナル
- 天神高速バスターミナル所長 鬼木武さん
- 平成27年のリニューアルで、プロジェクトチームの中に女性がいて、女性目線を重視して取り入れました。今若い人に人気があるスターバックスを誘致。コーヒーとサンドイッチを買って乗り込む方が結構います。コンビニもローソンに入ってもらい、コンビニのローソンとお土産を売ってるローソンという風に入ってもらった。それから女性のトイレ、乗り場の方は5つから9つに増やして、パウダールーム、フィッティングルームも新たに新設しております。
飲食、コンビニ、トイレなど、大幅に改善したようです。バスタ新宿でも、特に就活中の女性から、「バスに乗る前に化粧を落としたい」とか、「スーツから私服に着替えたい」という声が出ていたので、まさに利用者のニーズに合ったリニューアルだと思いました。
とても便利になったけど、もうちょっと頑張って欲しいバスタ新宿。天神のように、もっと便利になるかどうか、今後、期待です。
(取材・レポート:田中ひとみ)
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