23日、群馬県にある草津白根山の本白根山で、噴火がありました。ニュースを受けて、東京から4時間、草津白根山の麓の観光地、草津温泉に行ってきました。影響はでているのでしょうか?
「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」1月24日(水)は、レポーター近堂かおりが、本白根山の噴火について、草津温泉街への影響を取材してきました。
★草津温泉 観光客の声
草津の温泉街は、噴火した鏡池付近からは直線で、およそ10キロ、噴石などが落下した草津国際スキー場からは東に、およそ3キロの場所にあります。
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草津温泉 湯畑。ライトアップしてました。
温泉街では、どんな影響が出ているのか?草津温泉に来ていた、観光客に話を聞きました。
- ●「温泉と軽い観光っていう感じで、スキーは今回なしで。着いて友達からラインが来てて大丈夫って?旅館の方に聞いたら、たぶん大丈夫って感じだから、大丈夫なのかなと。」
- ●「お母さんから心配のラインが来てそれで知った感じです。ちょっと駅からホテルに行くまでの間にすごいいっぱい救急車と消防車がたまっていて、自衛隊の人をみたときはちょっと思ったんですけど、今は全然平気です。」
- ●「向かっていて、伊勢崎あたりで知りはしたんですけど、ダメならダメで・・・。」
来る途中に身の回りから連絡があって、大丈夫かなと心配していたそうですが、来てみたら平気ですね、と話すみなさん。草津国際スキー場と草津の温泉街の距離は離れてるので、温泉も影響なく、お店の営業も通常でした。
一方で、やや慎重な声もありました。
- ●「旅行会社の研修できました。車内でニュースを見ながら来ました。もう中止になるのかなと思ったら、全然中止にはならず。たぶんお客様だったら、中止にはするんだと思いますけど。これからどうなるか、噴火の状況によって違うと思うので。」
- ●「距離感が分からなかった。スキーをしに来たので大丈夫なのか?と思いましたけど、ホテルの方に聞いたらここから10キロくらい離れてるから大丈夫かと。明日帰るからきょう一日はと思ったんですけど、僕自身は全然と思っていたけど、かみさんが今日帰りたいと言っていたんですけど、子供たちが雪崩とか噴火とかに敏感に反応しましたので、怖がって遊べないですから、きょうは違うホテルの温水のプールにお邪魔しましたけど。」
お子さんがいれば、なおさら慎重になりますよね。一昨日から、二泊三日で来ていて旅館でニュースを知り、スキーはやめて温水プールにしたそう・・・
1人目の旅行会社の方は、研修でいらしてましたが、これが、お客さんのツアーだったら慎重に判断せざるを得ない、とはなしていらっしゃいました。実際、一部報道では、既に、団体旅行のキャンセルも伝えられています。
★草津温泉 地元の声
では、今度は地元の人のお話です。
- 旅館の方
- 「旅館で働いています。報道が出てから、きょうはキャンセルの電話がずっと入っていました。ちょうどいいシーズンなので残念です。」
- 観光案内の方
- 「今日この後スキーに行きたいんですけど、何も知らずにいらっしゃって、別のところを探したりとか。(外国のお客さんも多い?)たくさんいらっしゃいます。一応英語で対応できるスタッフがいますので。」
- 饅頭屋さん
- 「ここね、直線で10キロくらいあるんだよね。だから、ちょっと安心。でも大変だよね自衛隊の人もみんな。いつなるかわからない、その不安抱えてスキーはできないでしょ。管理する側の責任になっちゃう。」
- お漬物屋さん
- 「こっちの方はそんな近くはないですね、役場の方から噴火したっていうことは聞いていますね、携帯に来るんですね。何か地震とかあれば。」
昨日、取材をしていて驚いたのは、声をかけると半分くらいは外国語からの観光客でした。
スキー場の山頂に19人の外国人観光客がいたとニュースになっていましたが、外国の観光客が災害に巻き込まれないように、観光案内所では英語が話せるスタッフを配置し、対応していました。
最後のお漬物屋のお母さんは、役場から連絡があった、と話していました。事前に登録しておくと、町役場から防災関連情報がメールで来るようになっているのだそうです。
一方で、これから老人会の新年会だという方たちは、こんなことを言ってました。
- ●「ニュース見て知りました。でも噴火口じゃないんだね。とんでもないところがなったんだね。噴火口じゃないあの地図みると。これでまた当分白根はだめ・・・・自衛隊の人が亡くなってかわいそうね。でも町の中は大丈夫です。」
このように、地元の人たちでも、遠方の親戚や友人が教えてくれた。ニュースで知った、という人も意外と多かったです。ニュースで解説されていますが、地元でずっと警戒されていたのが『湯釜』と呼ばれる場所。この方はじめ地元の方々は『湯釜』のことを”噴火口”と言っていました。そういう認識だったのでしょうね。今回の噴火は、およそ3000年間目立った活動のなかった、本白根山の”鏡池”付近だったのでとても驚いている様子。別のお父さんのお話によれば、今回噴火した”鏡池”のあたりは、遊歩道が整備されていて、地元の人が効用を楽しんだり、お弁当を持って散歩に行くところだそうで、それほど静かで安心な場所。だからこそ、こうした驚きの声は、地元の人から大変多かったです。
また、飲食店を営む男性はこんなお話も。
- 飲食店の方
- 「僕が子供の時、白根山から火山活動で灰が降ってたのは、それ以来じゃないですか?僕、雪だと思って口開けたら、親に怒られた覚えがある。今はふってないし。兆候は何もなかったですよね。去年火山レベルが下がって道路が通れるようになったとかあったんで、ここ数日も地震もないし、白根が噴火したってんで、え?音はしないんだけど、山見ても煙も出ていないし、水蒸気爆発かなって、だからびっくりしましたね。温泉地はどこもそうですけど、火山背負ってますからね。少なからず火山の恩恵があって温泉に浸かれるっていう前提があるんでね。まあ何でもないとは言えないですけど、いらっしゃって欲しいですね。」
兆候もなくて、ニュースを聞いてもにわかには信じられなかった様子。ただ、普段は火山に恩恵を受けているのでね・・・と複雑な表情でした。また、「”鏡池”の近くには、長野とつながる道路が、あり、その道路が受けた被害などは、雪が融けてみないとわからない。観光客の行き来を左右する道路だから、その影響もとても心配だ・・・」という話をした方もいらっしゃいました。
今後も噴火が続くのか、それとも沈静化するのか分からない、ということですから、情報には十分注意してください。
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近堂かおりが「現場にアタック」で取材リポートしました。